いじめ、幼児虐待、若年層犯罪……。「子どもが危ない」時代だからこそ、重要性が高まる児童福祉の専門家。
こんな人にピッタリ!
年少者に対して思いやりの心を持って接することができる、誠実な人。相手の立場に立ってものを考えられる柔軟性も必要。また、相談を受けるのが仕事だけに「聞き上手」であることは絶対条件。
どんな仕事?
子どもの良き相談相手に
児童相談所相談員とは、全国に225か所(令和3年4月1日現在)ある児童相談所で働く「児童福祉司」と「児童心理司」のことを指す。子ども(乳幼児から18歳未満の少年・少女まで)や、その家庭の問題について相談を受け、保護や手助けが必要な人に対して、指導や助言、援助を行う仕事。児童福祉司は子どもの性格や行動、家庭状況などを調査し、施設・学校などと連携を取りつつ、最も良い解決策を発見し指導するのが仕事で、児童心理司は子どもたちの心理状況を把握し、心理学的な見地から検査や指導を行う。児童福祉司や児童心理司が単独で指導をすることはなく、おたがいが協力しあい、医師や保育士などとも連携しながらカウンセリングなどに当たる。
これがポイント!
公務員試験にトライ!
児童福祉司と児童心理司は、どちらも国家資格ではなく任用資格なので、大学や短大などで指定の科目を履修して取得するのが一般的だ。だが実際にこの仕事につくには、その後、地方公務員試験にパスしなければならない。採用数が少ないので、複数の地方自治体の試験にトライする積極的な姿勢が必要。
将来はこうなる
児童相談所以外でも活躍の場が広がる
子どもの虐待や犯罪が増えていることから、政府は児童相談所相談員を増員するという目標を設定している。また、児童相談所に限らず、児童福祉施設でも児童福祉司や児童心理司たちへのニーズは高まっている。相談事も細分化され、今後はさらに手厚い指導やフォローが必要となっていくと考えられる。国家資格として認められている「公認心理師」や「社会福祉士」などの資格を持っていると、将来的に有利になる可能性がある。
データボックス
収入は?
あくまで地方公務員なので、各地方自治体で定められている給与体系に基づいた収入。初任給は自治体によって異なるが、だいたい大卒で月に20万円程度。
休暇は?
1日8時間労働、完全週休二日制が原則だが、子どもの親との面接が夜にしかできなければ、残業ということに。数は少ないが休日出勤も。
職場は?
各都道府県と政令指定都市に必ず設置されている児童相談所、各種の児童福祉施設。
なるためチャート
児童相談所相談員の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!