Case 34 世にトラブルの種はつきまじ/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~
このコラムを書き始めて1年以上たちますが、SNSのトラブルはあとを絶ちません。ユカの事件簿にも新しい事件が加わりました。
「見てるはずがない」という思いこみで失敗
みなさんもまだ憶えていると思いますが、コンビニの冷凍ケースに寝そべったりする悪ふざけの画像をSNSで公開する事件が、一時期よくありました。いまは落ち着いていますが、だれでも見ることができるSNSなのに問題のある投稿をして炎上するケースはあとを絶ちません。
最近わたしがTwitterで見たトラブルでは、学校をズル休みした学生が遊んでいる姿をツイートして、それに気がついた先生からリプライでしかられていました。運の悪いことに、面白がる人のほかに、まじめに欠席の是非を考えた人もリツイートして盛り上がり、アカウントで公開されていた名前や学校名とともに全国に知られてしまったのです。
迷惑行為でも犯罪でもない気の毒なトラブルなのですが、学校名まで出ている公開アカウントを先生が見ないと思いこんでいるのは、うかつすぎます。
用意周到なズル休みがいいわけではありませんが、公開アカウントの扱いは慎重に……。
便利な新機能の落とし穴にはまる
さて、こちらは娘のユカ(大学生)の友人の事件です。
ユカの友人が旅行で撮った画像をスライドショーにしてFacebookで友だちに共有しました。自動でスライドショーを作ってくれる機能を使い、自分では編集せずそのまま公開したそうです。
しばらくすると、Facebookを見た人から連絡が入りました。
「下着姿が出ちゃってるよ!!!」
なんと、次々変わっていくスライドショーに一瞬、ホテルでくつろいでいる下着姿の画像が入っていたのです。友人は大慌てでスライドショーを削除しました。友だち限定だったとはいえ、恥ずかしい経験になってしまいました。
自動でスライドショーを作成する機能に、公開したら困るものを判断する能力はありません。自分の目でチェックせず機械まかせにしていると、とんでもない1枚がピックアップされているかもしれません。
SNSでは、加工画像やスライドショー、ビデオなどが簡単に作成・公開できる新機能が続々とリリースされていますが、ネットに慣れた世代でも、こんな落とし穴にはまることがあるのです。
同じうっかりでも結果が重大な時代
最初のエピソードで紹介した学生は、同じような失敗で炎上した事件を何件も見聞きしてきたはずですが、「自分は大丈夫」という根拠のない自信からトラブルを招きました。
2つ目のエピソードでは、SNSの使いかたには問題はありませんが、使う機能についてしっかりと理解していなかったために、恥ずかしい思いをしてしまいました。
両方とも、SNSがない時代でも起こる失敗です。
「ズル休みをうっかり友だちに自慢したら、先生が聞いていた」
「友だちに旅行のアルバムを見せたら、うっかり抜き忘れた下着姿の写真が残っていた」
といったところでしょう。
しかしそれにSNSがからんだときのダメージは、その比ではありません。
SNSを介したことで、先生にしかられて終わるトラブルのはずが全国に名前や学校が知られてしまい、下着姿の写真は、一瞬で共有された友だち全員が見たりコピーできる状態になるのです。
うっかりが重大トラブルに直結しかねない時代です。
ちょっと慣れてきたかな、というときこそ注意が必要です。スマホ・ケータイを持った子どもたちがあちこちで楽しい思い出を作った夏の終わり、あらためて画像や個人情報の慎重な管理を、お子さんと確認しあってください。
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