宿題に明日の準備…自分から動かない子に!声かけ以外のアプローチ
「うちの子、何度注意してもなかなか動いてくれないんです……」子どもの生活習慣に対してどう声をかけてよいのか悩むことってありますよね。そこでご提案したいのが、親野智可等先生の「前向きな声かけ&方法の工夫」です。
今回は、親野智可等先生に聞いた「子どもの意識の切り替え方法」についてご紹介します。
【お悩み】宿題があるのに、なかなか取り組もうとしません。毎日何度言っても動いてくれず困っています。何かよい方法はありませんか?
子どもは学校や習い事など、外で一生懸命がんばっています。友だちとの関係だって、楽しいことばかりではありません。
だからこそ、家に帰ってきたらゆっくり過ごしてエネルギーチャージする時間も大切。子どもの日々のがんばりを認めて理解したうえで、声をかけることを意識してみましょう。
いつまで経っても宿題を始めなかったり、お風呂に入らなかったりしたとしても、頭ごなしに子どもの行動を否定する言葉を投げかけ、とがめるような声かけはぐっとこらえる。
まずは、子どもの気持ちに共感し、褒めることが大切です。
「今日も一日お疲れ様。体育は50m走だったの? よくがんばったね!」といった具合です。何か注意するならそのあとで。
肯定から入ると子どもはうれしい気持ちになるので、そのあとの受け止め方が変わってくるはずです。
体が勝手に動き出す!?好きな音楽で宿題開始!
ポジティブな声かけ以外に、音楽を活用する方法もあります。やり方は、とっても簡単!
あらかじめ子どもと相談して「この音楽が流れたら、宿題をやろう!」と決め、毎日同じ時間にその曲が流れるようにタイマーをかけましょう。親がスマホなどから流すのもいいですね。
「音楽=宿題」と頭の中で認識されるようになると、条件反射が働いて行動につながりやすくなります。勉強が始まったタイミングで音楽を止めてあげると、より集中できると思います。
実際にこの方法で、子どもが自分から進んで宿題をやるようになったという声もあるんですよ。
もちろん、宿題以外でも有効です。歯磨きやお風呂の準備の時間になったら、音楽を流すのもいいですね。好きな曲を聴きながらであれば、きっと楽しい気分で進めてくれるのではないでしょうか。
「今月はどの曲にする?」と聞いて子どもに決めてもらうようにすると、「自分で決めた曲だからやらなきゃ」という意識が出て実行率が高まります。
気持ちの切り替えは、できて当然のことではありません。大人も子どもも、「好きな音楽」をうまく活用すると、自然と心が前向きになり、楽しく次の行動が始められると思いますよ。ぜひ親子で試してみてくださいね。
取材・文/水谷映美 編集/石橋沙織 イラスト/ぴよととなつき デザイン/曽矢裕子