テレビで放送される様々な映像をテレビカメラで撮影する。
こんな人にピッタリ!
自分の目で確かめたいという、好奇心が強い人。撮影にはチームワークが必要なので、ほかの人としっかり話し合いができるコミュニケーション能力も大切。重いカメラを担いで取材する場合は体力も必要だ。
どんな仕事?
番組の内容に合った分かりやすい映像を撮影する
ニュースやバラエティー、音楽やドラマなど、様々なテレビ番組の映像を撮影するのがテレビカメラマンの仕事だ。撮影する場所によって分けると、テレビ局内のスタジオで大型カメラなどを使って撮影する「スタジオカメラマン」と、取材現場へ出かけて肩に担ぐハンディーカメラなどを使って撮影する「取材カメラマン」の二つがある。スタジオカメラマンは、数人でチームを組み、番組の演出を担当するディレクターの指示を受けながら、よりよい映像を撮影する。一方、取材カメラマンは、取材現場へ出かける前にディレクターと打ち合わせをした上で、自分一人で撮影をすることが多い。ハプニングが起こっても自分の判断でよりよい映像を撮影しなくてはならないので、その責任は重大だ。どちらの場合も、テレビカメラマンは、番組で伝えたいことが分かりやすい映像になるように、画面の構図などを工夫して撮影する。それはニュースの映像に限らず、バラエティ番組やドラマの映像を撮影するときも同じ。テレビを見る人に分かりやすく、印象に残る映像を撮影することがテレビカメラマンの実力の見せ所だ。そのためには、美的センスやカメラの動かし方、照明効果などの知識が必要。また、精密機器であるテレビカメラのメカニズムを理解する知識と使いこなす能力も求められる。
これがポイント!
テレビ局の社員か、番組制作会社の社員か?
テレビ番組は、テレビ局の社員だけで作っているのではない。多くの番組は、テレビ局から仕事を任された番組制作会社によって作られている。そこで、テレビカメラマンになるには、テレビ局の社員になるか、番組制作会社の社員になるか、2つの道がある。テレビカメラマンになるために学歴は必要ないとされているが、実際には大学や専門学校の芸術系や放送系の学科の出身者が多い。とくにテレビ局の社員になるのは難しく、有名4年生大学卒業者が有利と言われている。一方、番組制作会社の場合、学歴を条件にしていない会社が大半で、未経験で入社して先輩の指導を受けながら技術を学ぶ人も多い。また、どこの社員になっても、初めは先輩テレビカメラマンの仕事を手伝う「カメラアシスタント」の仕事をするので、一人前になるには長い年数がかかる。
テレビカメラマンとして役に立つ資格
テレビカメラマンになるための特別な資格はない。だが、テレビカメラマンに必要な知識や技術を身につけている証明になる資格がある。それは「日本ポストプロダクション協会」が認定する民間資格である「映像音響処理技術者資格認定試験(映像音響試験)」。映像を制作する工程は、どのような作品を作るのかを考える「企画」やテレビカメラマンが撮影を行う「プリプロダクション」と、テレビカメラマンが撮影した映像素材を加工したり編集したりして仕上げる「ポストプロダクション」に分けられる。映像音響試験では、そのどちらの知識も学ぶことができるのだ。誰でも受験できるので、学生時代に資格を取得しておけば就職に有利になるだろう。また、取材カメラマンを目指すならば、いつでも撮影機材を積んだ自動車で取材現場へ移動できるように、普通自動車運転免許を取得しておくといい。
将来はこうなる
活躍の場は増えても、技術をみがく努力も必要
日本には、地上波テレビ、衛星放送、ケーブルテレビなど、テレビ番組を放送する会社が600社以上あり、インターネットには映像を配信するサイトが無数にある。そこに流れる映像の撮影にカメラマンは欠かせない。テレビカメラマンにとっては、活躍するチャンスが多いと言えるだろう。しかし現在は、スマートフォンに内蔵されたカメラ機能でもテレビで放送するのに問題のない美しい映像を撮影できるようになっている。ディレクターやリポーター自身が手に持った小型カメラで撮影した映像を流すテレビ番組も多い。誰でも手軽に、テレビで放送できる映像を撮影できる時代だ。そんな時代にプロのテレビカメラマンとして活躍するには、より高い技術力と映像の美的センスをみがくことが必要だろう。
データボックス
収入は?
平均年収は424~790万円。会社によって大きな差がある。
休暇は?
基本的に週休二日制だが、担当する番組によってちがう。いそがしい時は、定期的な休みを取れないこともある。
職場は?
担当する番組によってちがう。バラエティー番組やドラマは、テレビ局のスタジオや撮影所が多い。ニュースやドキュメンタリー番組では取材で外国へ行くこともある。
なるためチャート
テレビカメラマンの仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!