自動車デザイナー
だれもが
こんな人 にピッタリ!
スケッチなど
どんな仕事 ?
自動車 の外装 や内装 のデザインを考 える
新しい自動車を開発する時、自動車の形など、目に見える部分をデザインするのが自動車デザイナーの仕事。その仕事を大きく分けると、外装デザインと内装デザインがある。外装デザインは自動車の外観に関わるデザインを担当する。全体的な形やライトの形など、それぞれの自動車を印象的に見せる大切な仕事だ。一方の内装デザインは、運転席のハンドルの形や座席の形など、車内のデザインを担当する。運転のしやすさや乗り心地の良さに関わるので、こちらも大切な仕事だ。ちなみに、新しい自動車の開発は、発売される3~4年前から始まる。つまり、3~4年先のお客さんの要望や好み、社会の流行や変化を予測して新しい自動車を考えるのだ。会議で「どんな性能で、どんなお客さん向けの自動車を作るのか」といった基本的な考え方や方向性がまとまると、いよいよデザイナーがアイデアを絵にしていく。
自由気 ままではなく、意見 を取 り入 れながら
ただし、その作業中もデザイナーは、デザインをもとに設計する担当者をはじめ多くの人の意見を聞いて、デザインに取り入れていく。デザイナーが自由気ままにデザインをするわけではないのだ。そうやって数百~数千枚のスケッチをくり返してアイデアをまとめ、数案までしぼりこんだところで、ねん土を使った立体模型やコンピュータの3DCGモデルを作ってさらに検討する。最終的なデザインが決まれば、試作車を作ってテストをくり返す。安全性が確認されれば工場で生産が始まり、ついにお客さんに販売されるのだ。買ったお客さんの自動車を見た多くの人を「かっこいい。欲しい」と思わせることができれば売れ行きは増し、新たな自動車の開発へつながる。自動車デザイナーの責任は重大だ。
これがポイント!
自動車 メーカーに入 って経験 を積 む
自動車デザイナーになるための特別な資格はない。自動車メーカーのデザイン部門に入るか、工業製品のデザインを手がける事務所に入り、少しずつ経験を積むのが一般的だ。自動車のデザインは、乗り物としての働きや性能を理解したうえで、より美しい外観や心地よい内装を作り上げなくてはならない。とても複雑で難しい仕事だ。自動車メーカーや工業デザイン事務所で経験を積んだ後、フリーになって自分のデザイン会社を作り、活躍するデザイナーもいる。
美術 大学 や工業 デザインの専門 学校 で勉強 する
自動車デザイナーには、絵の上手さも必要だが、機械工学などの専門知識も必要だ。自動車デザイナーを目指すなら、大学や専門学校で工業デザインに関する知識や技術を身につけよう。また、自動車デザインの仕事には、外装と内装のデザイン以外にも、ねん土(クレイ)で立体模型を作る「クレイモデラー」、CGやCADなどのデジタルツールで表現する「デジタルデザイナー」、外装や内装の色を考える「カラーデザイナー」などがある。学生の間に、そうした専門技術に触れておくといいだろう。そして、デザインの基本的な知識や技術はもちろん、ほかの人にはできない独自の発想力とセンスも養っておきたい。
将来 はこうなる
数 年 先 を予測 して、実現 する力 が求 められる
車は、エンジンやコンピューターによる制御をふくめた機械面も、外見や内装をふくめた面も、そして車や環境に関する考え方という面でも、日々進化し続けている。例えば、環境へのえいきょうを考えた電気自動車や、ガソリンと電気の両方を使ったハイブリッドカーなどが登場している。自動車デザイナーは、そんな技術の進歩にじゅうなんに対応し、お年寄りが心地よく運転できる車、安全性の高い車といった人々の望みを予測して、実現する力が求められていくだろう。