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「宿題やりなさい」のお小言は封印!子どもの自主性を引き出す「一問方式」

「宿題やりなさい」のお小言は封印!子どもの自主性を引き出す「一問方式」

毎日同じ小言を子どもに言い続けるのは、叱られる子どもはもちろん、親としてもツラいものです。きっと、何かいい伝え方があるはず……そこでご提案したいのが、親野智可等先生の「前向きな声かけ&方法の工夫」です。

今回は、毎日避けて通れない「宿題」に子どもが進んで取り組む方法をお伝えします。

​​【お悩み】なかなか宿題に取りかからず、夜遅くに半泣きでやっているわが子。毎日「宿題はやったの?」と言うのに疲れてしまいます。

学校から出される宿題や課題。やらなくてはいけないとわかっていながら後回しにしてしまい、結局取りかかるのが遅くなって焦る……。

なかなかやろうとしない子どもに、毎度毎度「宿題は?」「早くやりなさい!」なんて親も言いたくないもの。もちろん、言われる子どもだっていい気はしません。「いまやろうと思ってたのに!」なんて機嫌を損ねてしまうこともあるでしょう。

そこでまず提案したいのは、コミュニケーションを変えてみるという方法。

まずは、お小言を言いたくなる気持ちをぐっと抑えて、「今日も宿題があるの? 大変だね」「学校で頑張って帰ってきたから疲れてるよね」子どもの想いを代弁して共感しましょう。

すると、いつもと違うアプローチに、「ママ(パパ)は私の気持ちをわかってくれた!」とうれしくなるはず。「今日はいつもよりも漢字ドリルの量が多いんだよ!」なんて胸の内を話してくれるかもしれません。

こちらが伝えるポイントや言い方ひとつで子どもの反応は大きく変わり、親子の関係もどんどんよくなっていきます。

とりあえず始める「一問方式」がやる気アップのカギ

さらに、子どものやる気スイッチを押してあげるような言葉かけができれば、毎日の宿題にもスムーズに取りかかれるでしょう。

子どもがなかなか宿題を始めないときに工夫してほしいのが、「宿題に取りかかるハードルを下げる」ことです。具体的には2つの方法があります。

①その日の宿題と筆記用具を、机の上にすべて出しておく

学校から帰ってきたら、宿題の算数プリントや漢字プリント、筆箱など宿題に必要な道具を机の上に全部出しておきましょう。これを遊びに行く前にやっておくのがベスト。ページを開いておくことまでしておけば、「今日やらないといけない宿題」が可視化されるので、取りかかりのハードルがぐっと下がります。

たとえ遊びに行ってしまっても、帰ってきたらすぐに宿題に取りかかる準備ができているわけですから、後回しにしにくい環境を作っておけるのです。

②まずは一問だけやってみる

そしてもうひとつ、ぜひ試してほしいのが「とりあえず一問だけやってみる」という方法。漢字の宿題だったら、一文字だけでOK。「一問(一文字)だけやったら、遊びに行こうか」と子どもに提案してみましょう。

一問だけでいいの?と思うかもしれませんが、いいんです。たった一問ですが、やってみると宿題をやり切る時間の見通しが自然と立てられます。「これなら、わりとすぐにできそうだな」と思えばこっちのもの。宿題への心理的なハードルが下がるだけでなく、不思議とやる気が湧いてくるんですよ。

名前を書くだけでもいいし、ひらがなや漢字の一画を書くだけでもいい。「よし、一文字だけ書こう!」と思って始めた結果、そのまま宿題を進める子どもはたくさんいます。

私たち大人でも、やらなきゃいけない仕事になかなか取りかかれないことってありますよね。何事も「全部やろう」ではなく「ほんの少しやってみよう!」とハードルを下げることができれば、意外とスムーズに取りかかることができるんですよ。

 

取材・文/水谷映美 編集/石橋沙織 イラスト/ぴよととなつき デザイン/曽矢裕子

親野智可等(おやの ちから)さん

親野智可等(おやの ちから)さん

親野智可等(おやの ちから)さん

長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。著書多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。Instagram、Twitter、Voicy、Blog、メルマガ、各種メディアの連載などで発信中。『「叱らない」しつけ』などベストセラー多数。オンライン講演を含む全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

Webサイト
http://www.oyaryoku.jp/

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