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「子育てが楽しくなる小さなヒント」② 子どもが安心する慣らし保育のコツ

「子育てが楽しくなる小さなヒント」② 子どもが安心する慣らし保育のコツ

学研キッズネット編集部と、元保育園園長で現在「花まる子育てカレッジ」のディレクターである井坂敦子さんがタッグを組んで、月・水・金の朝6時に配信している、音声プラットフォーム『Voicy』の番組「コソダテ・ラジオ」。月曜日配信のトークテーマ「子育てが楽しくなる小さなヒント」の内容を、いつでもお読みいただけるように記事化しています。第2回目のお話は?

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子どもにとっては永遠の別れ

春から、新しく保育園や幼稚園に通い始めたという方、多いんじゃないでしょうか。そこで初めてお母さんと離れるときに、お子さんが泣いてしまうこと、よくあると思います。保育園ですと、最初の1~2週間ほど、早めにお迎えに行って母子分離の練習をする、いわゆる「慣らし保育」をするところもありますよね。

 

それは、「そこに置いていかれても、お母さんはすぐにお迎えに来てくれる」ということを、子どもに理解してもらうための練習期間みたいなもの。いきなり長い時間だと、子どもは、なんでそこに置いていかれたのかわからないですよね。置き去りにされたような感覚になってしまって、「大好きなお母さんが永遠に戻って来ないかもしれない」くらいの気持ちで、必死に泣くわけです。

「家庭的な保育環境」という選択肢

私自身、1年間の産休・育休を取って仕事に復帰しました。当時はフルタイムで働いていたので、始まってしまったら、通常8時間、時短でも6時間半の仕事が待っています。子どもにとっての6時間半は長く、お母さんが永遠にいなくなるようなもの。それはとても怖いことだろうなと想像しました。

 

私の場合は最初、保育園ではなく、「保育ママ」(家庭的保育事業所)という制度を利用しました。色んな自治体でやっていて、自治体が認定した保育ママが、その方の自宅で保育をしてくれます。だから、「園」という施設ではなく、自治体の基準に合格した「自宅」でみてもらえる。

 

そこには保育にあたる方が2人いて、子どもの人数は最高5人まで。しかも、子どもの年齢が3歳の誕生日になるまでなので、小さい赤ちゃんのような子どもたちを自宅で、少ない人数でみてもらえます。本当に家庭的な環境でした。

 

私の場合は、たまたま知り合いの方に預けられるという幸運に恵まれました。「生活クラブ」という、食べ物や生活雑貨の共同購入のようなことをしていたのですが、そのとき一緒のグループに、年上の先輩ママさんでリーダーのような方がいたんです。とても信頼できて、高校生、大学生のお子さんを育てている方だったのですが、ちょうど娘が生まれる頃にその方が保育ママを始められていて、その方に預けることができたんです。

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時間をかけることで泣かずに…

しかも私の場合、娘の誕生日が7月で、ちょうど生まれてから丸一年の7月に仕事に復帰する予定だったのですが、保育園や幼稚園などの入園はだいたい4月からなので、その「保育ママ」も4月から登録させてもらいました。まだ産休・育休中から通うことができたので、短い時間から慣らし保育を始めることができたんです。

 

知り合いで親しい間柄だったのと、その方がとても理解のある方だったので、4月の1日から、本当に遊びに行かせてもらうような感じで始めました。娘も、子どもたちの中で遊ばせてもらえて、母と子だけで過ごすより、ずっと喜んでいて、刺激も受けていました。

 

そこから徐々に時間を伸ばしていくと、子どもも自分なりに理解して、だんだん一日の流れがわかるようになっていったようです。初めは一緒に行って、少し慣れてきたら私が少しいなくなってまた戻ってくる、ということを繰り返し、子どもだけでそこにいられる時間を延ばしていきました。そして7月の復帰前後には、まったく私がいなくても大丈夫な状態になる、というふうに、4月、5月、6月と長い時間をかけて慣らし保育をすることができました。

 

なので、娘はまったく泣かずに、毎日楽しいところに行っているうちに「ママがいなくても大丈夫だよ」という状態になってから保育園生活がスタートしたので、幸運なことに、泣かれて困るということを一度も経験せずに仕事に復帰することができました。

お母さんがきっぱりしていれば大丈夫!?

