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「まちがいさがし」で子どもの脳力UP! 脳科学者・篠原菊紀先生に聞いた、遊びながら“賢い脳をつくるコツ”とは?

「まちがいさがし」で子どもの脳力UP! 脳科学者・篠原菊紀先生に聞いた、遊びながら“賢い脳をつくるコツ”とは?

「うちの子、ゲームばかりして心配」「勉強が嫌いで困る」という親御さんも多いですよね。どうにかして子どもの能力を伸ばしたい、遊びながらも頭を鍛えることができたら、と願う親御さんにもおすすめの『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』がこの度発売されました。監修者である脳科学者の篠原菊紀先生に、“賢い脳をつくるコツ”を伺ってみました。

“賢さ”とは「ワーキングメモリ」のことだった!?

「賢くなりたいなら、『ワーキングメモリ』を鍛えることがおすすめです」と篠原先生は言います。

「ワーキングメモリは『ちょっと覚えておいて(メモリ)あれこれする(ワーク)』、脳のメモ帳のような機能。

学習や仕事、コミュニケーションを行うのに日々使われていて、とても大事なものなんです。『作業台』に例えられることもありますが、作業台が大きいほど作業の効率は上がりますよね。

教科書を開いて勉強している男の子

さらには、子どもの頃のワーキングメモリを中心とする実行機能の高さが、後々の職種や収入、貯蓄、健康状態、犯罪傾向、依存傾向、肥満傾向などと関わることが長期調査で知られています。

重要なのは、ワーキングメモリには『可鍛性』があるということ。これは、鍛えれば伸ばすことができる、ということなのです」(篠原先生)

どうしたらワーキングメモリは鍛えられるの?

篠原先生によると、ワーキングメモリはさまざまな方法で鍛えることができるのだそう。

「アメリカのある調査では、ワーキングメモリへの影響として、遺伝や親の社会経済的地位よりも2年間の学校教育のほうが上回る、という結果が出ました。“読み書き計算”などの学校の勉強には、効果があるということです。

それから、お子さんがゲームばかりしていて心配な方。これもアメリカの研究で、遺伝要因や社会経済的地位なども考慮した長期的な調査を行ったところ、ゲームをしている時間が長い子のほうが、ワーキングメモリを含む認知機能=頭の働きが向上した、という結果が出たのです。

ベッドに寝っ転がってゲームをしている男の子

ほかにも、たとえばお子さんが音楽好きで部屋でギターばかり弾いているという場合、親は『勉強してほしい』と心配するかもしれませんが、コードを覚えたり、リズムを考えたりと、楽器演奏はまさに“脳のトレーニング”です。

読書はもちろん、テレビのクイズ番組などでも鍛えられますし、認知症のテストでも使われる“言葉を逆から読む”というのも効果的。しりとりなんかもいいですね。『短い間だけ記憶して、何かする』という作業なら、なんでもトレーニングになるのです。

『勉強』という形にこだわらずとも、ワーキングメモリの機能を鍛えることができれば、たとえ学校の成績があまりよくなくても、いわゆる『地頭のいい子=頭のいい子』になるので、心配しすぎることはないんですよ」(篠原先生)

まちがいさがしでワーキングメモリが鍛えられる!!

今回篠原先生が監修された『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』について伺ってみました。

『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』の1問目。「マイクラの世界を冒険しよう!」
人気の「マインクラフト」のイラストでまちがいさがしに挑戦! 「クリーパー」を探すおまけ問題もついているよ。(『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』より)

「まちがいさがしは、一方のイラストを覚えながらもう一方のイラストから違いを探していくときに盛んにワーキングメモリを使うので、“脳トレ”に最適です。

その上、まちがいさがしでは物の位置や向きなどを意識するので、『空間認知力』も鍛えられます。この空間認知力は、昨今重要視されているSTEM(科学、技術、工学、数学)教育の基礎となるもので、ワーキングメモリと並ぶ大事な機能。

空間認知力が高いと特許取得数も多くなる、とも言われていて、微積分や有機化学、プログラミングなどを理解する際にも基礎となる力です」(篠原先生)

3Dまちがいさがしで空間認知力を高めよう!

『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』の「3D まちがいさがし」の問題。別アンクルから立体化されたイラストが並ぶ。
別アングルからの画像を並べて違いを探す「3D まちがいさがし」では、より空間認知力を鍛えることができる、と篠原先生。(『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』より)

「『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』では、僕が提案した『3Dまちがいさがし』が採用されていて、画像が立体化されています。より空間認知力が鍛えられ、とくに、展開図の問題を解く際などに必要なメンタルローテーション力(頭の中で図形を回転させる能力)の強化に役立つと考えられます」(篠原先生)

答えがわからなくても大丈夫! 脳は「楽しい」「難しい」で活性化

まちがいさがしでワーキングメモリを鍛えるときのコツなどは、あるのでしょうか?

