心の問題を抱えた人たちの不安や悩みを親身になって聞き、心の状態を理解することが大事。
こんな人にピッタリ!
友達に相談事を持ちかけられても、むやみに自分勝手な意見を言わずに、じっくり話を聞いてあげられる人。相手の心に寄り添って、いっしょに解決の道を探ることができる人。
どんな仕事?
悩んでいる人が自分で答えを出せるようにサポート
「臨床心理士」とは、日本臨床心理士資格認定協会が認定する資格を取得している人のことを言う。心に問題を抱える人の話をよく聞き、臨床心理学に基づく知識や技術を用いて、何が問題なのかを的確に分析する。その上で、本人が答えを見出せるように手助けする仕事だ。よく誤解されるが、相手の「人生相談」に答えを出す仕事ではない。深刻な話に引きずられて、いっしょに落ち込んではいけない。まず、自分の心がしっかりしていなければ務まらない。
これがポイント!
指定の大学院に進学を
まず、臨床心理学(心の問題を解決するための知識や技術を学ぶ実践的な学問)に強い大学に入学。卒業後は日本臨床心理士資格認定協会が指定した大学院(1種と2種がある)、または臨床心理士養成のための専門職大学院に進む。1種と専門職大学院は、修士課程を修了すると「臨床心理士資格審査」の受験資格を得られる。2種は修了後1年以上の実務経験を経て、受験資格を得られる。資格試験の合格率は60%台前半で推移している。
将来はこうなる
学校や職場でも、「心の問題」は増えつつある
仕事でストレスがたまったり、いじめや不登校が後を絶たなかったり、今の社会は心の問題が山積みで、「親身になって相談に乗ってくれる心の援助者」を必要としている。今後も活躍の場は広がっていくだろう。ただ、同じような資格として、国家資格の「公認心理師」があり、今のところ、臨床心理士との違いははっきり定義されていない。今後、両方のすみ分けが明確になっていくはずだ。可能なら両方の資格を取得しておくと、将来的に有利になるかもしれない。
データボックス
収入は?
自治体の福祉施設や病院などの常勤スタッフとして働く場合は、所属組織の基準に準じる。平均的な年収は300万円から500万円台ぐらいだ。週二日程度の非常勤勤務の場合は、時給1000~2000円からスタートするところが多いようだ。そのため、複数の勤務先を確保する必要がある。
休暇は?
勤務先によって異なるが、通常は週休二日、休日出勤が必要になることはほとんどない。だが、精神的には厳しい仕事なので、他人のストレスに押しつぶされないよう、常に心のリフレッシュが必要。
職場は?
病院の精神神経科、企業の心理相談室、精神保健福祉センターや保険所、児童相談所などの福祉施設、警視庁(少年相談担当の心理技師)、学校(スクールカウンセラー)、民間のカウンセリング・クリニックなど、様々なところがある。
なるためチャート
臨床心理士(心理カウンセラー)の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!