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子どもが「コミュ障」なのは親のせい? コミュニケーションの基礎はこうやって身につけよう!【コソダテのヒント】

子どもが「コミュ障」なのは親のせい? コミュニケーションの基礎はこうやって身につけよう!【コソダテのヒント】

元保育園園長で、現在子育てや教育関連の講演会を配信している「花まる子育てカレッジ」ディレクター井坂敦子さんによる連載です。音声配信Voicy『コソダテ・ラジオ』の「子育てが楽しくなる小さなヒント」を読みやすく記事化しております。ぜひお楽しみください。

「あいさつ」はコミュニケーションの第一歩

親なら子どもに身につけてほしい「コミュニケーション能力」。その基礎とも言える「あいさつ」ですが、お子さんは問題なくできていますか?

幼稚園、保育園、小学校、中学校などで、朝、先生に「おはようございます」と声をかけると、先生からも「おはようございます」と返ってくる。よくある光景ですね。

誰かに会って、「こんにちは」や「ありがとうございます」、「さようなら」といったあいさつを気持ち良くできるかどうかというのは、子どもによってマチマチです。

恥ずかしがってうつむいている女の子

特に、幼稚園や保育園は子どもたちにとって社会デビューのようなもの。初めて会う先生や大人に対してもじもじしてしまい、なかなかできない場合もあると思います。

「恥ずかしがり屋だから」「まだ小さいから」という理由で、できなくてもそのままにしておく親御さんもいますし、「『おはようございます』は?」と声をかける親御さん、背中をトントンと押してあいさつを促す親御さんもいます。

「『おはようございます』って言うのよ」と言われてすぐにできるお子さんは何も問題はありませんが、それができないお子さんですと、小学生になっても言わない、言えない場合があります。

小学校3、4年生になっても、言わないことが習慣になってしまっていて、親御さんのほうが「すみません、うちの子はあまりあいさつができなくて」と謝ってくることも。

そうした親御さんから、「どうしてうちの子はあいさつができないんでしょう?」と相談を受けることがあります。

そうしたときに、お答えしていることをお話ししたいと思います。

無理やり言わせるのは逆効果

イギリスに、「馬を水辺に連れて行けても水を飲ませることはできない」ということわざがあるように、「あいさつはしない」「したくない」と思っている子どもに無理やりさせることはできませんよね。

保育園に勤めていた頃、あいさつをしないわが子をかばうように、「いつもあいさつするように言っているんですけど、できなくて……」と親御さんから言われたことがありました。

ですが、あまりそこにこだわってしまうと、逆効果。子どもがふとした瞬間に言いたくなったとき、言いにくくなってしまうことがあるようです。

笑顔で楽しそうにあいさつしているお母さんと娘

おすすめしているのは、とにかく親御さんが、「おはようございます」や「こんにちは」、「ありがとうございます」、「さようなら」といったあいさつを普通にすること。

はっきりとした声で、元気に楽しそうにあいさつしている姿をお子さんに見せてあげることです。

そうした姿を見て、お子さんが「なんか楽しそうだな」「やってみようかな」という気持ちになってくれるのが、いちばん良い方法ではないでしょうか。

親がコミュニケーションを楽しんでいる姿を見せる

「言いなさい」と言われてしたあいさつは、やはり「やらされている」感じがします。言うほうも言われたほうも気持ち良くはありません。

ぜひ、「あいさつすると気持ちいい」「あいさつってかっこいい」「あいさつすると、お姉さんや兄さんになった気分になる」といった子どもの意欲のようなものを刺激してあげてほしいと思います。

あまり無理強いはしないで、親御さんが楽しくあいさつする姿をたくさん見せてあげること。

笑顔であいさつしている日本人女性と外国人の女性

同様に、外国の方と会う機会があったら、あまり英語が得意でなくても、「ハロー」などと積極的に声をかけていくと、「いろいろな国の人と仲良くするのは楽しいな」と、お子さんが感じられるのではないでしょうか。それが、ひいては英語への興味とつながっていくこともあるかもしれません。

幼児~小学校低学年くらいは、親の振る舞いや行動が「お手本」であり、真似をするもの。

よくスマートフォンを見ているお母さんであれば、子どもは「スマートフォンを見ることがかっこいい」と思うし、いつもテレビを見ているお父さんであれば、テレビを見たくなったり、リモコンを使いたくなるということがあるでしょう。

それと同じで、お母さんやお父さんが「あいさつはいいものだ」という気持ちで行動したり振る舞っていると、そうした気持ちがお子さんにも伝わっていくのだと思います。

親御さんが本をよく読む家庭だと、お子さんも自然と読書するようになったりするという話もよく聞きます。ぜひ、お子さんがあいさつをできなくても、あまり気にせず、まずはご自身があいさつを楽しんでみてください。

 

話し手/井坂敦子 構成/清野 直

『コソダテのヒント』シリーズ

井坂 敦子(いさか あつこ)さん

中学校高等学校教諭一種免許状(国語) /保育士/食育カウンセラー/表千家師範

慶應義塾大学卒業→ 雑誌『オレンジページ』編集部 →公式サイト『オレンジページnet』編集長 →小学校受験対応型保育園園長 →「花まる子育てカレッジ」にて年間約100本の子育てや教育に関する講演会や対談を企画運営。Instagramブログ「わが家の小学校受験顛記」も好評。英国留学中の高校生とボーダーコリー3頭の母

学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと編集部)

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