自分が描いた絵画を通して人々の気持ちを動かす芸術家。本業としてやっていけるのはごくわずかであり、副業を持っている人が多数。
こんな人にピッタリ!
絵を描くことが好きな人。上手い、下手ではなく、見た人の気持ちを動かす絵を描く才能があることが大前提。ただし、才能をみがき続ける努力と、生活が苦しくても絵を描き続けていくねばり強い精神力も必要。すぐに脚光を浴びたい人には向かないかも。
どんな仕事?
ほとんどの人が副業で生計を立てている厳しい世界
画家は、オリジナリティあふれる芸術的な絵画を制作する仕事で収入を得る人のこと。絵画のジャンルは幅広く、水墨画や彩色画に代表される「日本画」や油彩画や水彩画に代表される「西洋画」などさまざま。最近はパソコンを使ったデジタル絵画もある。描く題材も、自分の創作テーマに基づく自由な発想の絵画から、肖像画や風景画などさまざま。絵を描くのが好きな人にとっては、好きなことをして生きていける理想の仕事といえるだろう。だが、実際に画家の仕事だけで生活できる人はほんの一にぎり。ほとんどの人が、絵画教室を開いたり、学校の美術の先生、注文に応じた絵を描くイラストレーターなどの副業をしながら創作活動を続けている。
これがポイント!
学歴は不要だが……
画家になるための特別な資格はない。極端に言えば、本人が画家を名乗れば画家なのだ。学歴も不要だが、絵画の制作に欠かせないデッサン力をみがいたり基本的な絵画技法を身につけるためにも、美術系大学や美術専門学校で学ぶのがいいだろう。実際、ほとんどの画家が美術系大学や専門学校の出身だ。また、そうした学校では、副業となる就職先の紹介や仕事の人脈を得る機会もある。授業で学ぶ美術論や色彩学などを絵画教室やグラフィックデザイナーなどの副業に役立てている人も多い。ただし、美術系大学の入試は、筆記に加えてデッサンなどの実技がある。学力と絵画の実力の両方が必要だ。また、独学で一流画家になった人もいれば、有名な画家に弟子入りして技術をみがく人もいる。
公募展に出品する方法も
画家デビューの出発点の一つは、日本最大の総合美術展覧会である「日展」ほか、国内外の公募展に応募して入選すること。ただし、賞を取れば多少の知名度は得られるが、一度賞を取っただけで食べていけるようにはならない。さまざまな公募展で何度も入選を繰り返して知名度と実力が上がれば、絵画を展示する画廊や絵画を販売する画商から声がかかり、画家としての仕事が増えていくことが期待できる。
将来はこうなる
投げ出さなければチャンスも
画家という職業が世の中からなくなることは、おそらくない。才能をみがく努力を続けていれば、いつか作品が日の目を見るチャンスはある。とくに現在は、インターネットを通じて自分の作品をアピールすることができる。実際、インターネットに発信した動画や作品がマスコミに取り上げられて有名になった画家もいれば、無名の画家の作品が海外で注目されて高額で取り引きされたこともある。一生続けられる仕事でもあるので、途中で投げ出さず、長く描き続けることが大切だ。
データボックス
収入は?
専業画家の収入は、自由に描いた絵画を個展で直接販売したり、画廊や画商に預けて代理販売してもらうことで得る代金。依頼された肖像画や風景画の代金なども収入になる。絵画の値段は、西洋画も日本画も、絵画の大きさの単位である「号」あたりの価格が決まっている。有名画家ならば1号が数百万円ということもあるが、そうした画家はまれ。ほとんどの人が副業で生計を立てている。統計では、職業を画家とする人の平均年収は474万円。ただ、このなかには、ほとんどが副業の収入で、画家としての収入は0円という人も含まれているかもしれない。
休暇は?
画家は自営業なので、休日は本人次第。1週間を丸々休んでもいい。しかし、締め切りがある依頼を受けたときや個展を開催するときは、休みなく創作しなければならないときもある。
職場は?
自分のアトリエ(工房)など。自宅とアトリエが同じ人もいれば、自宅とは別にアトリエを持つ人もいる。
なるためチャート
画家の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!