お子さんの好きなイラストやテーマのものを選ぶとよいと思います。そもそも、まちがいさがしはお子さんが楽しく取り組めますよね。楽しいとやる気スイッチである脳の奥の『線条体』が活動し、ドーパミンが分泌され記憶効率が上がります

本書のように、人気のある『マインクラフト』の世界観というのも、お子さんが親しみを持てて楽しく取り組めるのでいいですね。

『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』の冒頭ページ。「この本のあそび方」
「マインクラフト」の世界観でストーリーが展開。全問解き終えたあとは絵本を読んだような満足感が味わえる。(『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』より)

小さいお子さんなら、違いを見つけられるようにリードしてあげたり、一緒に悩んだりして、親子一緒に楽しむといいと思います。私の研究室で行った実験では、とくに小さいうちは、親子で取り組むとワーキングメモリにかかわる前頭葉が活動しやすくなる、というデータもあるんですよ。

難しければ、答えを見ても大丈夫。『なるほど!』と納得することも、脳の活性化につながります。脳は、問題に対して7、8割の割合で答えられるときにやる気が高まるので、もし問題が難しぎる場合は、親御さんがヒントを出したりサポートしてあげると、お子さんがより楽しめると思います。

それから、まちがいさがしに限らずお子さんが勉強などで苦戦していると、親は『そんな簡単な問題もわからないなんて』と不安に思ってしまいがちですが、サクッとすぐに解けてしまうよりも、“うんうん”考えているときこそ脳は活性化します。ですから、気をラクにして見守ってあげてくださいね。

机に向かって、考えながら問題を解いている男の子

まちがいさがしのもう1つの楽しみ方として、『言葉で説明する』という方法もあります。『○○の向きが違う』『△△が1本少ない』など、違っている部分を具体的に言語化することでより学習効果が高まるので、1回目は普通に解き、2回目以降は言葉で説明してみる、というのもいいですね。

本書では、最後に『自分でもまちがいさがしを作ってみよう』という提案もありますよね。脳は『出力依存性』と言って、使うことで覚えるもの。よく『アウトプットが大事』などと言うように、表現することでより身につけることができるのです。

ノート、ホッチキス、消しゴム、カラーペンを別角度から撮った写真
写真で簡単につくれる「3Dまちがいさがし」。右の写真では、ノートの位置、マグカップの向き、ペンの色が変わっているよ。(編集部作成)

本にあるように、自分でイラストを描いたり、マインクラフトを使ってもいいですし、3Dまちがいさがしをつくりたかったら写真もおすすめです。身近なものでいいので、少しだけ物の位置などを変えて別の角度から写真を撮れば、簡単にできて面白いですよ。家族で問題を出し合ったりSNSなどにアップすると、さらに楽しみが広がると思います。

本来、頭を使うことは楽しいもの。ぜひ、親子で一緒に遊びながら頭を鍛えてみてくださいね」(篠原先生)

『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』

 『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』のカバー

みんな大好き大人気ゲーム『マインクラフト』の世界がまちがいさがし本になって登場! 脳科学者で多数の脳トレ本を手掛けてきた篠原菊紀氏監修の元、本書はまちがいさがしパズルを楽しみながら自然と理系脳力の下地作りとなる「空間認知脳力」や学力向上にもつながる「ワーキングメモリ」などの脳力がアップする問題を収録。

篠原菊紀・監修
ワン・パブリッシング刊
2023年12月21日発売
880円(税込)

『マインクラフト 超ムズ!まちがいさがしブック』

取材・文/清野 直

篠原菊紀(しのはら きくのり)さん

篠原菊紀(しのはら きくのり)さん

篠原菊紀(しのはら きくのり)さん

1960年、長野県茅野市生まれ。公立諏訪東京理科大学工学部情報応用工学科教授。「快感・楽しさ」をキーワードに「ドーパミン神経系のふるまいを利用しコンテンツの快感を量的に推定する研究」「機械学習を併用したゲーミング障害・ギャンブリング障害研究」などを、企業などとコラボしながら行っている。著書に『「すぐにやる脳」に変わる37の習慣』(KADOKAWA)、『楽しく続ける!脳活パズル140日ワーク』(監修/ワン・パブリッシング)、『楽しみながら脳を活性化! 大人の計算ドリル200日』(イースト・プレス)など。フジテレビ「今夜はナゾトレ」、NHK「チコちゃんに叱られる!」などメディアでの解説や監修も多数。

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