クラシック音楽で生計を立てる音楽家は、演奏会などを通して音楽の素晴らしさを表現し、聴衆に感動を与える。
こんな人にピッタリ!
音楽が大好きで、感受性豊かなこと。根気強く練習することが大切なので、簡単にあきらめない粘り強さが必要だ。また、聴衆の前で実力を発揮できる度胸と表現力もかね備えていることが望ましい。
どんな仕事?
コンサートや演奏会で演奏する
音楽家といっても、楽器の演奏家や声楽家、指揮者、作曲家など、表現方法はさまざまだ。もっとも多いのは演奏家だが、国際的な賞を獲得するなど卓越した実力が認められれば、ソリストとしてコンサートや演奏会に出て収入を得ることができる。また、オーケストラの団員になって演奏活動を続ける道もある。演奏活動だけで食べていくのが難しい場合は、音楽教室の講師をしたり、ホテルやレストランでアルバイト演奏をしたりしながら、小規模な演奏会などに発表の場を求めていく。
これがポイント!
資格は不要だが、完全実力主義の厳しい世界
音楽家の中でも特に演奏家に求められるのは、どれだけ卓越した演奏技術と表現力を身につけ、聴く人を感動させられるか、だ。資格は必要ではなく、完全な実力主義。音楽をめざす早い段階から専門家のレッスンを受け、練習を積み重ねていくことが大切だ。学歴も関係ないが、優れた指導者がいる音楽大学などに進学すれば高度な指導を受けることができ、よりハイレベルな環境を求めて海外留学を目指す若き演奏家たちもいる。学びながらコンテストにチャレンジし、ソリストとしてデビューできる日をめざす。
オーケストラの団員や教師などの選択肢も
ソリストになるのは演奏家にとってひとつの目標だが、オーケストラの団員になることもプロとして活躍できる選択肢のひとつだ。オーケストラでは通常、欠員が出たときだけ団員を募集する。音楽教室の講師などのアルバイトをしながら、欠員が出るのを待つ人も少なくない。また、教えるプロとして音楽教師をめざすこともできる。教え子たちを成長へと導くことは、演奏で感動を与える音楽家に勝るとも劣らない、やりがいのある仕事だ。
将来はこうなる
大きなコンサート会場以外にも、表現の場はたくさんある
クラシック音楽は、一定のファンに支えられながら人気は継続していくと思われる。最近では街中を会場にしたクラシックストリートのイベントも増えているし、動画投稿サイトで演奏を披露するケースも増えてきた。大きな会場でスポットライトを浴びるのはごく一部の演奏家という状況は今後も変わりそうにないが、気軽にクラシック音楽を楽しみたい、演奏したいという機運が高まることで、活躍の場は広がっていきそうだ。
データボックス
収入は?
有名なソリストの場合、年収は数千万円以上というケースもある。オーケストラは運営される地域の事情にもより、40代で年収600 ~800万円台と幅がある。個人レッスンなどの副業収入に頼っている人は多く、たとえばピアノの個人指導で小・中学生に教える場合は1人1か月5000円~1万円程度。また、ホテルなどのアルバイト演奏は2~3時間で2万円程度。
休暇は?
仕事がない日でも1日数時間の練習は欠かせない。演奏会の予定が入れば、土日や祝日に仕事をすることも多い。ホテルやレストランのアルバイト演奏では、夜間の仕事も少なくない。
職場は?
ソリストやオーケストラの団員になれば、職場はコンサートや演奏会の会場になる。それ以外の選択肢では、イベント会場、ホテルやレストラン、音楽教室など。個人レッスンは通常、自宅でおこなう。
なるためチャート
音楽家(クラシック)の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!