静かな研究職から医療現場の一員へ。医薬分業でますます責任重大。
こんな人にピッタリ!
化学が得意。疑問はとことん究明する几帳面な性格。他人の立場に立って物事を考えられ、倫理感が強い人。手先が器用で、整理整頓のきちんとできる人向き。
どんな仕事?
薬の調剤は慎重に、患者への説明は明快に
病院や薬局で、医師の処方に則って正確に薬を調合したり、管理を行う薬の専門家。患者が医師の処方箋を薬局に持参して、薬を調剤してもらうことが多いので、患者一人一人に対して、薬の正しい使用法を説明し、疑問に答えなければならない。また、医療スタッフの一員として、入院患者への「服薬指導」の仕事も増えている。
これがポイント!
国家試験は幅広い知識が必要
国家試験に合格する必要がある。国家試験の出題内容は、薬学のみならず、医療全般に関する知識・技能を試す問題や、コミュニケーション能力を問われるものなど幅広い。ここ数年の合格率は70%前後。
大学は単科か総合か
国家試験の受験資格は、原則として6年生の薬科大学か大学の薬学部を卒業することで得られる。薬科大学のメリットは、先生や先輩、卒業生との結びつきが強いので、国家試験の準備や就職の面で有利なこと。一方、薬学部のある医系総合大学には付属病院が設置されている場合が多い。ちなみに、4年生の薬学系の大学を卒業しても、国家試験の受験資格は得られないので、進学の際は注意しよう。
将来はこうなる
薬局が「地域福祉」のセンターになる
将来は、医師と密接に連携して患者に対応する「臨床薬剤師」と、病院の発行した処方箋に基づき医薬品を調剤して販売する「薬局薬剤師」との二極分化がさらに進みそうだ。薬局薬剤師には、高齢化社会が進む中、医療分野だけでなく、保健・福祉・介護分野も含めた「地域福祉」の総合的なアドバイザーとしての役割も期待されている。また、製薬会社などでの研究の仕事のニーズも増えている。
データボックス
収入は?
民間の場合は勤務先によって異なるが、収入の全国平均は、565.1万円。
休暇は?
病院なら休診日が休み。ただし、週休二日とは限らず、「4週間内に8日休み」など、変則的なところも多い。製薬会社や薬局はそれぞれの規定による。
職場は?
病院、診療所、薬局、医薬品関連会社、保健衛生関連行政機関、大学。独立して薬局開業も。
なるためチャート
薬剤師の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!