ペット犬に人といっしょに暮らしていくためのマナーを教える。
こんな人にピッタリ!
犬が大好きな人、根気強く犬と付き合える忍耐力の持ち主。飼い主とも上手にコミュニケーションが取れる人。
どんな仕事?
飼い犬のしつけやトレーニングを専門的に行う
ドッグトレーナーは、主にペットとして飼われている家庭犬にしつけや訓練をほどこす職業だ。飼い主に、飼い犬についてのカウンセリングを行ったうえで、「おすわり」「ふせ」「まて」などの基本的なしつけから、食事法やトイレなど衛生管理の仕方、問題行動をとる犬に対する行動修正を訓練する。また犬の年齢に応じた育て方を飼い主に指導する。訓練後も、人間と犬とがお互いに快適な共同生活を送れるように、普段の接し方やしつけ指導などのアドバイスも行う。
犬の訓練士や調教師、ペットシッターとの違い
犬のしつけやさまざまな訓練をする職業を総称してドッグトレーナーと呼ぶことがあるが、一般的にドッグトレーナーとは、家庭で飼育される「ペット犬(愛玩犬)」をしつける場合をさす。
一方、警察犬や盲導犬・聴導犬・災害救助犬など社会のために働く「使役犬」を訓練する人は、「犬の訓練士(犬訓練士)」と呼んで区別することが多い。使役犬は、それぞれの仕事をこなすための特殊な訓練が必要なため、養成所での学習プログラムも異なる。また、空港検疫犬や麻薬探知犬、爆発物探知犬などの育成や訓練をする人は、「探知犬ハンドラー(調教師)」とも呼ばれている。一方、飼い主が留守のときなど自宅に出向いてペットの安全を確認し、食事やトレイ、遊びなどのお世話をするのは「ペットシッター」の仕事。ペットシッターは、犬だけでなく、猫やうさぎ、爬虫類など、さまざまな動物を扱うのも特徴だ。
これがポイント!
専門学校やトレーナースクールでスキルを身につける
ドッグトレーナーになるために絶対に必要な資格はない。「ドッグトレーナー専攻」「ドッグトレーナーコース」などがある動物関連の専門学校や、トレーナー専門のスクールで知識とスキルを身につけるのが一般的だ。ほかにも、動物系の大学や、日本ドッグトレーナー協会公式の「ドッグトレーナーオンライン講座」などの通信教育で学ぶことができる。いずれのルートも基礎的な知識を得たのち就職して、実際に働きながら経験値を積んでいく。資格がなくてもドッグトレーナーの仕事をすることはできるが、民間団体が独自の資格認定制度を設けていて、実際にプロのトレーナーとして働くためには、そうした資格を得ていることが望ましい。
スキルや信用を示せる民間の資格認定制度もある
民間団体が設けている資格認定制度で有名なのは「日本ドッグトレーナー協会(JDTA)」が認定する「ドッグトレーナーラインセンス」だ。専門学校やスクール、大学などの在学中にこの資格を取得しておけば就職の際に評価されやすい。2年間の課程を修了するとドッグトレーナーの資格を取得できる専門学校もある。一方、すでにドッグトレーナーとして働く人を対象にした資格認定に「日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)」が認定する「CPDT」がある。これは世界基準の認定資格として業界でも高く評価されている資格で、トレーナーとしての信用の証になる。
就職先はトレーニング専門の会社やしつけ教室、ペットショップなど。小規模の会社・施設が多いが、経験値やスキルに自信がある場合は独立することも可能。トレーニングは依頼主の自宅で行う出張レッスンもあるが、多くの場合、定期的にトレーニング場に来てもらうか、一定期間犬を預かって行うため、独立する際には施設のことも考える必要がある。犬のほえる声やトイレの匂いなどで近所とトラブルにならないような場所・環境を確保することが大切だ。
将来はこうなる
犬を苦手な人との懸け橋に
近年、人と犬との距離が近くなることでトラブルも増えている。犬好きの人にとっては気にならないような鳴き声や動物特有のにおいも、苦手な人にとっては苦痛に感じることもあるからだ。災害現場でも、ペットの避難が課題のひとつとなっている。ペット人気が高い現代は、ペットにシビアな時代でもある。飼い主の相談役として、正しい知識を持つドッグトレーナーの仕事は今後ますます求められていくだろう。また、犬のしつけや訓練と合わせて、ペットが泊まれるホテルや一時預かりなど、飼い主にとっても便利なサービスを提供することで、仕事の幅も広がっていきそうだ。
データボックス
収入は?
平均年収は約343~390万円。ドッグトレーナーを正規に雇うのは個人経営の施設が多いため、給与は低め。独立して、定期的にトレーニングを依頼するお客さんを開拓したり、訓練用の宿泊施設を運営したり、多角的な営業が実現すれば高い収入が期待できる。
休暇は?
しつけ教室などは時間を決めて仕事を受けるので、勤め先の規定に合わせて休みを取る。多くは週休2日だが、飼い主が教室に連れてきやすい土日は混み合うことが多く、平日に休むことが多い。
職場は?
犬のしつけ教室、ペットショップ、ペットホテル、飼い主の自宅など。
なるためチャート
ドッグトレーナーの仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!