バリエーション豊かにゲームの音楽や効果音などを作る。
こんな人にピッタリ!
ゲームが好きな人。いろいろなジャンルの音楽を聞くのが好きな人。たくさんの人と一緒に物事に取り組むのが好きな人。
どんな仕事?
ゲームで遊ぶ人を“音”で盛り上げる!
ゲームサウンドクリエイターの仕事は、ゲームで使われるテーマ曲や映像の背後で流れるBGMなどの音楽、キャラクターの感情表現や必殺技を放つ演出などに使われる効果音を作ること。効果音作りも担当するところが、同じゲームの音楽作りに関わる作曲家との違いだ。一つのゲームを生みだすために作る音楽や音が100以上になるのもめずらしくない。そうやって生まれたゲームサウンドは、ゲームの世界観を音で印象づけ、遊ぶ人の気持ちを盛り上げる大切な役目を担っている。ゲーム作りはチームワークなので、ゲームサウンドクリエイターは、ゲーム制作の責任者であるプロデューサーや制作現場をまとめるディレクターと話し合いを重ねてゲームのイメージに合った音作りを進めることになる。そのためには、高度な音楽的能力はもちろん、パソコンの作曲ソフトを使いこなす能力、そしてコミュニケーション能力も必要だ。作曲家がテーマ曲などを作曲することもあるが、それをデジタルデータにする作業はサウンドクリエイターが行うことが多い。また、キャラクターがセリフを言っているときはBGMの音量を下げてセリフを聞きやすくしたり、複数の音が重なって音を打ち消し合わないように音量を調整するのもサウンドクリエイターの仕事だ。ゲーム機の持つ音楽機能、ゲームの世界観やキャラクターの性格などを理解したうえで印象的なサウンドを生みだすのは、とても難しい。それだけに、ゲームが完成した時のうれしさは格別だ。
これがポイント!
音楽制作に必要な知識を学び、アイデアの引き出しを作っておく
ゲームサウンドクリエイターになるには、学歴や資格は問われない。現在はパソコンを使って音楽を作るDTM(デスク・トップ・ミュージック)が主流なので、独学で作曲を学ぶことができる。また、DTMをするためのソフトであるDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を使えば、曲を作った人が楽器を演奏できなくてもパソコンが演奏してくれる。ゲームサウンドクリエイターとして活躍している人のなかには、楽譜を読めない人や楽器を演奏できない人もいるほどだ。しかし、よりはば広い音楽を生み出すためには、音楽の基礎をきちんと学んでおくほうがいいだろう。音楽系の学校や専門学校などに進学して作曲方法などを学びながら、さまざまな音楽や楽器の音を聞いたり実際に自分で演奏したり作ったりして、アイデアの引き出しをたくさん作っておこう。
資格試験に挑戦して、DTMの技術を高めていく
ゲームサウンドクリエイターになるために必要な資格はないが、取得すると技術を証明できて、仕事のはばが広がることを期待できる試験はいくつかある。「Pro Tools(プロ・ツールス)技術認定試験」は、日本音楽スタジオ協会が認定書と成績証明書を交付する民間資格。音楽業界で広く使われているDAWのソフト「Pro Tools」の技術を証明するものだ。「MIDI(ミディ)検定」は、音楽電子事業協会による民間資格。電子楽器の標準的な規格である「MIDI」を理解して活用できる人材であることを証明するもの。ただし、ゲームサウンドクリエイターの世界は実力主義なので、資格を得るのが目的ではなく、より高い技術を身につけるための一歩と考えるべきだろう。
将来はこうなる
つねに独自の曲を生み出すための技術やセンスをみがく
ゲーム専用機のタイトルだけでなくスマホゲームも広まっているので、ゲームサウンドクリエイターが仕事をする場は増えている。しかし、パソコンで手軽に作曲ができるDTMも広まっているので、独自の曲を生み出すための技術やセンスをみがかなくてはプロとしてやっていくのは難しい。ゲームメーカーの専属だけでなく、映画やアニメ、テレビドラマのサウンドを作る会社に勤めて、ゲーム音楽を担当する方法もある。さまざまなタイプの音楽を作ることで作曲能力をきたえ、アレンジ能力も身につけば、はば広く音楽業界で仕事ができるだろう。また、独学で力をつけて、フリーとして活躍する方法もある。インターネットのSNSで自作の曲や音を公開して実力をアピールしよう。実力次第で、海外から仕事が来ることも夢ではない。
データボックス
収入は?
平均年収は514~630万円。実力に応じて、さらに収入が増えることもある。たずさわった作品の売れ行きによって評価が変わってくる。
休暇は?
週休二日。会社の規定に従って休みは取れるが、しめ切りがせまれば仕事に出ることも多くなる。時間にしばられずに仕事ができるフレックスタイム制を取っている会社もある。
職場は?
ゲーム会社、音楽制作会社など。
なるためチャート
ゲームサウンドクリエイターの仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!