学童保育施設では「先生」と呼ばれることが多い学童保育指導員。資格を持つ人と持たない人、どちらでも働くことができる。
こんな人にピッタリ!
子ども好きな人、体力のある人、責任感のある人、将来学校の先生や保育士になることを目指している人。
どんな仕事?
学童クラブや児童クラブで子どもたちをフォローする
学童保育とは学校での授業を終えたあと、保護者が仕事をしているなどの理由で自宅にいない小学生児童のための事業だ。平日の放課後、および保護者がいない土曜日、春・夏・冬休みなどに家庭に代わって「生活の場」を提供する。学童保育施設は学童クラブや児童クラブとよばれ、子どもが自主的に過ごす場所なので、学校のようなカリキュラムはない。学童保育指導員は、宿題や自主学習の手助けをしたり、一緒に遊んだり、時にはイベントを開催したりして楽しませながら、子どもたちが施設で安全に過ごせるようにサポートしていく。保護者や学校と連携できるように、施設での子どもの様子を連絡帳でこまめに伝えるのも大切な仕事だ。
学童保育施設の開所時間は平日の場合、児童の学校終了後から保護者が迎えに来るまでの間で、指導員の仕事時間は昼過ぎから夕方までの場合が多い(春・夏・冬休みなどの長期休暇中を除く)。残業はほとんどなく、勤務時間が短いのもこの仕事の特色と言える。
これがポイント!
学童保育指導員は「放課後児童支援員」と「学童指導員」の総称
学童保育指導員という名称は、資格が必要な「放課後児童支援員」と資格のいらない「学童指導員」との総称として使われている。学童保育施設には「放課後児童支援員」の資格をもつ人を2名以上置くことが義務付けられていて、その条件をクリアしている施設なら他の職員は資格がなくても「学童指導員」として働くことができるのだ。
「学童指導員」の場合、勤務時間が短いことをメリットととらえて、子育て経験のある人が空き時間を利用してパートで勤めるケースも多い。その場合、保育士、教員免許、社会福祉系の資格をすでに持っていると、採用に有利に働く。一方、将来、教師や保育士をめざす大学生などが経験を積むためにアルバイトで働くケースも少なくない。ただ、そうした非正規の働き方ではなく、正規の職員として学童保育施設に就職を希望するなら、「放課後児童支援員」の資格を取得しておく必要がある。
「放課後児童支援員」の資格を取るには?
「放課後児童支援員」は国家資格ではなく、児童教育や福祉に関する資格を持つ人や、児童福祉施設などで働いた経験のある人が、都道府県が行う研修を受講することで取得できる民間資格だ。
研修を受講できる条件は次の通り。
●保育士の資格を持つ者。
●社会福祉士の資格を持つ者。
●高卒以上で、2年以上児童福祉事業に従事した経験がある者。
●幼稚園、小学校、中学校、高等学校、又は中高一貫教育校の教諭となる資格を有する者。
●大学もしくは大学院にて、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学、体育学を専修する学科・研究科、またはこれらに相当する課程を修めて卒業した者。
●大学にて上記の学科で単位を修得したことにより、大学院への入学が認められた者。
●高卒以上の学歴を持ち、かつ2年以上放課後児童健全育成事業(学童も含む)に類似した従事する事業に従事し、市町村長が適当と認めた者。
まずは資格の必要ない「学童指導員」として働きながら経験を積み、「放課後児童支援員」の研修を受講して資格を取る人も多い。
将来はこうなる
学童保育施設の充実に合わせて求人増
学童保育は、子どもたちが仲間と楽しく過ごせる大切な場所であるだけでなく、家庭の事情で昼間に家を不在にする保護者にとっても必要とされる施設だ。共働きやひとり親家庭が増えている中で、子どもたちを見守る施設の必要性は今後ますます高まる。施設に2名以上必要とされる放課後児童支援員はもちろん、学童指導員の需要も大きくなっていくと考えられる。
データボックス
収入は?
平均年収は382~407万円。主に放課後を過ごす児童に対応する仕事なので就業時間は短く、収入もそれに応じた額になる。
休暇は?
多くの学童施設は学校スケジュールに合わせるので、日曜日は休日。春・夏・冬休みなどの長期休暇の間は開所する施設が多い。
職場は?
小学校の敷地内に学童保育のための部屋が確保されているか、近くの児童館などに学童が併設されている場合が多い。
なるためチャート
学童保育指導員の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!