目まぐるしく変わる流行の最先端で、新しい服やバッグなどの服飾品を作り続ける創造的な仕事。時代を読むセンスとともに優れた技術も大事。
こんな人にピッタリ!
色彩感覚が豊かで、絵を描くのが得意な人。流行の服を自分なりにアレンジして着こなすなど、ファッションセンスの鋭い人。裁縫の技術が優れていることも大切な条件の1つだ。
どんな仕事?
ブランドのコンセプトや世界観をつくり上げるのもデザイナーの仕事
ファッションの世界は「春夏」や「秋冬」のように、シーズンに合わせて新作発表会が行われる。新作には、そのブランド独自の世界観を表現する必要があり、ファッションデザイナーにはそのブランドを引っ張っていくセンスと企画力が期待される。新作発表の1年以上前から準備は始まっている。市場を調査し、何が流行するか先を読み、自分たちが表現したいイメージのコンセプトを決める。次にデザイン画を描き、デザイン決定。そして裁断・縫製を指示し、仕上がりサンプルのチェックをしていく。サンプル制作時には、パタンナーや縫製工場への指示が必要なため、型紙や縫製、素材などの知識を身につけておくと役立つ。
これがポイント!
在学中に資格を取っておこう
デザイナーとしての技術をすぐにマスターするなら専門学校、じっくり勉強したければ大学・短大がおすすめ。専門学校では、高田賢三さん(故人)などトップデザイナーを輩出している文化服装学院などが有名だ。大学・短大では女子美術大学、京都芸術短期大学などのように、デザイン系の学部、学科がある大学を選ぼう。デザインを勉強しながら、洋裁技術も学び、在学中に「パターンメーキング技術検定」「洋裁技術検定」などにパスしておくと就職に有利だ。
コンクールや海外留学に挑戦するか、自分でブランド立ち上げるか
一人前になるまでのアシスタント期間は、顧客向けのサンプルの梱包、発送作業、マップ(スケジュールなどをビジュアル化したもの)の作成など、細かい仕事をこなしながら、こつこつとデザイン画を描きためている人が多い。その作品で新人の登竜門として有名な賞を取れば、一躍名前が知られることになる。国内で最も権威のあるコンクールは「装苑賞」で、山本寛斎さん(故人)やコシノジュンコさん、山本耀司さんらが受賞している。また、海外の有名ブランドで修業して有名になるチャンスをつかむケースもある。こうしたステップアップのやり方とは別に、最近ではインターネット上で簡単に作品を発表できることから、アシスタントを経てすぐに自分のブランドを立ち上げるデザイナーも登場している。
将来はこうなる
コンピュータを駆使するデザイナーも
ファッション業界でもコンピュータの活用は欠かせない。グラフィックソフトを使ってデザイン画を描いたり、服飾に特化したソフトで手軽に商品化を実現するデザイナーも増えている。服飾系の専門学校の中には、ファッションデザインにおけるコンピュータの活用をカリキュラムに取り入れているところも多い。これからのデザイナーには、ファッションセンスはもちろんのこと、そうした最新のデジタルスキルも必要とされそうだ。
データボックス
収入は?
大手アパレル会社で一人前のデザイナーになると、年収は500~600万円くらい。さらに能力を認められた契約デザイナーになれば、年収1000万円以上に。
休暇は?
大手のアパレル会社は、たいてい週休二日制。ただし、展示会などの直前は残業や徹夜が多くなり、休日に出勤することもしばしばだ。
職場は?
アパレルメーカー、有名デザイナーの経営するデザイン事務所など。
なるためチャート
ファッションデザイナーの仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!