占い師は、依頼者の悩みや相談に対してさまざまな占術(占うための方法)を用いてアドバイスをする仕事。
こんな人にピッタリ!
コミュニケーション能力がある人。スピリチュアルな世界(目に見えない精神世界)に興味がある人。いろいろなアイディアを発想できる人。何かを表現するのが好きな人。
どんな仕事?
「占い師」は紀元前の昔から世界中に存在する職業
占い師は人の心の内や運勢、未来など、直接観察することのできないことについて、占術といわれるさまざまな占い方法を用いて判断し、予想するのが仕事だ。占いの歴史は古く、紀元前1900年ころから今のイラク南部に栄えた古代バビロニア王国ですでに天体観測による占星術がおこなわれていた。日本でも邪馬台国の女王・卑弥呼は、占い師だったと言われている。占いは国の在り方を左右する特別な技術として尊重されてきたが、やがて庶民の間でも広くおこなわれるようになり、科学でさまざまな事が説明できようになった現代でも、有名な占い師が出版する占い本やインターネット上の占いサイトは人気を集めている。占い師と言うと、霊感を持ち、見えないこともピタリと当てる超人的なイメージが強かったが、今もそうした特殊能力を売りにする占い師もいる一方、現代の占いはもっと科学的、現実的だ。相談者の悩みを知るためにカウンセリングを重視し、心理学と占いとを融合させて、依頼人のよき相談相手、アドバイザーとしての役割を担う占い師は多い。
占いの種類は多く、複数の方法を組み合わせることも
「占い師」とひと口に言っても、占う方法はさまざまだ。占う内容によって適した占術というものがあり、使う道具も知識も異なってくる。占い師という仕事の基本として、まずは占いの種類を知っておこう。占いは世界中にルーツがあり、タロットカード・西洋占星術などのように西洋から伝わった方法もあれば、風水・四柱推命・易のように主に中国から伝わった東洋系、あるいは、おみくじや姓名判断のように中国から伝わった方法をベースにして日本で生まれたとされるものもある。日本で現在、行われている占いは、手法によって大きく3つに分類することができる。
①命術:その人の生年月日・時間・場所など、生まれたときの情報をもとにを占う。基本的な性質や才能などを見抜くのに適した方法と言われる。「占星術」「四柱推命」「九星気学」「血液型占い」などがこれに分類される。
②卜術:カードやサイコロなどの道具を使って、偶然が生み出す結果で占う。何かを決断したいときに使われることが多い。「易」「タロット占い」「水晶占い」「おみくじ」など。
③相術:その人の姿や形、環境などから現在への影響、将来の運勢などを占う。「姓名判断」「手相占い」「人相占い」「夢占い」「風水」など。
占い師はこれらの方法を使って、依頼者の悩みや相談事を解決に導くアドバイスをする。複数の方法を組み合わせることで、より細かく占うこともある。
これがポイント!
対面式からネット占いへ、占い師の活躍の場は変化し続ける
占い師になるために必須の資格はない。学歴も問われない。「占い師」と名乗れば誰でもいつでも「占い師」になることはできる。しかし、職業としてやっていくには、まずは最低限必要なスキルが必要だ。占いの技術、依頼人の話を聞き出す話術など初歩的な知識は、民間のスクールやカルチャーセンターの講座、通信教育でも学ぶことができる。プロの占い師に弟子入りして、アシスタントからスタートする例もある。本やインターネットで情報を集め、独学で技術を磨くことも可能だ。占術によってスクールや講座の選び方、弟子入りしたい先生も決まってくるので、どの占いに興味があるのか確認した上で勉強の場を見つけていくのがいいだろう。占いの基礎を学んだら、占い師の事務所やプロダクションなどに所属してプロとしての第一歩を踏み出すことになるが、現在はいきなり独立・開業をめざす人も多い。占い師と相談者が直接会って話をする従来の「対面占い」では、占い師は相談者を待つ場所(事務所の一角や占いハウスなど)が必要で、なおかつ相談者が来るまで待たなければならなかった。だが、インターネットが身近になった今は、LINEのビデオ機能を使うチャット占いやメール占いなどで、占い師と相談者がすぐにつながることがとができるため、在宅で起業しやすくなっている。
占い師として活躍するために役に立つ資格
占い師になるために資格は必要ないが、占い師として活躍する上で役に立つ資格がある。心理学、カウンセリング系の資格だ。占いの場では、まず相談者から悩みをしっかりと聞き出し、その内容を分析して、アドバイスを相談者にわかりやすく伝えていく必要がある。その過程は心理療法として用いられるカウンセリングとほとんど同じだからだ。心理学の勉強をすることで、より上手に占いを進めることができたり、相手に安心感を与える方法を習得できたりするようになる。具体的には国家資格である「公認心理師」、日本臨床心理士資格認定協会による民間資格「臨床心理士」、日本カウンセリング普及協会が認定する民間資格「認定心理カウンセラー」などが挙げられる。これらの資格を得ることで、相談相手の悩みをより深く理解できるようになり、占い師としての信頼度にもつながっていく。
将来はこうなる
個性ある占いを考え、発信力を高める
インターネットの普及もあり、アマチュアでも簡単に占いができる現代では、むしろプロが「専業占い師」として生計を立てるのは簡単ではなくなっている。占い師の将来は決して楽観できないが、逆に考えればインターネット上に氾濫している多くの占いの中で、いかに注目を集められるかが成功の鍵になるということだ。もし何か今までになかった特徴的な占いを発想したり、予想率の高さで「当たる!」と話題になったりすることができれば、あなたの名前はインターネットだからこそ一気に広まる可能性もある。自分の占いの強みは何かを考え、効果的に発信、宣伝することができれば、占い師としての成功の鍵になる。
データボックス
収入は?
「占い師」が分類されるサービス業の平均年収は363~390万円ぐらい。ただ、相談者からの依頼があってはじめて成立する仕事のため、収入は不安定になりがち。占い本の出版や占いサイトで知名度が上がり人気が出れば、収入は格段にアップする。
休暇は?
占い方法や場所によって休暇の取り方も違ってくる。占いショップや決まった場所を借りて対面式で占う場合は、その場所のスケジュール次第で週1ペースの休日になる場合が多い。メール占いやチャット占いなどで相談者の希望を優先すると、休みが不定期になる。
職場は?
対面式の場合は占いショップやカフェ、ショッピングセンターの占いコーナー、貸しスペースなど。電話占い、メール占い、チャット占いなどは自宅や事務所が職場になる。
なるためチャート
占い師の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!