遊びの中に気づきを! 子どもたちの頭を刺激するサイコロゲーム
学童での遊びのなかでも何かに気づいて、結果として何かを学び身につけてほしい。そんな遊びを実践しています。
東京都港区にある幼児と小学生の学童施設「クランテテ三田」では、子どもたちをお預かりしながら、学習指導や運動教室などの習い事を行っており、日々子どもたちの成長を見守っています。
「学童保育」というと、夕方まで自由に遊ぶ場所というイメージが一般的です。子どもたちは学校の集団生活から離れて自由に遊びたい。当然です。でも、せっかくだから遊びのなかでも何かに気づいて、結果として何かを学び身につけてほしい。わたしたちは、そんな遊びを実践しています。
あそび×きづき=まなび
気づきを得るには、たくさんの失敗と成功が欠かせません。失敗することを嫌がって成功できそうなことしかしないのはもったいない。子どもたちが挑戦したくなるような工夫を遊びのなかに紛れ込ませて「たくさん失敗したけど面白かった」と言わせたい――そんな思いでいろいろな遊びを提供しています。
今回は、つい最近はじめたサイコロを使ったゲームをご紹介します。
セブン・アップの遊び方
「セブン・アップ」は、昔から親しまれているサイコロゲームです。
【用意するもの】
サイコロ2個、たくさんのチップ(チップになるものなら何でも構いません。私たちの教室では、豆をチップ代わりにしています。)
【準備】
各プレイヤーに21枚のチップを配る。中央にもチップを多めに用意する。
【ゲームの流れ】
任意のプレイヤーから時計回りに2個のサイコロを振る。
合計値7を出したら中央から7枚のチップがもらえる。
合計値7以外を出したら、7との差を中央にもどす。
ひとりのプレイヤーのチップが0になったら終了。そのプレイヤーが敗者となる。
実に単純なゲームです。
このゲームの第一の狙いは「くり下がりを含む引き算の暗算能力アップ」。自分の番だけでなくほかの子の結果も「間違いではないか」と確認するようになるので、短時間でたくさんの暗算が頭のなかで行われます。
子どもたちを刺激する声かけ
「このゲームをもっと面白くしたい。どうしたらいい?」
私のこの発言が子どもたちの心を刺激します。
- 最初にもらうチップを増やす/減らす。
- 特定の目(ゾロ目)が出たらたくさんのチップがもらえる。あるいは支払う。
- ゲームが終了したときのチップの数で順位をつける。
- 特定の目が出たら1回休み。
- 特定の目が出たら反対まわり。
たくさんのルールが子どもたちから出てきます。確率を意識した意見がでることもあります。これらを少しずつ試しながら、「一番面白いルール」を作り、それが定着します。
試すルールによっては、ゲームバランスが崩れたり面白みが失われたりすることもあります。そんなときに「何がいけなかったのか」と考える子どもたちの表情は真剣そのもの。 アナログゲームの良さはこんなところにもあります。
ぜひ、ご家庭でもお子さんといっしょに遊んでみてください。