海上自衛隊に所属する自衛官。周囲を海に囲まれた日本の安全を守っている。
こんな人にピッタリ!
人のため、国のために役に立ちたい人。体力に自信があり、自分をきたえたい人。協調性のある人。
どんな仕事?
日本の海上を守り、国内・海外の困っている人たちを助ける
海上自衛官は、日本の海や国民を、他国から守るのが主な仕事だ。日本や海外で災害が起きた時には、艦艇や航空機などで、捜索・救助、救援物資の運送などを行う。海上自衛隊には、護衛艦隊、航空集団、潜水艦隊などの部隊があり、仕事内容は航海、射撃・射管、通信など多岐にわたる。日本の領海内を監視したり、武装工作船や潜水艦からの攻撃に対して日本の商船などを守っている。さらに、水面の氷を割りながら進む砕氷艦「しらせ」による、南極地域の観測協力なども行っている。陸上自衛官と同様に、その出動には危険がともなうため、日々厳しい訓練で心身をきたえている。
これがポイント!
自衛官の採用試験を受ける
海上自衛官になるには、自衛官の採用試験に合格しなくてはならない。採用試験は学歴によっていくつかのコースに分かれており、高卒から受けることができる。海上自衛隊には2等海士、海曹長、1等海尉などといくつもの階級があり、学歴によって、スタートする階級と昇級スピードが変わってくる。もちろん学歴が高い方が、高い階級からスタートする。採用試験は基本的に、筆記試験と口述試験、身体検査、適正審査などがある。
幹部を目指すなら「防衛大学校」「防衛医科大学校」へ
将来、海上自衛隊の幹部を目指すなら、高校卒業後、自衛隊の実践的なスキルとなる学問を学ぶ「防衛大学校(4年間)」、「防衛医科大学校(6年間)」などの自衛隊の教育機関に入るルートが一般的だ。いずれも学費・入学金が無料で、在学中は特別国家公務員として学生手当(収入)を得ることができる。海上自衛隊のパイロットになりたい場合は、海上自衛隊の航空基地で航空学生になるコースを選ぼう。
将来はこうなる
日本の海の安全を守る海上自衛官の存在感は増す
昨今は近隣諸国との関係に緊張感が高まりつつあり、今後もどうなるか不明だ。島国である日本は四方を海に囲まれているため、万一のことがある場合は、必ず海からとなる。また、日本の国民生活を支える物資のほとんどは、海外に頼っていて、その9割以上が海上運送を利用している。海上での他国とのトラブルは、国民生活に直接影響を及ぼしかねない。海から訪れる危機に対応する海上自衛隊の存在感は、ますます大きくなっていくだろう。
データボックス
収入は?
初任給は、高卒の曹候補生で月に17万9200円。幹部候補生の場合は、大卒で22万6500円。自衛官になったルートによってちがってくる。また、防衛大学校などの学生には11万7000円の学生手当が毎月支給される。
休暇は?
完全週休二日。休日に仕事をした場合は代休をもらえる。ただし、船上勤務の場合は、休みの日も船で過ごさなくてはならない。
職場は?
全国に約60か所ある基地や司令部など。
なるためチャート
海上自衛官の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!