ツバメの巣作りやヒナの成長を観察! 日本野鳥の会が小冊子『ようこそツバメ』を無料配布
繁栄や再生、安全の象徴として、陽の東西を問わず古くから親しまれてきたツバメ。春になるとやって来て街中にも巣をかけるので、子どもたちにとっても身近な野鳥です。ツバメが子育ての場所に選ぶ条件は、ある程度の自然が保たれていて人が住んでいることだとされており、ツバメが繁殖しやすい場所は人にとっても暮らしやすい環境といえます。ツバメの生態を観察し、彼らを取り巻く環境を知ることは、子どもたちが身近な自然とのかかわりに目を向け、生物多様性を意識するきっかけになるでしょう。
野鳥の保護と調査・研究に取り組む「日本野鳥の会」が、ツバメの観察方法や見どころを紹介するパンフレット『ようこそツバメ』を無料配布しています。パンフレットを片手に、家族でツバメの子育ての様子を観察してみませんか?
春の訪れとともに飛来する渡り鳥・ツバメ
春を実感する「清明」の4月5日前後、七十二候のうち第十三候の「玄鳥至」(つばめきたる)を迎えます。暖かい東南アジアで冬を過ごしたツバメたちが、繁殖のために日本へ渡ってくる時期です。巣をかける場所を探したり巣作りしたりするツバメたちを、九州では2月から、関東では3月から、北海道でも4月になれば、見ることができます。
カラスなどの天敵から身を守るのに都合がよいため、ツバメは人通りの多い場所・活気のある場所を選んで巣をかけます。ですから、商家にとってツバメは「商売繁盛」のシンボル。同時に、農作物にとっての害虫を食べてくれる益鳥として、農家からも歓迎されてきました。
ツバメの子育てを見守ろう
けれども、近年の調査によるとツバメの数が減少しているそうです。例えば、大阪府のすいた市民環境会議の報告では、吹田市内のツバメの巣の数を1998年と2010年で調査・比較したところ、1/3に減っていました(『吹田市・ツバメの巣マップ』)。その背景には、餌場となる水田や耕作地、さらには巣作りに適した日本家屋が減ったことなどがありますが、都市部では人の手で巣が落とされるケースも報告されています。
そこで日本野鳥の会は、ツバメの観察を通してツバメを取り巻く環境を知ってもらい、ツバメたちをあたたかく見守る気持ちを広めようと考え、パンフレット『ようこそツバメ』を制作しました。ツバメの基礎知識から観察方法、観察時の注意点などを1枚にまとめてあります。これを読んで観察すれば、ツバメがより身近な鳥になるはずです。
また、日本野鳥の会は、保全のための調査・研究プロジェクト「ツバメの子育て状況調査」を展開。その成果などを元にツバメに関する知識や現状をまとめた特設ページ「消えゆくツバメをまもろう」では、フン対策やカラス被害をなくす対策といった、ツバメと共存するためのアイデアも紹介しています。
実際に観察して見守ることが、
知識と観察のポイントを紹介
『ようこそツバメ』では、ツバメの基礎知識に加えて、ツバメの飛来から巣立ちまでの経過、観察する上での注意点、ツバメと人が共存するためのポイントを写真とイラストで分かりやすく紹介しています。
【概要】
『ようこそツバメ』
価格:無料
判型:A3サイズ(約30×42cm)、両面フルカラー
※折りたたみ時はハガキサイズ(約15×10cm)になります。
発行:日本野鳥の会(https://www.wbsj.org/)
【掲載内容】
・ツバメはこんな鳥
・日本で見られるツバメのなかま
・ツバメにまつわる言い伝え
・ツバメの子育てを見てみよう
・「フンが落ちて困る」というときは?
・ヒナが地面にいたときは?
・ツバメの現状
・日本野鳥の会の取り組み
【申込方法】
●日本野鳥の会の専用ページ:https://www.wbsj.org/activity/spread-and-education/tsubame-pamphlet/
●郵便:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-9-23 丸和ビル 日本野鳥の会 ようこそツバメ係
●FAX:03-5436-2635
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