夜空をははなやかにいろどる花火を作り、花火大会などで打ち上げる。花火シーズンである夏場はとてもいそがしい。
こんな人にピッタリ!
危険な火薬を扱うので責任感がある人。慎重で注意深い人。体力に自信がある人。研究心が旺盛な人。
どんな仕事?
夏の風物詩・花火の打ち上げに関わる
花火師は花火を作り、打ち上げ、花火大会の運営を行う職人だ。秋から春にかけて地道に花火を作り、夏場に開かれる花火大会に向けて準備をおこなう。花火大会に使うような花火は昔ながらに一つ一つ手作りする。大量の火薬をあつかう危険な作業なので、慎重さが必要だ。打ち上げに関しては、現在、花火玉を入れた筒に電気コードをつなぎ、電気で点火することが増えている。タイミングもあらかじめコンピュータでプログラムしておいて、遠くからスイッチを入れればよく、大きな事故は減ってきているが、常に緊張感を持って仕事をしなければならない。一人前になるには10年以上の修業が必要と言われている。
これがポイント!
花火師は職人、先輩に弟子入りして仕事を覚える
花火師になるには、学歴や特別な技術は必要ない。花火師は職人的要素が強く、花火会社に入って先輩に弟子入りし、知識や技術を学んでいく。花火会社は家業として営んでいる小さな会社が多いため、広く募集されるケースは少なく、自分から花火会社に直接問い合わせてあたってみるしかない。公益社団法人 日本煙火協会のホームページには、協会の会員である会社の全国リストが掲載されているので参考になる。また、花火の製造現場の責任者や監督者である「製造保安責任者」は、火薬類取締法に定める「火薬類製造保安責任者免状」や「火薬類取扱保安責任者免状」が必要なので、こうした免許を持つ職人希望者は花火会社にとってメリットが大きい。工業高校や大学の理工学部などでこれらの免許を取得しておくと、就職の際に有利だ。
技術を習得してから「煙火消費保安手帳」の交付を受ける
花火職人は、一定の技術を習得した後に「煙火消費保安手帳」の交付を受ける必要がある。これは公的な資格ではなく、花火業界の団体である公益社団法人 日本煙火協会が、危険な火薬をあつかう花火作りの安全を確保するために自主的に設けている制度だ。協会がおこなう保安講習を受け、花火師としての技能が証明された者に対してのみ交付されるので、“手帳所持者”は一人前の証だ。
将来はこうなる
花火を芸術作品としてプロデュース!
日本の花火は夏場の花火大会が中心だが、それ以外の季節でも各種のイベントで打ち上げるケースが増えている。夜空をいろどるショーとしての花火のニーズはどんどん高くなっている。これからの花火師は花火の制作、打ち上げだけでなく、いかに観客を楽しませるかというプロデューサー的な企画力や、花火を芸術作品として演出するセンスもより求められていくだろう。また日本の大きく丸く開く花火は、その大胆さと繊細さから海外でも人気。世界中の花火大会から声をかけられる花火師もいて、活躍の舞台は広がっていくだろう。
データボックス
収入は?
花火会社によって収入はまちまちだが。とある花火会社の月収は、新人のときは10~15万円くらい。
休暇は?
会社によってちがってくるが、比較的時間がある秋から春にかけては月に6~8日間くらい休みがある。しかし、夏になるとは花火大会の準備で休みが減ったり残業が増える。
職場は?
日本全国の川、海、湖などの近くや、テーマパークなどで広い空き地に設置された打ち上げ会場。海外の花火大会の会場。
なるためチャート
花火師の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!