子どもを預かって育てる「保護者プラス先生」役。心身ともに大変な仕事だが、それ以上に子どもの成長に立ち会う充実感が大きい。
こんな人にピッタリ!
赤ちゃんや子どもが大好きで、世話するのが苦にならない人。大人の理屈が通じない相手に対応しうるだけの、にんたい力やおおらかさ、そして豊かな遊び心を持つ人に向いている。むろん、体力は必要不可欠。
どんな仕事?
子どもを預かるだけでなく、しつけや幼児教育も
子育てと仕事を両立させたい保護者から、主に小学校入学前の子どもを預かり、生活の世話(保育)をする仕事。預かるだけでなく、食事などの生活習慣に関する教育、言葉や運動の発達の手助けなどをする、大切な役目だ。心身ともに「活力」が要求されるが、子どもが目に見えて成長していく過程を見守れるという楽しみも、充実感もいっぱいの仕事だ。
これがポイント!
進学か試験合格か
保育士になるには、「保育士資格」という国家資格が必要だ。資格取得には2つの方法がある。①厚生労働省が指定する保育士の養成施設(大学、短大、専門学校)で学び、卒業すれば取得できる。保育科、社会福祉学科、児童教育学科など、養成課程がある学部・学科は学校によって異なるので、厚生労働省の指定があるかどうか、しっかり確認すること。②上記の養成施設を卒業していない場合でも、各都道府県が実施する「保育士試験」に合格すれば取得できる。
試験は難易度が高め。効率よく勉強を!
保育士試験は年に2回実施されている。受験資格は、大学や短大に2年以上在籍し、62単位以上修得している者、高校卒で2年以上の実務経験がある者などだ。しかし合格率は24%前後と低めなので、通信教育を受けたり、参考書を片手に独学したり、各地で実施されている「保育士試験準備講習会」を受講したりと、自分に合った方法で、効率的に勉強することが大事だ。
将来はこうなる
病院や民間託児施設へと活躍の場が広がる!
少子化が進み、乳幼児の数は年々減少しているが、国や自治体が「子育て支援」を積極的に実施しており、認可保育所以外にも、保育士を必要とする施設や職場が増えている。たとえば病院(長期入院中の子どもの保育)や、民間の託児施設(認可外保育所)など活躍の場は確実に広がっている。一方で、教育と保育を行う「認定こども園」が増加しているため、保育士資格と合わせて幼稚園教諭の資格も取得しておけば、就職時に有利だ。
データボックス
収入は?
公立の場合、地方公務員という身分になるので、その基準に基づく給与が支払われることになる。私立の場合は認可されているかいないかで、給与の額にかなりのちがいがある。認可保育園の場合、公立との差はそれほどない。公立・私立ふくめた保育士の年間の平均給与額は、およそ370万円(平均年齢37.6才)だ。
休暇は?
ほとんどの保育園が「土曜保育」を行っているが、土曜は預かる子どもの数が少なく、保育士も少人数で足りるので、交代で休める。土曜出勤をした場合は、月曜日を休みにするなど週休二日を確保している保育園が大半だ。
職場は?
公立・私立の保育所、乳児院、児童養護施設、障害児施設、企業内保育所、ベビーホテル、児童館、児童センターなど。最近はデパートやスポーツクラブなどへも職場は広がっている。
なるためチャート
保育士の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!
実際に働いている保育士の仕事を見てみよう!