中学生になる前に、快適な子ども部屋をつくろう!【その2】
前回、仕事部屋を子ども部屋に改造したことをレポートしましたが、なんとその部屋を、本サイトの連載でもおなじみの教育クリエイター・陰山英男先生にチェックしていただくことになりました。
わが家の子ども部屋は、どこがOKで、どこがNGなのか?
陰山先生のアドバイスのもと、NGポイントを改善して、さらに心地よくなった子ども部屋を紹介します。
陰山先生がチェック! 子ども部屋のOK・NGポイント
・OKポイント① 部屋全体をやわらかい色調に変えた
「今回の子ども部屋作りは、全体的によく考えて改造されていると思います。まず、お子さん自身が心地よい空間を求めていて、お子さんの具体的な希望のもとに、部屋全体をやわらかい色調に変えていったことは素晴らしいと思います。とくにカーテンは色によっては圧迫感を感じてしまうので、子どもが心地よいと感じる色がいいですね」(陰山先生)
仕事部屋だったときは、白のブラインドをかけていましたが、息子(小6)の希望でカーテンに替えました。わたしの勝手な予想では、青地にロケットとかそんな柄が良いのかなと思っていたのですが、息子が選んだのは、意外にもリビング向きのベージュ系でした。
「そして、机を手作りされたことはとても良いと思います。机の色は、濃くなると重たいイメージになってしまうので、ナチュラルな淡い色のほうが良いですね」(陰山先生)
「淡い茶色の机がほしい」という息子の希望があったので、もともと仕事部屋にあったガラステーブルにベージュのクロスを敷いて、透明のビニルクロスを重ねました。
「子ども部屋を作ってから、短時間で勉強に集中できるようになったということですが、今回の改造の成果だと思いますよ。“心地よさは、子どもが学習するときにとても重要で、集中力の土台”になるものですから」(陰山先生)
息子が望んだカーテンや机の淡い色は、陰山先生もおすすめで、さらに、子どものためにも良いということを知り、驚きました。息子は、本能的に自分がもっと心地良くなるための色を求めていたのでしょうか。
・OKポイント② 自分の作品を飾っていること
「子ども部屋に、自分でかいた絵や習字を飾っているのも良いですね。子ども部屋は、勉強部屋であり、遊び場であり、寝室でもあります。自分が一生懸命手がけた作品を身近な場所に置くことで、それを作ったときの達成感を感じることができ、それが今後の意欲へとつながっていくからです。
まだ子ども部屋を持たない低年齢のときは、リビングに飾っておくと、子どもは『自分は大切にされている。両親はわたしをちゃんと見ていてくれる』と実感でき、自分を好きになれます」(陰山先生)
・OKポイント③ 情報ボードがあること
「何度でもかいて消せるホワイトボードが、子ども部屋にあると重宝しますよね。宿題の分からないところを質問して、両親がボードに書いて説明したり、小さいお子さんなら、思いたったときに絵が描けて、想像力や表現力を育むことができます」(陰山先生)
・NGポイント① 机まわりのデッドスペースがもったいない
「机の下のいすの左右の部分はデッドスペースになりやすい場所です。ふだんあまり使わないものをまとめて収納する場所にしてみてはいかがでしょうか。それと、ポールハンガーは、意外と収納力がないですよね。ゆとりのある空間で使うなら良いのですが、子ども部屋は限られたスペースですので、もっと収納力の高い家具にチェンジしてもいいかもしれません」(陰山先生)
・NGポイント② ブックスタンドは倒れやすい
「教科書やノートをブックスタンドに収納しているようですが、倒れやすいので、子どもにはちょっと扱いにくいと思います。教科ごとに透明のトレイに入れて、横置きするのがおすすめです。子どもは『あれ、どこに置いたっけな?』ということがよくありますが、透明だと何が入っているのか一目瞭然。国語から算数へと教科の切り替えも1秒で完了します」(陰山先生)
・NGポイント③ 部屋全体の雰囲気がやや無機質
「お部屋の雰囲気がちょっと無味乾燥ですね。たとえば南太平洋の写真などが欲しいところです。要は、広さを感じられるような絵やポスターなどを貼るといいと思います。とは言っても、壁に貼るものもひとつ間違えると、圧迫感が出てきたり、気持ちが雑然としたりするものです。壁に貼るものを選ぶときは、子どもが心地良いと感じるか、さらに知的であるかという2点がポイントです」(陰山先生)
・NGポイント④ いすの高さが合っていない
「いすの高さは合っていますか? 実は、集中力と姿勢には高い関連性があります。長時間集中するためには、正しい姿勢で座ることが必要になってきますから、机といすの高さは、とても重要です。成長に合わせて、こまめに調整するようにしましょう」(陰山先生)
広がり+知的要素もプラスした子ども部屋に改善
陰山先生のアドバイスをもとに改善した子ども部屋は、広がりが感じられる、ちょっぴり知的な空間にバージョンアップしました。宇宙のウォールステッカーや世界地図を貼ることで、夢のあるワクワクするような空間になり、息子が子ども部屋にいる時間が前より増えたように思います。
今後の課題
とても素敵な部屋になったと、喜ぶのもつかの間。
実は来春、中学生になったらベッドが欲しいと言っている息子。さて、どこに置けばよいのやら……。
「そうなると、スペースの確保が必要になってきますね。ピアノをあまり弾かないなら、断捨離の対象でしょう。中学生になると、生活が大きく変わりますから、子ども部屋改造・第2弾が必要になるかもしれませんね。何が必要で何が不要なのか、生活の変化をよく見極めた上でさらに改造されると良いと思います」<strong>(陰山先生)</strong>
子ども部屋改造は、成長とともにまだまだ続くようです。
次回は、理想の子ども部屋について、陰山先生に聞きます。
改造にかかった経費
- テーブルクロス布
約1,000円 - 透明クロス
2,080円 - 透明トレイ(ダイソーで購入)
108円×5こ 540円 - 世界地図(紀伊国屋書店で購入)
977円 - リビング学習用ウォールステッカー「おうちが宇宙図鑑」
1,944円
合計:6,541円