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カメラマン直伝!運動会で子どもを上手に撮影する6つのポイント

カメラマン直伝!運動会で子どもを上手に撮影する6つのポイント

子どもの運動会は、年に一度のスペシャルイベント。ベストショットをおさえるために、必死なパパママも多いのではないでしょうか。でも、ブレてしまったり、なんだかイマイチな仕上がりになってしまったり……写真を撮ることに夢中で、子どもの様子が記憶にあまり残っていない、なんてことにもなりかねません。そこで今回は、さまざまな媒体で活躍するカメラマンの増田えみさんに、運動会で子どもを上手に撮影する秘訣を教えてもらいました。

Purino/shutterstock.com

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運動会で子どもを上手に撮影する6つのポイント

①かけっこ・リレーの場所取りは「ゴール側」
②ダンスでは「キメポーズ」を狙う!
③顔に帽子の影がかかるときは「逆光」で撮影する
④「シーン別」モードの撮影がおすすめ
⑤望遠レンズがないときは「最高画質」の設定で撮影し、あとでトリミングする
⑥「競技以外のふとした瞬間」がかけがえのない思い出になる

【ポイント①】かけっこ・リレーの場所取りは「ゴール側」

まずは、うまく写真が撮れない競技のナンバーワンであろう「かけっこ・リレー」での撮影テクニックを教えてください。そもそも、どのあたりに場所取りをしたらいいでしょうか?

「幼稚園や保育園、小学校低学年など、走る距離が短い場合は一直線にコースが引かれていると思います。その場合は、できるだけゴール側にいたほうが、正面から撮影できますよね。

直線に走ってくる場合は、ゴール側からシャッターチャンスを狙おう(画像提供:増田えみさん)

問題は、グラウンドを半周走るようなリレーです。この場合は、ゴール手前のコーナーが一番撮影しやすいです。コーナーでは走る速度が少し落ちますし、スタート地点から自分に向かって走ってくるので、より長い時間シャッターチャンスに恵まれることになります。逆にスタート側のコーナーにいると、ほとんど背中しか写せません。一人で一周走る場合でも、ゴールに近いコーナーにいたほうが、より多くのシャッターチャンスがあると思います」(増田さん)

ゴール手前のコーナー付近にいれば、正面や横顔をおさえられます(画像提供:増田えみさん)
さらにゴールに向かっていく後ろ姿もバッチリ(画像提供:増田えみさん)

事前に、「何番目の何コースを走ります」と書かれた紙をもらってくることが多いと思うのですが、その情報をもとに場所取りをすると良いのですね。

「はい。もしも事前情報がない場合は、前の競技の様子や、準備で並んでいるところに注目していると、どの場所に先生が誘導するか、どこからスタートするかがわかることがあります。あとは、わが子の番になって初めて撮影するのではなくて、事前によその子が走る様子を撮影して、練習しておくことをおすすめします。シャッターポイントがつかめますし、うまく撮れなかったらカメラの設定を見直せますので。ぶっつけ本番は危険です」(増田さん)

【ポイント②】ダンスでは「キメポーズ」を狙う!

しっかり止まってくれるからブレずに撮影できます(画像提供:増田えみさん)

続いては、ダンスのときの撮影のコツを教えてください。一曲終わるまで撮影し続けても、あとで見ると同じようなカットばかり……というケースが多いと思うのですが、どんな場面を狙ったらいいでしょうか?

ダンスで狙うべきは、キメポーズです。踊っている最中は動きがあるのでブレやすく、撮影しにくいですよね。ですが、一曲の中で数回はキメポーズがあるはずなので、そこを狙うのが賢いです」(増田さん)

同じキメポーズでも子どもによって個性が!(画像提供:増田えみさん)

ということは、子どもが家でダンスの練習をしているときに、キメポーズがどこにくるか予習できるということですね! なかには、当日まで秘密にしたいからと家で踊ってくれない子もいると思うのですが、その場合はどうしましょうか。

「ダンス自体がわからなくても、曲さえわかっていれば、ポーズをとりそうなポイントが予想できると思うので、踊る曲名だけは教えてもらっておくと良いですね。

あとは、つい最初から最後までずっと撮影してしまいがちですが、結局同じようなカットが何十枚も残るだけなので、一番のキメポーズが何枚か撮影できたらOK!と割り切ることも大切かもしれません。たとえば、曲の1番は撮影、2番は自分の目で見て楽しむ、最後の大サビでもう一度撮影する、とか。撮影に夢中で、肝心のわが子の様子を記憶できていないというのは少し寂しいです。せっかくのお子さんの晴れ姿を、自分の目でも楽しみましょう!」(増田さん)

