教科を教えるだけでなく、生活指導や進路指導なども行い、生徒たちの人生を育んでいく。
こんな人にピッタリ!
高校生は悩み多き多感な時期だけに、深い愛情と根気をもって接することのできる人が向いている。また、将来の進路を決める手助けも必要なので、視野が広く指導力のある人が求められている。
どんな仕事?
中学よりも専門的でレベルの高い知識を教えていく
高校の教科は中学より細かく分かれているので、それだけ優れた専門知識と指導力が欠かせない。また、教科指導と同時に、クラブ活動や学校行事、さらに担任ともなれば生徒個人の進路指導や父母との相談にも応じなくてはならない。生徒一人一人に個性があるように、その対応の仕方もさまざま。社会の動きを敏感に感じ取り、適切なアドバイスを心がける必要がある。
これがポイント!
採用は、せまき門
大学で1種免許状を取得するか、大学院を経て専修免許状を取得することが第1段階。免許は教科別になっているので、進学する大学を選ぶ際は、自分が教えたい教科の教職課程があるかどうかを確認する必要がある。免許状を取得したら、公立高校の教諭となるか私立高校の教諭となるかで、受ける試験が異なってくる。公立高校を目指すなら、各都道府県の教育委員会が行う採用候補者選考試験を受験する。合格後、採用候補者名簿に名前が登録され、面接などを経て、採用が決まる。公立高校の競争率(採用倍率)は年々低下しているものの、令和2年度の全国平均は6.1倍と、なかなかのせまき門だ。私立の場合は、私立中学校高等学校協会が実施する私学教員適性検査の成績を、採用選考資料とする高校もある。
通信教育でも修得できる
教員免許に必要な単位は、大学の通信教育でも取れる。ただし、修得できる種類と教科は通常の学部とは異なるので注意が必要だ。
将来はこうなる
採用状況は厳しい
毎年の採用数が少ないうえ、近年は生徒数の減少に伴って高校も減り始めているため、就職先がそもそも少なくなっている。今後も生徒の減少は続くと見られており、採用状況は明るいとはいえない。語学やコンピュータ、プログラミングなどに力を入れる学校が増えているので、専門的な知識を持つ努力をする必要がある。
データボックス
収入は?
公立高校の場合、各地方自治体が定める規定に準じているため、地域によって差がある。私立高校も運営母体ごとに異なる。高校教員全体の平均年間給与は、およそ530万円だ(平均年齢43.9歳)。
休暇は?
公立高校は、土曜、日曜と祝日が休み。このほか、各人の勤務年数に応じた有給休暇がある。しかし、授業の準備や当直、部活動の顧問などで土日出勤となることも多い。そのぶん、夏・冬などの学校自体が長期休暇の間に、まとめて休みを取ることはできる。とはいえ、夏休みなどの長期休暇は、授業がないだけでいつも通り出勤する。私立も基本的には公立と大差ないが、土曜休日が隔週とか、月に1回しかないとか、学校によって実態はさまざまだ。
職場は?
国公立または私立の高校。
なるためチャート
高校教諭の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!