駅員はJRや私鉄、地下鉄など鉄道の駅構内で働く職員のこと。「駅務員」とも呼ばれる。
こんな人にピッタリ!
鉄道が大好きな人。利用客と接する仕事が多いので、人に対する思いやりが持てる人。几帳面な人。
どんな仕事?
駅構内のさまざまな業務を担当する
「駅員」の仕事場は主に鉄道の駅の中だ。ホームを巡回して列車が入ってくる際の安全を確認するほか、改札口で利用者に対応したり、窓口では「出札」と呼ばれる切符・定期などを販売する。また、車椅子を利用する人の介助や観光客、不慣れな利用者への案内も大切な仕事。駅を安心して利用できるようにすることが駅員の使命だ。始発から終電まで、利用者が構内を利用する間はもちろんのこと、駅が閉まってからも清掃や翌日のための準備がある。事故や遅延が起きた場合の対応も必要で、基本的には24時間体制でシフトが組まれている。
これがポイント!
「駅員」の採用は主に鉄道会社の子会社が行う
駅員になるために必要な資格はない。鉄道会社の「駅員」募集試験に合格すればなることができる。現在は駅構内の業務自体を子会社などに委託している鉄道会社が多く、駅員募集も子会社が行うのが一般的だ。たとえば、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は駅の業務をグループ会社の株式会社JR東日本ステーションサービスに委託しており、駅員の募集も新卒採用、中途採用、障がい者採用、契約社員採用などに分けてJR東日本ステーションサービスが行っている。鉄道好きで、将来は駅員になりたいと思っている鉄道ファンは多く、採用試験は狭き門になることもある。鉄道について学べる高校や専門学校があり、そうした学校には求人情報も集まるので就職活動に有利だ。また最近は、アルバイトやパートでの駅員の雇用も多い。とくに、朝夕のラッシュ時の乗客案内など人手がたりない時間帯はアルバイト・パートに任されることが多い。駅員の業務を体験してみたい人にはうってつけだ。
「駅員」から「車掌」「運転士」へステップアップ
「駅員」は駅構内のさまざまな業務を行うが、「車掌」や「運転士」は含まれない。車掌も運転士も、駅員のキャリアアップ職だ。駅員として数年経験を積んだ後、社内の登用試験を受ける。運転士は国家資格を取得する必要がある。
さらに車掌・運転士の先のキャリアアップとしては、駅や乗務区の現場リーダーとして駅業務を行いながら後輩の指導なども行う「主任」、鉄道の運行管理を行う「指令」、駅や乗務区ごとに職員をまとめる管理職である「助役」、駅や乗務区のトップである「駅長」「区長」をめざすことができる。また、鉄道業務を離れて本社やグループ企業などに異動になることもあるので、必ずしも最後まで現場で働くことになるとは限らない。「駅員」として働く期間はどの鉄道会社もそう長くはなく、数年で次のステップへと向かうため、一般的に若い世代が多い。
将来はこうなる
鉄道利用客が減り、駅員の数も減少傾向に
少子化や過疎化の影響もあり、鉄道利用客は減少傾向にある。利用客が減れば廃線となる路線、廃駅も増え、駅員の需要は減るばかりだ。駅員の数は減っていかざるを得ない。自動案内パネルや案内ロボットなどを導入して効率化をはかる鉄道会社も増えているが、障害のある人や高齢者など、人間の駅員のサービスを必要としている利用客への対応不足が問題になっている。これからの駅員の仕事は機械化とうまくバランスをとりながら、人間だからこそできる内容を考えていく必要がありそうだ。
データボックス
収入は?
平均年収は約376~420万円。大都市圏と地方の鉄道会社では収益に差があり、地方の給与は低め。
休暇は?
鉄道会社にもよるが、24時間制と日勤がある。24時間制は、朝9時に出社する場合、翌日9時に退社。その間、仮眠や休憩をとり、翌日の勤務明けが休みになる。他に交代で休み(公休)をとる。また事務系の仕事は日勤として通常の会社のように9時出社5時退社で、基本は週休2日。ただ、鉄道会社はどこもゴールデンウィークや年末年始はかきいれ時なので、出勤になることも多い。
職場は?
各鉄道会社の全国各地にある駅。
なるためチャート
駅員の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!