こんなときどうする?【悩み別】写真撮影のコツ

ここからは、運動会の撮影で陥りがちな失敗やお悩みについて、増田さんに答えてもらいました。

【お悩み】天気の良い日ほど、子どもの顔が暗く写ってしまいます

【ポイント③】顔に帽子の影がかかるときは「逆光」で撮影する

運動会では、多くの子どもが赤白帽子を被っているため、帽子のツバの影で顔が真っ黒になりがち。この場合は、太陽の位置を意識すると良いです。写真撮影では多くの場合、被写体の後ろ側に影ができる「順光」が好まれるのですが、運動会の場合は、あえて被写体の手前に影ができる「逆光」で撮影したほうが顔に影がかからず、子どもの表情がしっかり写ることが多いです。よりドラマチックな写真が撮れるので、ぜひ試してみてください。

【お悩み】カメラが多機能すぎて、どのモードで撮ったらいいかわかりません

【ポイント④】「シーン別」モードの撮影がおすすめ

一番安心なのは、すべての設定をカメラに任せる「オート機能」です。ただし、「誰でも間違いなく撮れますよ」という機能なので、逆に言うと、無難な写真しか撮れないということでもあります。カメラにシーン別で選択できる機能があれば、リレーのときは「動きのあるものを撮る(走る人のマーク)」を選ぶと、オートよりももう少し雰囲気のある写真が撮れると思います。

あとは、連写モードも速い動きの撮影に使えますが、どこにボタンがあるかわかりづらい場合があるんですよ。できれば、運動会などイベントのとき以外でもカメラを触って、どのボタンでどのような設定ができるか知っておくと良いですよ。

【お悩み】望遠レンズを持っていないので、子どものアップが撮れません

【ポイント⑤】望遠レンズがないときは「最高画質」の設定で撮影し、あとでトリミングする

グラウンドが広ければ広いほど、子どもとの距離が遠くなってしまい、相当良い望遠レンズがないと撮影できない……というお悩みをよく聞きます。その場合は、カメラの画質設定を一番良いものにしておいて、後で子どもの部分だけトリミングするのが一つの手です。いらない部分を切り取ってしまうということですね。ただ、ピントだけはあとで操作できないので、撮影するときは子どもにしっかりとピントを合わせることを忘れずに。

アップばかりではなく、あえて引きの写真にすることで、そのときの雰囲気全体を残せます(画像提供:増田えみさん)

ズームできないからこそ撮れる写真もありますよ。たとえば、すごく低い位置から撮影してみる。普段の自分の視点とは違ったアングルで撮ることで、新しい景色が見えてきます。アートフィルターをかけて、オシャレな写真にするのも良いですし、往々にして引きの写真のほうが雰囲気のある写真になります。良いレンズがなくても、素敵な写真は撮れますよ!

【ポイント⑥】「競技以外のふとした瞬間」がかけがえのない思い出になる

照れるとお腹を出しちゃう癖があるので、その様子をパシャリ(画像提供:増田えみさん)

最後に、増田さんから素敵なアドバイスが。

「子どもをより素敵に撮影したいというのは、誰もが思うこと。でも、運動会のハイライトは、リレーやダンスの最中だけではありません。走る順番を待っているときの緊張した表情、走り終わって砂をいじっている後ろ姿、1位になれなかったのにまったく悔しそうじゃないうちの子、とか(笑)。お友達と笑顔で話している様子も素敵な思い出ですよね。そんな、写真屋さんが決して撮ってくれないシーンや表情を撮影すると、後々見返して楽しい写真になると思います。親の自分しか見つけられないシャッターチャンスは、そこらじゅうにあるんです!」(増田さん)

救護係として頑張っている姿も素敵な思い出に(画像提供:増田えみさん)

ほんの少しのポイントで、より思い出に残る素敵な写真が撮れそうですね。最後に、もう一度6つのポイントをおさらいすると……

 

運動会で子どもを上手に撮影する6つのポイント

①かけっこ・リレーの場所取りは「ゴール側」
②ダンスでは「キメポーズ」を狙う!
③顔に帽子の影がかかるときは「逆光」で撮影する
④「シーン別」モードの撮影がおすすめ
⑤望遠レンズがないときは「最高画質」の設定で撮影し、あとでトリミングする
⑥「競技以外のふとした瞬間」がかけがえのない思い出になる

 

ぜひ今度の運動会で試してみてください!

 

取材・文/水谷映美

 

運動会で子どもを上手に撮影する方法【動画編】はこちら!

【プロ直伝】何度でも見返したくなる!運動会で子どもを動画撮影するコツ

お話を聞いた人:増田えみさん

お話を聞いた人:増田えみさん

お話を聞いた人:増田えみさん

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