海や川などで魚介類をとり、生計を立てている人。時として人間に対してきばをむく大自然が仕事場だ。
こんな人にピッタリ!
自然が好きで、体力のある人。船の上では漁師同士の付き合いもあるため、コミュニケーションがきちんと取れる人。
どんな仕事?
魚をとり、市場などで販売する
海や川などで魚や貝類をとり、市場などで売って収入を得るのが仕事だ。海で漁をする場合、漁場の違いによって「沿岸漁業」と「沖合漁業」と「遠洋漁業」の3つに分けられる。小さな船で、海岸近くで日帰りの漁をしたり、魚のほかに貝や海藻などをとったりするのが「沿岸漁業」である。「沖合漁業」は、20~150トンほどの船で、一般的に2~3日で帰ることができる日本近海でおこなう漁のこと。「遠洋漁業」は、大西洋や太平洋、インド洋など世界の海へ大型船で向かい長い日数をかけて魚をとる。天候や魚の動きによって収入に波がある仕事だが、日本の食卓を支える上で欠かせない、やりがいの大きい仕事と言える。
これがポイント!
水産科、漁業科などのある高校や大学で学ぶ
漁師になるには、特に学歴や資格は必要ない。身近に漁業関係の人がいたら、そのツテを頼って漁師の親方に弟子入りして修業を始めることも可能だ。また、水産高校や海洋高校、水産科のある高校、大学などが全国にあり、ここには求人依頼の情報が集まってくる。学校で漁業に関するさまざまな知識を得ておくと、漁師になった時にその知識が役に立つ。
漁業共同組合や就職情報誌で情報を集める
全国各地の漁業共同組合やインターネットの求人サイトなどで、漁師を募集していることがある。気になる会社に連絡してみるのもいいだろう。また、「全国漁業就業者確保育成センター」は漁師をめざす人たちのための団体で、ホームページには各地の漁業協同組合などから常に新しい情報が集まってきている。就業フェアや講習会も開催していて、直接話も聞けるので便利だ。
キャリアアップのためには、船に関する免許が必要
将来、キャリアアップしたければ、船に関する免許を取ろう。「一級小型船舶操縦士免許」を取得すれば、自分で20トン未満の船を操縦することができるようになる。無線設備がある船を動かすには「海上特殊無線技士免許」の第1級か第2級を取得する。遠洋漁業の大きな船で船長や航海士、機関長、通信士などをめざすなら「海技士」の資格が必要になる。海技士免許は「航海」「機関」「通信」に分かれ、それぞれ各級ごとに受験に必要となる実務経験の年数はちがってくる。
将来はこうなる
漁師を取り巻く環境は厳しい
漁業は、海が時化たり、魚の病気が流行したりすると、とれる量が変化するため、安定して収入を得られるとは限らない。さらに近年では、地球温暖化で魚の生息域が変化したり、乱獲によって人気のある魚の数が減少したりして、漁師の仕事は厳しくなっている。しかし、魚や海の研究が進み、技術が向上することで、沿岸近くで海面養殖をすることも多くなった。今では繁殖はできないと言われていた魚(マグロなど)を育てることも可能になっているし、巨大な生簀での陸上養殖も増えつつある。漁で魚がとれづらくなったとしても、養殖などの分野で漁師が活躍するケースも増えてくるだろう。
データボックス
収入は?
平均年収は、40歳台で350 ~400万円くらい。有名な「大間のマグロ」漁師のように、1本>数千万円の値段がつく大物を釣り上げる名人もいる。
休暇は?
海が荒れて漁に出られない場合は、強制的に休みになってしまう。それ以外は、漁の形態や時期によってまちまちだ。
職場は?
海上。大きな船を持つ漁業会社の乗組員になる場合もあれば、個人経営の小型船での漁などさまざまだ。
なるためチャート
漁師の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!