ひざの痛みが治らない娘のためにスポーツドクターを訪ねてみた!/スポーツキッズ 親の悩み
ミニバスケットボール少年団に所属している娘(小4)が、「ひざの痛み」を訴えるので整形外科を受診。医師の指示通り練習を数日休みましたが、痛みは改善せず。悩んだ末、アスリートの健康管理のプロであるスポーツドクターを訪ねてみました。すると……
ケガをしていても運動したほうがいい!?
小1からずっとミニバスケットをやっている娘。スポーツにケガはつきものとはいえ、ひざの痛みが強いようだったので病院へ連れていきました。
最初の整形外科では「痛みがおさまるまで運動はしないように」と言われ、塗り薬を処方され帰宅。数日練習を休みましたが、公式戦を控えていたため練習を再開。市販のサポーターをしてようすをみました。
でもハードな練習で再びひざの下が腫れてくるようになり、また受診しても同じことを言われるだろうし、でもこのまま続けて重症化するのも心配だし……と悩んだ末、別の整形外科を受診することに。
選んだのは、日本体育協会認定のスポーツドクターの資格を持つ先生がいる整形外科。スポーツドクターとは、スポーツをする人の健康管理やスポーツ障害・外傷の診断や治療、予防などができる資格です。
レントゲン撮影後、先生にはまず「バスケットで跳んだり走ったりすることで、ひざに過度な負荷がかかっているため炎症を起こしていますが、心配することはありませんよ」と言われました。
そして次に、「練習はどんどんやって構いません。やりながら治しましょう!」と。
「練習やっていいの?」「やりながら治すってどういうこと???」と親子とも頭の中は「?」マークでいっぱいに…。
「根本的な解決法は筋肉を鍛えること」という発想
先生の説明はこうでした。
「ひざに負担がかかるのは、太ももの裏側の筋肉が弱いからです。まずそこの筋肉を鍛えましょう。そのための簡単なトレーニングを教えます。それを毎日やることで段々筋肉が強くなっていきます」
確かに
「筋肉が弱くてひざを痛める→安静にする」と「もっと筋肉が落ちる→筋肉が落ちた状態で練習を再開したら、結局また負荷がかかって痛める」という悪循環になります。
「根本的な解決法は筋肉を鍛えること」という発想は、目からウロコでした。
そしてさらに、「練習中の痛みにはテーピングとサポーターで対処しましょう。テーピングのやり方は教えます。サポーターは……このサポーターではちょっと役に立たないですね」と。
えっ、役に立たない? 薬局で買ったスポーツ用のサポーターで3,000円以上したのに~(涙)と内心思いながら次の言葉にまた仰天しました。
「オーダーメイドのサポーターを作りましょう。保険でカバーできますよ」
ひざのサイズに合ったオーダーメイドのサポーターで患部をしっかりサポート
保険が使えるならこの際、しっかり治そうと思いサポーターを作ることに。義足などを作る装具士さんがひざ周りのサイズを測って作ってくれました。
サポーターを装備し、娘は練習を継続。教えられたトレーニングもほぼ毎日続けました。
しかし、わたしは悩みました。アスリートはケガとの戦いで、こういうことをくり返しながら筋肉と精神を鍛えていくということはわかります。
でも、娘のチームは強豪ではなく、プロを目指すわけでもないし、小学生からひざを酷使して大丈夫なのか。最初の病院で言われたように、しばらく休ませた方がよかったのではないかなど、頭のなかでぐるぐる考える日々でした。
練習を休んで試合に出られなくなることよりもがんばることを選んだ娘……。試合にもサポーターをして出場し、シュートを決めてうれしそうにしていました。
そして、2カ月後には痛みがひいてサポーターなしの練習に戻ることができました。やはり地道なトレーニングで筋肉が鍛えられていたのでしょうか。
今回はこれで一件落着でしたが、これからもきっとまた痛みや故障が出てくるでしょう。娘が「がんばってみる」と言う限りは、スポーツドクターと相談しながら応援することになるのかな。親も覚悟が必要だ、と思わされるできごとでした。
スポーツドクターに興味がある方は日本体育協会ホームページをご覧ください。都道府県別にスポーツドクター、スポーツデンティスト(スポーツドクター同様、スポーツする人のかみ合わせなどを診断しケアできる資格を有する歯科医師)がいる病院を検索できます。