Case 4 その悪口、バレていますよ/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~
だれも知らないと思って書いた悪口が、実はまわり中に読まれている……ちょっと考えただけでも、ゾッとするような今回のエピソードです。
Aくん、別れたカノジョの悪口を書いちゃってヒンシュク
今回は「自分のブログを見ているのは見知らぬ人だけで、仲間は読んでいない」という思いこみがもとでおこった事件です。
娘のユカは、そのとき高校生。青春まっさかりですから、クラスの友だちもボーイフレンドができたり、失恋したり、いろいろとありました。
ある日プンスカ怒りながら帰宅したユカが、わたしに向かって「聞いて、聞いて!」としゃべりだしました。
「同じクラスのAくん、自分のブログに別れたカノジョの悪口を書いてるの! 最低!」
わたしもその場で見せてもらいましたが、「B子(別れたカノジョ)マジキモイ。オレ、よくあんなのと付き合えたなあ」と、下の名前を出して書かれています。
「これはひどい! B子ちゃんへの嫌がらせなの?」
それなら親の出番だと思ってユカに聞いてみたら、「ちがう」という返事。
Aくんは「自分がブログを書いていることを、学校の仲間は知らない。読んでいない」と思っているというのです。
みんなが読んでる「秘密のブログ」
実際は、友だちはブログの存在を知っていました。数人の子だけ知っていたものが、この一件で「Aくんがひどいこと書いたんだって」というウワサが一気に流れて、Aくんのまわりの子はみんな知ってしまいました。
ユカに、これからどうするつもりかたずねると、
「なにもしないよ。もし騒ぎになって、B子ちゃんがこのことを知ったら傷つくから。ママもだまっててね!」
そうは言われても、わたしは、Aくんのブログをそのままにしてはいけないと思いました。やっていることも悪いし、それをAくんが注意されないのも本人のためになりません。ユカを巻きこまないように、ママ友を何人かたどってAくんの母親に連絡しようと考えました。
母、解決に乗りだすが……
わたしはユカからAくんのブログのURLを教えてもらいました。内容を確かめてからどう伝えるか考えようとブログを見て、わたしは頭をかかえてしまいました。
母親の悪口が思いっきり書いてあるのです!
それも「人間としてダメだ」と。こんなものを母親に見せたらどれほど傷つくだろう、とわたしもユカと同じ立場になってしまいました。
(卒業のころに「うちの母親マジリスペクト!」とコロッと変わって、思春期の男の子そのものだなあと苦笑しましたが……)
結局、わたしもユカと同じように、沈黙をえらびました。
そのあとも、B子ちゃんを守ろうとユカたちは知らんぷりを続け、Aくんはまさか相手が読んでいるとは思わず、クラスの女子の批判をブログに書いたりしてますます人望を落としていました。
子どもに「もし読まれたら」と考えてもらう
Aくんは、ネット上に発信した情報の広がりを、自分でコントロールできると自信を持ちすぎました。「自分はブログの存在を秘密にしているから」まわりの人は知るはずがないと思い込み、放言をくりかえし、自分の評判を落としていきました。
ネットに書いたものは、だれでも見る可能性がある。だから、
- 人を思いやる
話題にされた人がもし読んだらどう思うか、考える - 自分を思いやる
「裏でこんなことを書いてる人」と思われたら自分はどうなるか、考える
いかがでしょうか。もし、もう「秘密のブログ」が書かれていたとしても、その内容が、思慮深く思いやりのあるものに変わるかもしれませんよ。
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