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Case 12 SNSの友だちとどうつきあう?(1)/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

Case 12 SNSの友だちとどうつきあう?(1)/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

TwitterやLINE、ネットゲームで知りあった相手と、実際に会いたいと子どもが言ってきたら、どのように答えますか?

渋谷で普通の女子高生の会話に仰天したわたし

去年の夏、渋谷のカフェでのことです。隣の席の高校生らしき女子2人が、大声でおしゃべりに夢中になっていました。

「Twitterで○○(男性タレントの名前)のファンだって子と話が合ってさー、このまえ会ったんだけど、来たのが男だったの!」

友だち「えー! やばくない?」

「また会おうってしつこいから、ブロックしちゃおうかなあ」

わたしも心の中で「えー!」と叫んでいました。

でもわたしがおどろいたのは「男だった」の部分にではありません。普通の高校生が、なんのためらいもなく、Twitterで知りあった相手と会っていることに仰天したのです。

ネットもリアルと同じように感じている子どもたち

渋谷の高校生の親は、子どもがTwitterで知りあった相手に会っていることを、たぶん知らないでしょう。わたしも他人ごとではないと、帰宅してすぐ娘のユカ(大学生)に聞いてみました。

「Twitterとかで知りあった人と実際に会ったことある?」

うーん、と考えこんでユカは

「ないなあ……。でも○○ちゃんは、Twitterの友だちと共通する好きなバンドのライブにいっしょに行ったりしているよ」

SNSとリアルの「知りあう」にある大きなちがい

さきほどの高校生は、いわゆる「出会い系」的な出会いを求めていたわけではありません。同じタレント好きの女友だちに会うつもりでいたら、男がやってきたのです。相手には下心があったでしょう。少なくとも、自分が女の子と思われているのは、わざとそのままにしていたのですから。

どうやら子どもたちにとってSNSは、もうリアルの人間関係と同等のようにとらえられているのです。

たとえば何回かしゃべった「となりのクラスの人」と遊びに行くような気軽さで、子どもはSNSで知りあった相手(リアルの友だちと区別するため「SNS友だち」とします)と待ちあわせしているのかもしれません。

しかしリアルと「SNS友だち」には決定的なちがいがあります。

「となりのクラスの女子」と休日に会ったら大人の男だった、ということはまずありません。でも「SNS友だち」が自分の性別や年を隠すのはかんたんです。

この「SNS友だち」の「現実に会っていない怖さ」を子どもがちゃんと理解しないと、思わぬ危険にあうことになります。

・ネット(SNS)で交流している相手は、知っているように思えても「本当はどこのだれなのかぜんぜん知らない人」

・名前や学校や写真などのプロフィールを公開していても、それが本当のことなのかどうかはわからない

SNS時代に子どもの安全を守るむずかしさ

SNSが全盛のいま、子どもたちの交友関係はスマホの中にあります。それは昔のように、自然に保護者の目や手がとどく場所ではありません。子どもを守るために親が何をしたらよいのか、お手本のないむずかしい時代です。

もしユカがいま小中学生なら「SNS友だち」に会うのは「ぜったいダメ」だとわたしは言うでしょう。

けれど高校生となると、単純に禁止では済まなくなります。行動範囲も交友関係も広がり、ネットとリアルがクロスするようになってくるからです。

実際、よく考えたら、ユカは「SNS友だち」と会ったことがあって、わたしもそれを知っていました。ただ、ふたりともそれをリアルな友だちと会ったと考えていたのです。

ネットとリアルがクロスする時代の子どもの安全については、次回、ユカの「SNS友だち」のエピソードと共にさらに考えたいと思います。

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 マリ(まり)

 マリ(まり)

マリ(まり)

サラリーマンの夫・大学生の娘(ユカ)との3人暮らし。
大学の恩師の「あなたは一生文章を書きつづけなさい」という言葉を真に受けて、今も日々ものを書いている。
現在はIT系の会社で、セミナー関連の仕事に携わっている。
趣味は映画鑑賞。年に100本みることがひそかな目標。

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