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中学生の歯科矯正体験記【第2回】いよいよ歯科矯正がスタート!

中学生の歯科矯正体験記【第2回】いよいよ歯科矯正がスタート!

歯並びに悩む中学1年の娘が歯科矯正をスタート。実際にかかる費用や処置の体験を詳しくレポートしました。

娘の矯正歯科での初回相談後、「歯みがきを根気強くやり、歯科矯正をする!」と自分で決めた娘(当時中1)。
二度目の通院で、矯正をしても骨格上問題がないかを調べる精密検査に進みました。検査当日は口内をデジカメで撮影し、レントゲンと歯型をとったあと、口内環境(虫歯になりやすいか否か)を診断する唾液検査をして帰宅。
後日、わたしひとりで検査結果を聞きに行くと、「骨格に対する上あご、下あごのバランス」や「歯の根の長さ」、「かむ力」などに問題はなく、歯科医のGoサインがでました。

口内の自浄作用を持つ唾液の検査では、娘の唾液量や虫歯菌の数、唾液の緩衝能(酸を中和する能力)などがわかります。
虫歯は、歯の表面を覆うエナメル質が酸に溶かされることによって発生するため、唾液の緩衝能が高いと虫歯になりにくいそう。娘はこの緩衝能が高く、判定は「効果大」。唾液の性質は虫歯発生に対して「ローリスク(まあ安全)」というラッキーな結果でした。
これで矯正治療に同意する契約書にサインをすれば、いよいよ矯正のスタートです。

矯正治療が実際に始まるのは、患者側が契約書にサインをしてからです。
かかる費用は以下の通りです。

  1. 治療(契約)前の費用→ 初診相談料、精密検査及び診断料(娘の場合は35,000円+税)
  2. 治療中(早期治療)の費用→ 基本矯正料(神奈川県は65万円。東京都内は70~80万円) 、矯正治療装置の調節料(娘の場合、毎回3,000~5000円+税)
  3. 治療後(後期治療)の費用→ 保定装置の調節料
    ※矯正治療は保険がきかない自由診療ですが、かみ合わせの改善を目的とした矯正治療であれば医療費控除が認められます(美容目的の場合は対象外)。確定申告に必要な医療機関の領収書は大切にとっておきましょう。

矯正治療を始めるにあたり、娘の場合は歯面に貼り付けるブラケットを装着する前に、上あご右側の歯並びを正す必要があって、「ペンデュラム」という器具をつけて大臼歯(だいきゅうし/奥のほうに上下左右に3本ずつある永久歯。一番奥にあるのが親知らず)を後方に動かすことになりました。

上あごの内側に装着し、針金のバネの力で大臼歯を後方に移動させるペンデュラム。装着して最初の2週間は圧力ゼロ。2週間経って器具に慣れたら、奥歯を後方に動かす圧力を徐々に加えながら半年間装着します

矯正治療中の歯は、意図的に力を加えることで不思議なほど動きますが、移動させるには時間がかかります。娘は、歯と歯の間にペンデュラムを装着する隙間をあけるため、まずは直径5mmのゴムのリング(セパレーター)を入れました。

歯と歯の間に入れて隙間をあける小さなゴムのリング“セパレーター”。これを入れてから2~3時間後に歯が動き出す。痛みを感じる人もいるそう。

そして1カ月後。

セパレーターをはずし、上あごの歯間にあいた隙間にペンデュラムを装着しました。
歯みがきがしにくくなるため、歯科衛生士さんが、「横にみがいて、歯ブラシでかき出す」というみがき方のコツを教えてくれました。

歯みがき後、寝る直前に口をゆすぐフッ素洗口液については、
「フッ素でゆすいだあと、どんなに気持ち悪くても水で口をゆすがないでください」
と言われ、『そんなにまずいの!?』と内心ドキドキするわたしたち。

未知の体験への不安と、口内に違和感はあるものの、待ちに待った歯科矯正が始まるうれしさで娘は歯をみがく気満々です。矯正器具にひっかかった食べカスもキレイにとり除けるように、先のとがった歯ブラシも購入。

フッ素洗口液は、粉末のフッ素を専用の容器に入れて水でとかすだけ。先端がとがった歯ブラシも使い勝手がよさそうです

おそれていたフッ素洗口液の味も思っていたほどまずくなく、「あんなふうに言ったのは、たいしたことないやと思って続けさせる歯科衛生士さんの作戦かもね(笑)」と上機嫌な娘。
まさか、わずかこの半年後に、娘の歯みがき問題で四苦八苦することになろうとは、このときのわたしは思ってもみませんでした……。

~第3回に続く?~

■中学生の歯科矯正体験記
第1回 歯科矯正は、いつから始めるのが正解!?

浜野雪江(はまのゆきえ)

浜野雪江(はまのゆきえ)

浜野雪江(はまのゆきえ)

出版社勤務を経てライターに。女性誌、情報誌、書籍やWebでインタビュー記事を執筆。雑誌「Ray」で映画紹介コラムを担当中。二児の母。

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