子どもの“目”に必要なバイオレットライトってなに?/最近の近視事情から【後編】
- 子育て情報全般
- PR
前回は、最近小中学生の近視が増えていることや、近視の原因についてお伝えしました。今回は、どうしたら子どもの目の健康を守れるかについてお伝えします。
前回は、最近小中学生の近視が増えていることや、近視の原因についてお伝えしました。今回は、どうしたら子どもの目の健康を守れるかについてお伝えします。さっそくですが、クイズです。1~3のうち、子どもの目の健康を守るために良いとされるのはどれだと思いますか。
- 毎日魚を食べる
- 1 日2 時間くらい屋外で遊ぶ
- テレビゲームは、なるべく寝る直前にする
答えは……、ちょっと待ってください。今回もメガネブランド「JINS(ジンズ)」でスタッフの教育につとめる田中勝美さんにお話を聞いてみました。
バイオレットライトが近視の進行をおさえる?
前回、近視とは、眼球の長さ(眼軸長)が長くなってピントの位置がずれてしまうことだと説明しました。いったん眼軸長が伸びてしまうと、元にもどすことはできません。でも、最近の研究で、あることで眼軸長が伸びるのをおさえる効果が期待できることがわかってきました。それは、「バイオレットライトを浴びること」です。バイオレットライトという言葉は、聞き慣れないかもしれませんが、太陽光に含まれている光のひとつです。
太陽の光は白色に見えますが、実はいろいろな色の光が混ざっています。色の違いは波長の違いで、プリズムという器具を通すと、光を波長によって分けることができます。虹が見えるのも、空気中の雨粒がプリズムの役目をして太陽光を分けているからです。
さて、太陽光のうち、目に見えない紫外線に波長が近い光がバイオレットライトです。このバイオレットライトを浴びると、「EGR1(イージーアールワン)」という遺伝子がよくはたらいて、眼軸長が伸びにくくなることがわかったのです。
屋外での適度な活動が近視をおさえる
バイオレットライトを浴びるには、太陽の光を浴びれば良いことになりますね。つまり、屋外で活動をすることが近視対策につながります。でも、いくらでも太陽光を浴びて良いというわけではありません。太陽光には、紫外線もふくまれているからです。紫外線を浴び過ぎず、バイオレットライトをほどよく浴びることのできる時間の目安は2時間。そう、はじめのクイズの答えは、2の「1 日2 時間くらい屋外で遊ぶ」でした。
ブルーライトってなに?
ブルーライトは、太陽光にもふくまれていますが、パソコンやスマートフォン、ゲーム機などの電子機器のモニターからも出ています。
ブルーライトには、体を目覚めさせるはたらきがあります。日中にブルーライトを浴びると元気になると言われていますが、夜寝る前に浴びると、体内時計がずれてぐっすり眠ることができず、不眠につながることがあります。そこで、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」でも、若年世代は寝る前の携帯電話やゲーム機の使用は注意が必要と呼びかけているのです。
さらに、ブルーライトを浴び過ぎると、目が疲れやすくなることがあります。画面を明る過ぎないようにすること、ある程度離れて見ること、1時間使ったら5~10分休むことを心がけましょう。
現代の生活では、パソコンやスマートフォン、ゲーム機などとまったく無縁で過ごすことは現実的ではありません。できるだけ目への影響を防ぐことができるような使い方をするように心がけたいものです。
光と上手に付き合って目にやさしい生活習慣を
日中は太陽を浴び、夜はブルーライトを遮断して、部屋を暗くして休みましょう。本来の「光の時間帯」に合った生活をすることは、近視対策のほか体内時計を整え、心身の成長にも重要な意味があります。また、適度にバイオレットライトを浴びることや、ブルーライトを浴び過ぎないことのほかにも、ふだんの生活の中で目の健康のためにできることがあります。
本を読むときは、背筋を伸ばした姿勢で、目から本を30cm以上離すこと。また、本を1時間読んだら5~10分間休むこと。睡眠、食事、運動など、規則正しい生活をすること。気になることがあったら、早めに医師に相談すること。
これらを習慣にすることで、近視対策ができるのです。お子さんの目の健康には、保護者がしっかり気配りしてあげてください。