【知らないとマズイ自転車の心得①】 クイズで確認! 警察に聞いた子どもの自転車事故防止策
放課後に公園へ遊びに行く、習い事に通うなど、自転車に乗って子どもだけで出かける機会は少なくありません。でも、ちょっと待って。じつは小中学生の交通事故の大半は、自転車に関する事故なのです。その件数は、歩いているときの2倍以上というから驚きです。そこで今回は、大阪府警察本部 交通総務課の中沢さん、竹田さん、川口さんに、小中学生の自転車事故に関するお話を伺ってきました。
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自転車の交通ルールクイズに挑戦!
小中学生の自転車事故に関するお話を聞く前に、まずは基本の交通ルールについておさらいしてみましょう。子どもに安全な自転車の乗り方を教えるためには、保護者の方が正しい交通ルールを知っている必要があります。クイズは3問。全問正解目指して、挑戦してみてください!
いかがでしたか? 間違えた問題があった人は、ぜひもう一度交通ルールを見直してみてくださいね。
小中学生の自転車事故は夕方、交差点付近で発生
いよいよここからは、大阪府警察の皆さんに具体的な小中学生の自転車事故に関してお話をお聞きします。まずは、どのような状況での事故が多いのでしょうか?
「大阪府下では、年間を通して子どもの事故が発生しています。特に、学校が終わって習い事などに行く16~18時の時間帯、場所は交差点や交差点付近で多く発生しています。見通しの悪い交差点では一時停止をして左右確認をしてから通行しましょう」(中沢さん)
一時停止指定場所等で止まらないことは、自転車運転者講習制度の対象となる危険行為のひとつでした(クイズQ3参照)。もちろん、一時停止の標識がない場所でも、しっかりと止まって安全を確認することが重要です。では、自転車事故を防ぐために大切なことを教えてください。
「小さなお子さんは、自分の体に合った自転車に乗るということ。とっさのときに足がつかないと、転倒する恐れがあります。止まっているとき、両足の3分の1程度は地面につくようにサドルの高さを調節してください。そして、交通ルールを必ず守り、いつでも止まれる速度で走行し、安全確認することが大切です」(川口さん)
さらに、ヘルメットを必ず着用する、傘差し運転はバランスがとりにくく視界も悪いため禁止されているので、雨の日はレインコートを着る、夜間でも目立つように反射材をつける、明るい色の洋服を着るなども意識しておきましょう。
親子で近所を回って、危険箇所の共有を
これから自転車で公道デビューをするお子さんがいる場合、どのような点が重要でしょうか。
「車道は左側、歩道を走る場合は車道寄り(クイズQ1参照)などの基本的な交通ルールを教えることは大前提ですが、大切なのは、お子さんと一緒に近所を歩いて、もしくは自転車に乗って、危ない場所をチェックすることです。少し遠回りになっても、車が少ない安全な道を選ぶ、この交差点は見通しが悪い、あの信号は青の時間が短いから無理に渡らないなど、具体的に危険な場所と走り方を教えること。そして、子どもは大人を見て真似をしますので、保護者の方自身も、しっかり交通ルールを守ることを改めてお願いしたいです」(竹田さん)
自転車は車の仲間であり、歩道では歩行者優先であることを伝えながら、実際に気をつけるべき場所を親子で確認することが大切なのですね。
万が一事故に遭ったら、必ず警察に届け出を
十分注意して走行していても、事故に遭うこともあります。もしも事故に遭った場合にすべきことを教えてください。
「もっともお伝えしたいのは、たとえ相手にぶつかっていなかったとしても、事故になりうるということです。ギリギリで避けた場合でも、相手がバランスを崩して転倒したら事故と判断される場合もあります。もしも事故を起こしたら、負傷者の救護と警察への届け出を必ずしてください。相手が大丈夫ですと立ち去った場合でも、届け出る義務があります。これは、自分が被害者の場合も同様です。もしも事故に遭った場合は、どんなケースであっても、その場で110番するなど、最寄りの警察へ知らせてください」(中沢さん)
怪我がなければ事故ではないと思いがちですが、それは間違いなのですね。たとえ接触しなくても事故になる。警察への届け出は義務である。しっかり覚えておきたいことです。また、自転車事故を補償する保険にも加入しておきましょう。
最後に、「自転車で公道を走ること自体に年齢制限はありません。逆に言うと、小学校高学年になったから大丈夫ということでもないのです。お子さんの運転に不安がある場合は、たとえ年齢が高かったとしても保護者の方が止めることも必要です。まずはお子さんと一緒に自転車に乗って近所を走り、十分安全に走行できることを確認してから、自転車デビューをしてほしいと思います」と川口さん。
自転車は車の仲間であり、死亡事故も起こっていること。そして、いつ自分が事故の被害者にも、また加害者にもなりうるということをしっかり子どもに伝えたいですね。さまざまな交通ルールをまずは大人が守り、子どもと一緒に確認して、安全に自転車を運転しましょう。
(取材・文 水谷映美)