ペットの病気の治療や、家畜の畜産指導、伝染病対策などにたずさわり、活躍の舞台は幅広い。
こんな人にピッタリ!
何よりも動物が好きなこと。言葉を話せない動物の気持ちを感じ取る鋭い洞察力、常に前向きに取り組む意欲と好奇心、そしてハードワークに耐える体力も必要だ。
どんな仕事?
様々な分野で活躍する獣医師たち!
獣医師といえば「動物病院の先生」」というイメージが強いが、これはほんの一部。公務員として働く獣医師も多く、国公立の動物園で働いたり、畜産指導や動物の防疫業務(伝染病対策)にたずさわったり、品種改良の研究などをおこなったりする獣医師も多い。民間企業では、飼料や動物用食品の開発・管理の仕事などでも活躍している。最近は、医薬品メーカーが研究用動物の飼育管理のために獣医師を採用するケースも増えている。また、日本中央競馬会(JRA)の施設で働き、競走馬の健康管理や研究を専門におこなう獣医職もいる。
これがポイント!
まずは獣医学科のある大学に入学!
獣医師になるには獣医師国家試験に合格して「獣医師免許」を取得しなければならないが、その受験資格を得るためには獣医学科のある大学に入学する必要がある。現在、獣医学科のある大学は国公立大11校(北海道大、帯広畜産大、岩手大、東京大、東京農工大、岐阜大、鳥取大、山口大、宮崎大、鹿児島大、大阪府立大)、私立大6校(酪農学園大、北里大、日本大、日本獣医生命科学大、麻布大、岡山理科大)となっている。
ペット、畜産、動物園…働く環境はまったく異なる
獣医系大学で6年間学び、国家試験に合格すれば獣医師となる。医師のようなインターン制度が確立されていないため、資格を取得後、希望する現場で働きながら臨床経験(診療・治療)を積むことになる。ペットなど小動物関係は動物病院で研修医として。牛や豚など畜産動物関係は、農業共済団体の家畜診療所などに勤務して経験を積むのが一般的だ。動物園で獣医として働く場合は、体の大きさも、生活環境も、生態も多様な動物たちの健康管理を行うので、常に学び続ける気持ちが必要。飼育活動や繁殖活動、野生動物の研究に携わることもあり、業務は幅広い。
どんな獣医師をめざすかによって働く環境も内容もま大きく異なってくるので、しっかり確認しておこう。
公務員資格が必要な場合も
全国の都道府県が管轄する食肉の衛生検査施設や、海外からの感染症流入を防ぐための検疫所、国公立の動物園などで働く場合は、公務員獣医師としての資格も必要になる。働く場所によって地方公務員と国家公務員とに分かれ、獣医師の資格とは別に、それぞれの公務員資格試験を受けることになる。
将来はこうなる
ペット医療も専門的に細分化される時代に
動物病院ではペットの病気全般を診るのが仕事だが、ペットの長寿化により、人間と同じように、がんや生活習慣病などが増えてきて、きめ細かな診察が求められるようになっている。そのため、診療分野も細分化されつつある。得意分野の知識を深め、技術を磨いておけば、専門医として評価を得ることができる。
データボックス
収入は?
公務員や農業共済団体の初任給はおおむね20万円前後。民間企業の場合は初任給にバラツキがあるが、特別な手当てをつけているところはないようだ。開業獣医師の場合は診療技術などによって収入に開きがあるが、年収1,000~2,000万円を得られることも。
休暇は?
動物病院などに務める場合は週休二日制多いが、休日出勤もある。開業医はまちまちで、急患があれば夜中に起こされることも。
職場は?
動物病院、国や地方自治体の研究・検査機関、企業の研究所、動物園、水族館、競馬場など。
なるためチャート
獣医師の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!