主に路上や公園、イベント会場、テーマパークなどで独自の芸を見せて、観客もしくはイベント主催者から現金収入を得る。「ストリート・パフォーマー」とも呼ばれている。
こんな人にピッタリ!
大道芸を演じるのが好きな人。人をよろこばせたり、楽しませるのが好きな人。技を習得するための努力を続けられる人。
どんな仕事?
見事な芸を見せてお客さんを楽しませる
お手玉のように物を操るジャグリング、風船を使って物を作るバルーンアート、無言で劇を演じるパントマイム、観客をハラハラさせる曲芸のアクロバットなど、それぞれが得意な芸を路上や公園などに集まったお客さんに見せる。その芸を見て楽しんだり感動したりしたお客さんからいただく「投げ銭」と呼ばれる現金収入を得る。それが本来の大道芸人だ。しかし現在では、イベントやテーマパーク、ショッピングモールなどに招かれてステージなどで芸を行って「出演料」という形で収入を得ることもある。収入を得る方法はちがっても、老若男女を問わず、多くのお客さんに感動と笑いをあたえる芸を見せるのが大道芸人の仕事。「面白かった。ありがとう!」と、お金をはらいたくなるような、人をひきつける芸を見せられなければ、大道芸人は務まらない。そのためには、芸が見事であることはもちろんだが、お客さんを盛り上げる技術や大道芸人自身のキャラクターの面白さも大切だ。
これがポイント!
学校の大道芸クラブや大道芸専門の教室、通信講座などで学ぶ
大道芸人になるための特別な資格はない。学歴や経験も問われない。大道芸人のなかには、イベントで見た大道芸人の技にあこがれて独学で技を習得した人、人前で技をひろうしたところ大いによろこばれたのをきっかけにプロを目指したという人もいる。人に教わらなくても、こつこつ努力を重ねて技をみがけば、ほかの人がやれない独自の技が完成するかもしれないのだ。最初から独学はむずかしければ、インターネットの動画で大道芸の技を見て学んだり、学校のクラブやサークル、大道芸専門の教室や通信講座などで学ぶなどして芸を身につける方法もある。現在は、大道芸人になるための養成所や専門学校もある。自分が得意な技を身につけることができたら、修業をかねて、実際に大道芸の舞台をふんでいく。人前で芸を見せるには、多くの経験が必要とされるからだ。アマチュアも参加できる大道芸大会にどんどん出場すると良いだろう。才能が認められた大道芸人は、イベント主催者から声がかかったり、大道芸人専門の事務所に所属できるかもしれない。さらに技をみがけば、海外のイベント(大道芸フェスティバルなど)に参加できることも!
自治体が交付するライセンスを取得して大道芸をする
日本では、街角などで許可なく大道芸を行うことは禁止されている。道路を使う場合は警察の道路使用許可、公園を使う場合は公園の管理者の許可が必要だ。そこで、いくつかの自治体は、自治体が指定した公園や広場などで大道芸を行うことができるライセンス(許可)制度を発行している。有名なものとしては、2002年から始まった東京都の「ヘブンアーティストライセンス」がある。審査に合格してライセンスを交付されたアーティストは、上野公園やお台場などの指定された区域でパフォーマンスをひろうできるのだ。東京都以外でも、北海道の「赤れんがアーティスト」、神奈川県の「江ノ島大道芸パフォーマー」、愛知県の「ナゴヤポップアーティスト」、大阪府の「大阪パフォーマーライセンス」などがある。いくつものライセンスを取得し、各地を回って技をひろうする大道芸人もいる。
将来はこうなる
大道芸人のレベルが向上
現在は、毎月どこかで大道芸のフェスティバルやイベントが行われている。日常的に大道芸人を目にする機会が増えているのだ。それにともない、お客さんの目はどんどん肥えてきている。つまり、ありきたりな芸では通用しなくなっているのだ。それは世界的にも言えることで、内容的にもクオリティ的にも、大道芸人のレベルはどんどん向上していくことになるだろう。それに備えて独自の技をみがくことも大切だが、自分を積極的にアピールすることも重要だ。現在は、インターネットの動画投稿などを利用すれば、日本だけでなく世界に向けて手軽にアピールできる。とくに身体を使ったパフォーマンスは、言葉がいらない世界共通の表現でもある。多くの大道芸は、動画によるアピールは効果的なのだ。動画を見た海外の人の間で話題になれば、世界で活躍することも夢ではないだろう。
データボックス
収入は?
大道芸人の知名度、集客数によって収入は変わるため、月収はまちまち。イベントなどに呼ばれた場合、出演料は5万円くらいから。お客さんを楽しませることができれば、より多くの投げ銭が入り、イベントの出演料も入るため、収入は安定する。平均年収は514~630万円。
休暇は?
お客さんが集まりやすい土日は働くため、平日に取ることが多い。
職場は?
路上や公園、イベント会場、テーマパーク、ショッピングモールなど。
なるためチャート
大道芸人の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!