お客さんが本を選びやすいように書店の売り場を整えて、お客さんに気持ち良く本を買ってもらう。
こんな人にピッタリ!
本を読むのが好きな人。書店に行くのが好きな人。人とコミュニケーションを取るのが好きな人。
どんな仕事?
書店で色々なジャンルの本を売る
書店員の仕事は、お客さんが本を選びやすいような売り場を作り、お客さんに気持ち良く本を買ってもらうこと。本を探すお客さんにていねいに対応し、レジで正しく会計をすることが書店員の一番大事な仕事だ。そうした接客の合間に、たなや台に置かれた本を整理する。お客さんに手に取ってもらうために、その本の面白さを伝えるポップ(POP)という手製の小さな広告をつくるのも書店員の仕事だ。お客さんの目にふれない仕事では、開店前と閉店後に行う新刊本や雑誌の最新号の入れ替え、在庫管理、売れなかった本や雑誌の返品作業などがある。なかでも重要な仕事は、仕入れる本を決めて注文すること。書店員は、そのために様々な形で本に関する情報を収集している。書店に来る出版社や「取次店」と呼ばれる本の問屋の営業担当者との対応も情報収集の一つ。そこで案内される新刊本や売れ行きの良い本の情報や、テレビ・新聞・図書館での評判、お客さんの問い合わせなどをもとにして、どの本を仕入れるべきかを判断するのだ。また、書店員は一日中立っていることが多く、毎日大量の本を運び、たなに並べたりする。予想以上に体力や筋力が必要な仕事でもある。
これがポイント!
情熱とコミュニケーション能力も大切
書店員になるために必要な資格はとくにない。正社員として就職する際、多くの書店では学歴もそれほど重視されない。だが、大手書店は「大学卒業以上」の条件をつけることもある。正社員にならなくても、契約社員やアルバイト・パートとして働くことも考えられる。本人の努力と実力、そして「書店員として働きたい」という情熱があれば、アルバイトから正社員に採用されるチャンスもあるだろう。また、書店員は、接客の他にも、アルバイトやパートの指導、出版社や取次店の営業担当者とのやりとりなど、多くの人とコミュニケーションを交わす場面がある。そのため、本が好きなだけではなく、人が好きで、人と話をするのが楽しいと感じられることも書店員にとって大切な条件の一つだ。
人と本との出合いのかけ橋となる
大型書店の場合、自分の好きなジャンル以外の本についても興味を持って知識を増やしていくことが求められる。書店員は、世の中の流れやお客さんの求めているものを敏感にとらえる力が必要だ。さらに、文学賞を受賞した作者の作品を集めたコーナーをつくるなど、売り場を演出する力も求められる。そのためにも日頃から多くの本を読み、お客さんにおすすめできるように広い本の知識を身につけておきたいもの。自分がすすめた本との出合いによって、そのお客さんの心が豊かになったり、ひょっとしたら人生が変わるかもしれない。そんな人と本との出合いを手伝えることが書店員やりがいだ。
将来はこうなる
お客さんの心をつかむために独自の魅力を打ち出す
インターネットを使ったオンライン書店が急成長し、スマホなどで小説やコミックを読める電子書籍サービスが広く利用されている今、書店に直接足を運ぶ人は少なくなった。書店も減る一方だ。そもそも日本人全体があまり本を読まなくなって本の売り上げが落ちていることもあり、書店の経営は厳しい状態が続いている。だが、そんな時代だからこそ、書店員は書店を訪れたお客さんの心をつかむような本の並べ方やポップ広告の工夫などが求められる。書店員が本の面白さや店の紹介などをSNSにアップするなど、インターネットを利用してお客さんに来店してもらう取り組みをしている書店もある。書店自身も、他の書店ではあつかっていない本を集めたコーナーや喫茶コーナーを作るなど、独自の魅力を打ち出すことが急務だろう。
データボックス
収入は?
書店の大きさによるが、平均年収は310~340万円。
休暇は?
基本的に週休二日制。シフト制なので、二日間続けて休めないことの方が多い。
職場は?
大型書店、町の小さな書店など。
なるためチャート
書店員の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!