テレビなどで活躍している気象予報士。気象データをもとに、天気がどうなるかを予報する「天気の専門家」だ。
こんな人にピッタリ!
天気や季節の移り変わりに関心がある人。理科や科学が好きで、疑問に思うことはすぐに調べたくなるタイプの人。
どんな仕事?
観測データをもとに、個別のニーズに応えて天気を予想
気象庁が観測した気象データや、対象地域の観測データをもとに、独自の判断で天気の予測をおこなう。テレビ、ラジオなどのお天気コーナーでの活躍が目につくが、天候に影響される職種は多く、それらの団体・企業に情報を提供するのも仕事のひとつだ。例えば、野外イベントの実施の可否、スーパーやコンビニでの商品の売上げ動向(暑くなるならアイスクリームの入荷を増やすなど)、航空機や船の最適航路予測、農作物の植え付けや収穫のスケジュール予測、建設工事期間のアドバイスなど、活躍の場は広い。
これがポイント!
資格試験に年齢、学歴などの制限はないが、超難関!
気象予報士になるには、国家試験である「気象予報士試験」(年2回)に合格し、気象庁に登録する必要がある。試験は学科試験と実技試験からなり、気象学はもちろん、実際の天気図を短時間で正確に読み取る能力なども試される。受験には年齢、学歴などは問われないが、試験は難解なことで知られ、合格率は毎年5~10%程度だ。
気象庁職員を目指すなら国家公務員資格が必要
気象予報士の就職先として気象庁をイメージするかもしれないが、気象庁職員は国家公務員なので、まず国家公務員試験に合格する必要がある。合格したのち、気象庁の面接を経て採用されるかどうかが決まる。採用条件に気象予報士の資格は必要ないが、気象庁を目指す人の多くは大学生の頃から気象予報士の資格を取得しているようだ。また、気象庁志望なら、気象大学校へ進む道もある。気象大学校は、もともと気象庁の幹部候補を育成するために作られた機関なので、入学と同時に気象庁職員(学生)の身分が与えられ、在学中でも公務員としての給与が支給される。ただし、4年制の大学で全生徒数わずか40名という超狭き門。精鋭が集まるエリート校だ。
将来はこうなる
きめ細かい気象情報のニーズに応え、起業の道も!
気象予報士として働く先は、気象庁の認可を受けて気象情報を出すことができる「予報業務許可業者」になるため、大手の気象会社やテレビ・ラジオ局、天気情報を必要とする企業、大学や研究機関などがほとんど。しかし、最近ではピンポイントの予報をおこなう会社も増え、選択肢は多彩になってきた。CATVを通じて提供される地域密着型の天気予報や、個人向けサービスとしてインターネットで気象情報を提供する仕事、雷予測を専門におこなう会社もある。きめ細かい気象情報へのニーズはこれまで以上に増えていくと思われ、気象予報士も得意分野のスキルを磨いていくことで活躍できる場は広がっていくだろう。「予報業務許可業者」は個人名で登録することもできるので、民間の気象会社に就職して経験を積んだ後、自らの会社を起業することも可能だ。
データボックス
収入は?
職場によって様々。気象庁の職員なら国家公務員、日本気象協会は半官半民、民間の気象会社はそれぞれの会社の職務規定による。お天気キャスターはテレビ局に所属するか、フリーで契約するかで待遇も異なる。ただし、この仕事は必ずしもサラリーマンで終わらず、独立して会社を設立するという道も開けているから、才能と努力次第でぐんぐん収入が増える可能性もある。
休暇は?
自然が相手なので、職場は24時間体制。しかし、シフト制をとっている職場が多く、比較的休みは取れるようだ。ただし、台風接近時などはその限りではない。
職場は?
気象庁から認可を受けている民間の気象会社、企業などに就職するのが一般的。フリーでテレビ局などと契約し、お天気キャスターとして活躍する道もある。
なるためチャート
気象予報士の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!