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Case 40 身バレとディスられ、どっちが怖い?/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

Case 40 身バレとディスられ、どっちが怖い?/わが家のSNSトラブル ~ユカの事件簿~

自撮りを公開しないのは、個人情報が危ないから? 容姿をディスられるから?

日本で自撮り公開が流行らない理由は?

ちかごろ話題になった、自撮りについてのツイートがあります。
「日本では容姿や年齢に対するディスりがひどいので、自撮りを公開したがらない。海外では老若男女が自撮りを公開している」

日本ではInstagramやTwitterの自撮り画像に対して、「その顔でタレント気取り?」などとけなすコメントが付くのがあたりまえに起こっていて不愉快だ、とこのツイート主は指摘しています。

娘のユカの友だちはこのツイートに対して、「裏アカは、顔が出せないからです」とつぶやいていました。自分がだれだかぼかすためにわざわざ裏アカにしているのに、自撮りを公開するはずもありません。なるほど、子どもたちがネットでの安全について教えられていることを守ったら、自撮りが不特定多数に公開されることはないでしょう。

容姿のディスりがひどいから自撮りを公開しないというのと、身バレ(個人が特定される)防止のため公開しないというのは、ゴールが同じであっても心の持ちようがずいぶんことなっているように感じます。どちらがさきほどのツイートの正解なのでしょうね。

隠し、加工し、ディスられ防止

実は、Twitterでは自撮りがたくさん公開されています。
ただし手で隠したり、画像加工アプリで目を大きくしたり、動物のパーツを付けたりと、顔の一部分だけ出した画像が主流です。

加工してできあがるのは似たパターンの顔で、きれいと評価される顔へと自分を寄せているように思えます。身バレしないためという理由以上に、ディスられそうな部分を隠したいという気持ちが、一部だけ出す自撮りの背景にはあるのではないでしょうか。

容姿をディスられる心配は、たしかに自撮りの公開に影を落としているようです。

容姿をディスられない米国

そこで、米国在住の友人に子どもの自撮り事情を聞いてみました。

友人のお子さんがよく使うのはSnapchatというチャットアプリです。日本ではそれほど知られていませんが、投稿した画像は相手が見て10秒以内に消えてしまうという特徴があります。
そして、容姿でディスられること、顔を知られることの危険、両方とも気にすることなく自撮りを公開しているそうです。

米国では、体型や見た目について公に悪口を言うことは、人種差別したのと同じくらいまわりから非難されるので、容姿に対するディスりはできないというのです。

これには、うならされました。日本では容姿や年齢に対する悪口は、さほどとがめられることなく、ディスるほうが共感を集めて偉そうにしていると感じることが多々あるからです。

一方、顔を知られることを危険と思わないのは、わたしには不思議です。ネットで子どもの顔や通う学校などの個人情報を知った人間が、下校中の子どもに声をかける事件は実際起こっていますので、ここは守りたいところ。

顔出しは大人になってから

容姿でディスられる社会より、容姿をディスると激しい非難にさらされる社会のほうが健全なのはまちがいありません。容姿をディスられる心配などせずSNSで発信できる日が来ると良いなとわたしは思います。

ただし顔の公開には、身バレ、ストーカーなどさまざまなリスクが伴います。
自己表現として顔を出したいなら、大人になってリスクをきちんと承知したうえで行なうべきで、子どものうちは友だち間などで共有するにとどめ、安易に顔を公開させないことを徹底したほうが良いでしょう。

最近はわが国でも禁煙が主流になってきましたし、たばこの代わりに顔の公開を入れた「顔出しは大人になってから」という標語でも提案しましょうか。

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マリ(まり)

マリ(まり)

マリ(まり)

サラリーマンの夫・大学生の娘(ユカ)との3人暮らし。
大学の恩師の「あなたは一生文章を書きつづけなさい」という言葉を真に受けて、今も日々ものを書いている。
現在はIT系の会社で、セミナー関連の仕事に携わっている。
趣味は映画鑑賞。年に100本みることがひそかな目標。

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