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選び方次第で勉強の進み具合が変わる!? 小学生のための文房具の選び方と使い方【コソダテのヒント】

選び方次第で勉強の進み具合が変わる!? 小学生のための文房具の選び方と使い方【コソダテのヒント】

元保育園園長で、現在子育てや教育関連の講演会を配信している「花まる子育てカレッジ」ディレクター井坂敦子さんによる連載です。音声配信Voicy『コソダテ・ラジオ』の「子育てが楽しくなる小さなヒント」を読みやすく記事化しております。ぜひお楽しみください。

楽しい文房具選び。ポイントは“芯の濃さ”

新学期は新しい文房具を揃える季節。機能的なものから、かわいいキャラクターのものまで、多種多様なものであふれる文房具売り場は、ワクワクしますよね。

小学校に入学されたお子さんは、新しいノートや鉛筆を使って机に向かって書く時間もぐんと増えると思いますが、小学校低学年のお子さんにおすすめしたい鉛筆があります。

それは2B以上、4Bなどの鉛筆です。なぜかというと、HBやHは芯が硬いので、筆圧がまだしっかりしていない小さいお子さんだと、字が細くなったり、紙に引っかかったりして、書きにくいからです。

この4BやHという記号ですが、芯の硬さや濃さを表わしていて、HはHard(硬い)、BはBlack(黒い)。数字が大きくなるほど、Hは書いた文字色が薄くなり、Bは濃くなります。

小学校低学年だと、Bの鉛筆をすすめられることが多いかと思いますが、特に平仮名を習い始めの1年生には、筆圧が弱くても芯がやわらかくてしっかりと黒い線が出る4Bで書かせてあげてほしいなと思います。

4Bだと平仮名の「とめ・はね・はらい」が筆あとのようにきれいに書けるので、鉛筆で書いても「しっかりはらっているな」「ちゃんとはねて書けているな」とわかります。大人からも正しく書けているかどうか確認しやすく、子ども自身も自覚しやすいので、文字の習い始めには2B以上、4Bなどの鉛筆がおすすめなのです。

シャープペンシルの場合も芯の濃さについては同じ考え方ができます。シャープペンシル禁止の小学校も多いかと思いますが、高学年になると塾や自宅で使い始めるお子さんもいますよね。一般的には0.5ミリ芯のものがスタンダードですが、0.8ミリや0.9ミリといった太いものもあるので、使い始めはそうしたものを選び、鉛筆と同じくBなど濃い目の芯を使われることをおすすめします。

小学校5、6年生になって、小さい字でスイスイ計算を解いていくようになってきたら、0.5でもよいでしょう。

親子で一緒に、ノートの取り方をトレーニング!

次はノートについて。小学校に入ったばかりの頃は、学校から「何マスのノートを用意してください」などと丁寧に教えてもらえることも多いかと思いますが、学年が上がってくると、選択が各家庭にゆだねられてきます。

ノート選びで大事なのは、「その子に合ったノートを選ぶ」ということ。学年で決めるのではなく、お子さんの文字の大きさやノートの取り方によって選び方を変えてほしいと思います。

小学校4年生の後半くらいには分数が出てきます。1行の中に「何分の何」と2段の数字を入れるとなると、かなりぎゅうぎゅう詰めに。真面目な子だと、「2行使っていいよ」と言われないと、「1行の中におさめないと」と字を小さく書いてしまい、見にくくなります。

ノートの取り方には非常に個人差があり、上手な子はうまく整理しながら書けますが、そうでない子はなかなかノートをうまく取れません。

上に兄弟がいると、そのノートの使い方を真似して上手に使えるようになったりしますが、ひとりっ子やいちばん上のお子さんだと、そうはいきません。ノートの取り方がうまくならないまま学年が進んでしまう場合があります。

そうした場合、お子さんが家で宿題をやっているときなどに、「日付はちゃんと書けているかな?」「問題集の何ページ・何番など、今どこを解いているか書いているかな?」「ノートに、文字をぎゅうぎゅうで書いていないかな?」などを見てあげてほしいと思います。

大人には当たり前のことも、子どもはよくわかっていないことも多いもの。お子さんの様子を見ながら、「お母さんも一緒にやってみようかな」と、たまに一緒に机に向かい、ノートの取り方のお手本を見せてあげると、子どもは「そういうふうに書けばいいのか」と、すぐに学びます。

勉強のモチベーションアップにつなげるには?

算数では、学年が上がってくると、横で筆算の計算をしながら文章問題を解いていったり、図や表を描いたりといったことが始まります。そのときに、ノートが見やすく書けていればどんどん理解が進むのに、書き方でつまずいてしまうと、もう嫌になってしまうことがあります。

ひとつ嫌になってしまうと、「その科目すべてが嫌い」となってしまう危険も。ここは親御さんの腕の見せどころ。押しつけるのではなく、「こんなふうに書いたらいいんじゃない?」と、うまく導いてあげてほしいものです。

ノートをうまく取れるようになるだけで、これまでつまずいていたところが「ぐん!」とできるようになることも。

罫線や方眼など、「どれがいいかな」とノートを選ぶのと同時に、ノートの取り方もそれに合わせて整理していく。勉強そのものよりも、そうした周りの環境を整えてあげるだけで、意外とすんなりうまくいくことが多いのです。

自分で文房具を選ぶことも勉強のモチベーションアップにつながるので、お子さんと一緒に文房具売り場に行って一緒に選んでみたり、「ノートの取り方」についての本を親子で一緒に見たりするのもよいと思います。

勉強をしてほしいと思ったら、勉強そのものをやらせようとするよりも、「いかに気持ちよくできるか」という部分を工夫してみる。そのひとつが文房具からのアプローチではないでしょうか。

 

話し手/井坂敦子 構成/清野 直

『コソダテのヒント』シリーズ

井坂 敦子(いさか あつこ)さん

中学校高等学校教諭一種免許状(国語) /保育士/食育カウンセラー/表千家師範

慶應義塾大学卒業→ 雑誌『オレンジページ』編集部 →公式サイト『オレンジページnet』編集長 →小学校受験対応型保育園園長 →「花まる子育てカレッジ」にて年間約100本の子育てや教育に関する講演会や対談を企画運営。Instagramブログ「わが家の小学校受験顛記」も好評。英国留学中の高校生とボーダーコリー3頭の母

学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと編集部)

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