イラストレーター
こんな人 にピッタリ!
絵を描くのが好きで、やり直しを要求されても途中で放り投げない人。抽象的なイメージを形に置き換えられる人。何パターンものデザインを考えられる柔軟性のある人。
どんな仕事 ?
クライアントの要求 に応 じて自分 の個性 を出 していく
「イラスト」とは、新聞や書籍の内容を分かりやすく伝えるために入れる挿絵のこと。それを描く仕事を担当するのがイラストレーターだ。同じ絵を描く仕事に画家がある。画家は自分の好きなテーマで描いた絵を売って収入を得る。一方、イラストレーターは出版社や広告代理店などの依頼主の要望に応じた絵を描いて収入を得る。画家とイラストレーターでは、絵を描くきっかけがまるで違うのだ。とはいうものの、絵を描く技術を生かし、副業としてイラストを描く画家も多い。本などに掲載するイラストを依頼される場合は、イラストの大きさや絵の内容、色使いまで細かく指定されることもある。その逆に、口頭で「気持ちのいい感じに」といった抽象的な依頼を受けることもある。どんな依頼でも、相手の要望をくみとってイラストを制作するのがイラストレーターの仕事だ。また、イラストを描きあげても、依頼者のイメージに合わない場合は何度も描き直しを要求されるので、応じなくてはならない。大切なのは、自分ならではの独創性や個性を出しつつ、依頼主の指示や要求に従うこと。ただ、図鑑や百科事典のイラストを描く仕事では、独創性よりも正確性が求められることもある。苦労して描いたイラストが誌面を飾るのは最高の喜びだ。
これがポイント!
人間 の幅 を広 げ、柔軟性 を養 う
イラストレーターになるための特別な資格や試験はない。絵を描く仕事なので、美術・芸術系の大学・短大や専門学校に進み、絵画の基礎を学ぶのが一般的。同じようにイラストレーターを目指す人と作品を見せ合うことで、切磋琢磨し、お互いに才能を伸ばしていくこともできるだろう。また、この仕事は依頼主であるクライアントの注文にどれだけ柔軟に応じられるかもポイント。学生時代に遊びや趣味を通じていろんな経験をして自身の人間の幅を広げたり、幅広い交友関係を築いてコミニュケーション力をみがいておくことも、柔軟性を養うには大切だ。
作品 を売 りこむ営業 努力 が必要
イラストレーター志望者にとって大事なのは自分を売りこむこと。自分がどんな絵を描くのかを相手に伝えないことには仕事につながらないからだ。大学・短大や専門学校を卒業後、広告代理店・デザイン事務所・ゲーム会社などに就職して作品を企画・発表したり、仕事を通じて出版社や広告会社とのパイプを作って作品を見てもらうチャンスを増やしたりするのも一つの手だ。コンクールも多くの人に作品をアピールできるチャンス。たとえば、日本イラストレーター協会が主催する「JIA Illustration Award」は、年に一度、世界中から作品を募集するイラストレーションのコンテスト。そうしたコンクールにもまめにチャレンジしよう。また、現在はインターネットで自分を売りこむこともできる。自身のサイトやイラスト投稿サイトなどに作品をアップして多くの人に見てもらえば、出版社や広告代理店の人の目に止まり、仕事の受注につながるかもしれない。
将来 はこうなる
デジタル技術 は必須
イラストには様々な表現があり、制作に使われる画材も数多くある。色鉛筆。水彩絵の具、クレヨン、パステルなどだ。そうした画材で描くイラストには味わい深いものがある。だが、現在イラストの仕事のほとんどはデジタルデータでの入稿が普通になっている。紙に描いたアナログ原稿をそのまま渡すことはほぼない。アナログ原稿はスキャナーで読みこんでデジタル化する作業が必要だ。そのためにもパソコンのグラフィックスソフトを学んでおこう。一方、アナログで描いたような風合いを表現するデジタル技法もある。新たな絵画の手法としてデジタル技法を学ぶことは、自身のイラストレーターとしての可能性を広げるかもしれない。また今後は、インターネットのネット広告やホームページなどで使われるイラストが増えていくだろう。実際にネット上でイラストを販売したり、コンテスト形式でイラストを受注するサイトもある。そうしたことに対応するためにもデジタル技術を学んでおこう。
データボックス
収入 は?
平均年収は474万円。イラスト1点の値段は、書籍、雑誌、広告会社によって異なる。予算が少ない単行本では、1点1000~2000円ということもある。新人のうちは数を多く描いて、イベントなどで販売して収入を得ているイラストレーターも多い。週刊誌や月刊誌などの仕事をレギュラーで取れれば安定した収入が得られる。イラストレーターとして名が知られるようになれば、それなりに高額な収入も期待できる。
休暇 は?
フリーのイラストレーターは、注文がなければ毎日が日曜日。逆にしめ切り間際は土日もなく、徹夜続きなんてことも。
職場 は?
人手や設備はいらないので、自宅で仕事をしている人が多い。デザイン事務所などに所属するイラストレーターもいるが、そういう人はグラフィックデザイナーとイラストレーターを兼業していることが多い。
なるためチャート
イラストレーターの仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!