中竹はるかさん(一条工務店 浜松本社 営業本部)
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みんなが
ところでみんなは、
一条 工務店 ってどんな会社 ですか?
一条工務店は、日本全国で家を建てている会社です。今から45年ほど前に静岡県の浜松市に誕生しました。
ちょうど「東海地方(静岡・愛知・岐阜・三重)で大きな地震が起きる」と言われ始めたころでした。そこから「地震に強い家をつくろう」「災害に強い家をつくろう」という思いで家をつくり続けています。
一条工務店は会社がスタートしたときから「お客様に安心していい家に住んでもらいたい」という気持ちをいちばん大切にしています。そのため、災害に負けない丈夫な家づくりや、快適にすごすためのさまざまな技術を研究して、実際に実験をしながら家づくりの技術を磨いているんですよ。
「災害 に強 い家 」はどうやってつくるんですか?
一条工務店は、「実験して建てる」ということを大切にしています。
家の性能のほとんどは、計算で割り出すことができます。しかし、計算上は正しいのに、実際に家を建ててみると思った通りにならないことがあります。
だから一条工務店では、実際に家を建てて、地震と同じ揺れを加えてみたり、台風や洪水と同じような状況にしてみたりして、どの程度の災害にどれだけ耐えられるのかを徹底して確かめます。
「ここまで災害に強いのなら本当に安心できるよね」というところまで、技術をどんどんパワーアップしていけるように実験を繰り返しています。
中竹 さんはどんな仕事 をしていますか?
私は「営業本部」という部署で仕事をしています。おもに、一条工務店の特徴をお客様に伝えるときに使う「ツール(道具)」を作る仕事です。
お客様に説明するための資料や、実際にどんな家なのかがわかる模型や見学施設など、さまざまなものをつくっています。イベントの企画をすることもあります。
決まったことを決まった手順で進めるというよりも、一条工務店の家の特徴やよさをお客様に知っていただくために、どんな方法でどう伝えたらいいか、考えてつくっていく仕事です。
仕事 をしていて、うれしいとき、やりがいを感 じるときはどんなときですか?
自分がつくった資料や体験施設について、営業の人から、「わかりやすかった」「お客様にも評判がよかった」と言ってもらえることがいちばんうれしいです。
また、お客様が見学する施設や模型などをつくるのはとても時間がかかるので、完成した瞬間もうれしいですね。
営業本部はメンバーが8人と少人数なのですが、みんなで力を合わせて一つのものをつくっていくことにも、仕事のおもしろさを感じています。
仕事 をしていて、大変 なときはどんなときですか?
一条工務店は「家は、性能。」にこだわって家づくりをしています。 お客様にお伝えしたいこだわりがたくさんあるあまり、一方的な伝え方になっていないか、伝えたいことを詰め込みすぎてわかりにくくなっていないか、そのバランスが難しいと感じています。
また、直接お客様と話す機会がほとんどないので、お客様が知りたいことと、自分たちがつくっているものにズレがないか、不安に思うこともあります。
悩んだり困ったりしたときは、一人で考えずに、いろんな人に聞いてみるようにしています。同じ部署ではたらく営業本部のメンバーはもちろん、お客様と直接話す機会が多い営業の方にアドバイスを求めたり……。
たくさんの人に意見を聞いてみると、自分が思っていたことと違う答えが返ってきて、思いがけない解決策が見つかったりすることもあるんですよ。
どうしてこの仕事 に就 いたのですか?
常識にとらわれず、新しいことにどんどん挑戦する一条工務店の考え方に、とても興味を持ちました。
たとえば暖かく快適にすごせる「床暖房」ですが、一条工務店では家の一部だけでなく、廊下やお風呂など隅々まで設置しています。そこまでするのは、ただ快適だからというわけではなく、健康と安全のためなんです。
じつは、家の中でも特に寒くなるお風呂場は、急激な温度差で血圧が急変動するヒートショックという事故が起こりやすいんです。
事故を防ぐためには、家中の温度を一定にすることが重要です。それを実現しようとすると、建築費用や電気代が高くなってしまいますが、一条工務店はあきらめずに、「安くご提供できるものを自分たちで作ろう!」と、研究・開発をくり返しました。
住まいの課題に対して、一生懸命に取り組み、技術を磨いていく。そんなお客様のための家づくりの仕事を、「わたしもチャレンジしてみたい!」という思いで入社を決めました。
今後 の目標 を教 えてください
一条工務店の「災害に強い家づくりの技術」を、より多くの方に知ってもらって、当たり前の選択肢にしていきたいと思っています。
家は、一生に一度のお買い物と言われるくらい高価なもの。それなのに現状は、災害のリスクを考えてそこにお金をかけるというお客様が少ないように感じています。
災害への対策が大事だとわかっていても、「きっと大丈夫だろう」と思ってしまったり、なかなか自分ごととして考えたりするのが難しいのかもしれません。
数年前に私の地元で大きな水害があり、祖母の家も被災しました。祖母をはじめそこに住む人たちは、リフォームや家の建て直しをしましたが、「大きな台風が来たらまた同じ被害を受けるんじゃないか」と不安に思っていることを知りました。
なかには「災害に強い家づくりの技術」を、知らない人もいるかもしれません。まずは、より多くのみなさんに知ってもらうことがスタートになると思っています。
住宅 メーカーで働 くには?
宅建(宅地建物取引士)やインテリアコーディネーター、FP(ファイナンシャルプランナー)、住宅ローンアドバイザーなど、家にまつわる資格があると、お客さまにより専門的なアドバイスができます。
家 づくりの仕事 に興味 があるみんなへの応援 メッセージ
家は、人が一生の中で一番長くすごす大切な場所だと思います。また、家を建てるというのは、一生に一度の大きなライフイベント。
お客様が家を建てるときに考える「こんな家に住みたい」という夢や希望を、いっしょに叶えていくところに、仕事の魅力があると思います。
だからこそ、家づくりの会社ではたらく人は、お客様に寄り添う気持ちを大切にしてほしいと思います。
一条工務店には「お客様よりお客様の家づくりに熱心であろう。」というスローガンがあります。この言葉どおり、お客様に真剣に向き合うことができる人が向いているのではないでしょうか。
わたしたちが住む家には、目に見えない、たくさんの仕事や技術がつまっています。まずは、「どんな風に家を建てるんだろう?」「どんな技術があるんだろう?」と調べてみるのもおもしろいかもしれませんね。
取材・文/高崎薫(エイスクール) 編集/石橋沙織