お客さんが希望する目的地まで、車で輸送する仕事。タクシー会社が運営する法人タクシーと、運転手が個人事業主となる個人タクシーがある。
こんな人にピッタリ!
車が好きな人。安全運転を心がける慎重さがある人。接客業でもあるので、笑顔で受け答えができ、気づかいができる人。
どんな仕事?
目的地までお客さんを安全に輸送し料金をもらう
一般的なタクシー運転手は、車でお客さんを目的地まで運び、料金メーターに表示された料金を受け取る仕事だ。お客さんを見つけるために街を車で流したり(走らせたり)、駅やホテルなどのタクシー乗り場で客待ちをしたり、会社からの無線やスマートフォン配車で指示された場所へ迎えに行ったりする。また、観光地で一定のコースを決まった料金で回る観光タクシーや、介助を必要とする人を乗せる介護タクシーなど、専門的な知識や資格が必要なケースもある。安全運転とお客さんへの気づかいが絶対条件とされるプロのドライバー、それがタクシー運転手だ。
これがポイント!
学歴は関係なし! 必要なのは普通自動車第二種運転免許
タクシー運転手に学歴は関係なく、タクシー運転手に必要な技能を学ぶための専門学校などもない。必要なのは普通自動車第二種運転免許だ。この第二種免許は、普通自動車第一種運転免許(18歳で取得できる普通免許)取得後3年以上経過していれば、試験を受けることができる。第一種に比べると合格率は低く簡単ではないが、第二種受験のための教習所もあり、人材を確保したいタクシー会社は、第一種免許を取得後3年以上の就職希望者(最短で21歳)は即採用OKとし、第二種免許の受験費用を負担するケースも多い。
個人タクシーを開業するには継続して10年以上の経験が必要
タクシードライバーには、タクシー会社の社員として働く場合と、個人事業主の個人タクシーとがある。個人タクシーは、自分に合った営業方法を選ぶことができ(たとえば自分の好きな車で営業できる、週3日だけ働くなど自由に決められる)、働いた成果はすべて自分のものになるなどのメリットがあるが、反面、自身が体調をくずせば収入がゼロになるなどデメリットもある。ただ、新しく個人タクシーを開業するには、さまざまな条件がある。たとえば、基本的にタクシー乗務経験が10年以上、5年間無事故無違反、開店資金を準備しているなどなど実に細かい。独立したいという夢があるなら、まずはタクシー会社で地道に経験を積むことが大切だ。また、タクシー業務を行いたい地域の地方運輸局が実施する法令及び地理の試験に合格する必要がある。
将来はこうなる
外国人観光客の利用が増加、自動運転技術の発展で変化も
日本では人手不足が問題になっており、タクシー運転手も例外ではない。外国人観光客が急増し、今後さらなる増加が見込まれるため、タクシーのニーズは高まるばかりだ。ドライバーの高齢化も進んでおり、若いドライバーは引く手あまたと言っていい。ただ、自動運転技術が自家用車で現実のものとなり、タクシーへの運用もそう遠くないかもしれない。そうなればドライバーは運転するのではなく、自動運転を見守るための乗務員になるか、あるいはドライバー無しという時代もありえる。近い将来で考えればタクシー運転手の需要は高いが、もう少し先まで考えるとタクシー運転手の仕事そのものが変化していくと考えられる。
また、海外では、自家用車に希望者を相乗りさせて料金を共有する「ライドシェア」も普及しはじめている。もし日本でも認められることとなれば、タクシー業界への影響もでてきそうだ。
データボックス
収入は?
平均年収は234~268万円。ただ、タクシードライバーは、実際にお客さんを運んだ料金に応じて、給料が変わる歩合制が基本。ある程度の固定給に、歩合制をプラスする会社もある。地域によって格差があり、東京や大阪など大都市での収入は高くなる傾向がある。
休暇は?
タクシー会社に勤務するドライバーは、1日15時間程度働いたら、次の日は丸1日休みになる。個人タクシーは勤務時間も休日も自分で決めることができる。
職場は?
タクシー会社。会社から出発して外で仕事をし、終業時間になったら会社に戻ってその日の料金を精算する。個人タクシーの場合は自宅が事業所となる。
なるためチャート
タクシー運転手の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!