その後、私が保育園の園長という立場になって、お子さんを迎え入れる経験をしたときには、やはり多くの赤ちゃんが泣いていました。0歳児はまだあまり意味がわかっていないので、泣くこともなくすんなり保育園生活に慣れていきますが、1歳を過ぎていると逆に、お母さんがいなくなることへの不安、いなくなったことに対する理解ができるので、泣き方がすごかったり、大変激しい反応を見せるお子さんもいました。

 

どうすればよいかと言うと、これはもう慣れるしかないんです。ゴールデンウィーク後に元に戻ってしまったりもしますが、1か月もすると、ずっと泣いている子は少なくなっていって、だんだん泣く時間も短くなっていきます。お母さんが見えなくなったらケロっとすぐに泣き止んで、楽しくニッコニコで遊んでいるお子さんもいるんですよ。

 

お母さん側としては、そんなに激しく泣かれると後ろ髪をひかれますし、「なんのために仕事をしているのだろう、こんなに自分の子どもに悲しい思いをさせて」という気持ちになるかと思いますが、保育園側の立場から見ていると違うんです。保育園の先生からも聞いているかもしれませんが、子どもって案外たくましいんですよね。

 

逆に心配しているお母さんの子どものほうが泣く、というようなところがあります。すごく心配してしまい、「申し訳ない」という気持ちをお母さんが持ってしまうと、お子さんの泣き方が大きくなってしまうというようなことがありました。

 

だから、「保育園に預けるのが当たり前」、「あなたはあなたでそこで楽しんできてね。私は私でお仕事頑張ってくるわ」みたいな、お母さん自身の気持ちがしっかり決まっている方は、お子さんもすがらないという感じがありました。

まずはお母さん自身「自分が納得する」こと

子育てをしていると、「どうしようもないこと」や、「どうやったら解決できるんだろう」「どうにもならない」というような状況がどうしても出てくると思いますが、できる限りのことをしてみたり、どうしたらいいのかよく考えてみるといいのではないでしょうか。

 

私のように、時間をかけて慣らし保育をすることで自分が納得できるようなタイプであれば、そういうふうにして、まず自分が納得できるよう工夫をする。そうすると、うまくいくことも多いのではないでしょうか。これまで、いろいろな親子を見てきて、そう思います。

 

お母さん自身、初めてのことばかりで、たくさんのことを抱えて、迷うことがいっぱいあると思います。しかもそれを、ひとつひとつ決めていかなくてはいけないんですよね。

朝、「今日のお天気だと、この服でいいのかな?」というようなことから、「これを食べたら体にいいかしら?」というような、日々の小さな決断をたくさんしていかなくてはいけない。

 

そこで、ひとつひとつ真面目に真剣に考えるほど、悩んだり、迷ったりすることが出てくると思うんですが、ときには「えいやっ!」と腹をくくることも大事なのかなと思います。

 

たとえば、誰か信頼できる人に相談したりしながら、「これでいいんだ」「うちはこういうふうにやっていこう」と、お母さん自身が納得する。そして納得して覚悟のようなものが決まると、お子さんも迷わないし、不安にならないと思います。そうすると、お子さんも安心できて、子ども本来の伸びる力を発揮し、スクスクと育つことができるのではないでしょうか。

「コソダテ・ラジオ」はこちらから。ぜひフォローしてお聴きください。

記事の元になった放送はこちらです。

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▼井坂敦子 プロフィール

慶應義塾大学→ 雑誌『オレンジページ』編集部 →公式サイト『オレンジページnet』編集長 →小学校受験対応型保育園園長 →年間約100本の子育てや教育に関する講演会や対談を企画運営  英国留学中高校生女子とボーダーコリー3頭の母

中学校高等学校教諭一種免許状(国語) 保育士 食育カウンセラー 表千家師範

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学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっとへんしゅうぶ)

学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっとへんしゅうぶ)

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