身体が不自由な高齢者や障害者の日常生活を手助けする「介護」のスペシャリスト。
こんな人にピッタリ!
介護する人やその家族に対して思いやりを持って接することのできる包容力のある人。介護する人の話に耳を傾けられる聞き上手な人。入浴や移動を手助けすることも多いので、体力も必要。
どんな仕事?
高齢者や障害者の自立や社会参加を手助けする
介護とは、日常生活に不自由を感じている人が安全で快適な生活を送れるように手助けすること。介護を受ける人の自宅や福祉施設などで、身体の不自由な高齢者や障害者の食事、入浴、服薬、排泄、着替え、移動など、さまざまな場面で手助けをするのが介護福祉士の仕事だ。介護福祉士が直接手伝うだけでなく、介護を受ける人が自立した生活を送れるように、声をかけながら見守ることもある。また、食事の支度や洗濯、掃除、買い物、薬の受け取りなどの家事を代行することもある。さらに、介護を受ける本人、家族、関係者の介護に関する相談に乗り、助言や指導も行う。介護を受ける人や家族が社会から孤立しないように、近所づき合いなどの社会参加を手助けするのも介護福祉士の大切な仕事だ。
これがポイント!
介護福祉士の国家資格を取得する
介護の仕事は特別な資格がなくても行うことができる。だが、介護福祉士を名乗るには公益財団法人社会福祉振興・試験センターが実施する「介護福祉士国家試験」に合格し、介護福祉士の国家資格を取得しなくてはならない。ただし、介護福祉士国家試験はだれもが受検できるものではない。受検資格として「養成施設を卒業する」「福祉系高校で定められた科目・単位を取得する」「福祉施設で3年以上の実務経験を積んだ上に実務者研修を受ける」などがある。さらに、経済連携協定(ERA)によって来日した介護福祉士候補の外国人(インドネシア、フィリピン、ベトナム)にも受検資格がある。
介護福祉士に似ている仕事とそれぞれのちがい
介護をする仕事には、介護福祉士のほかにも「ケアワーカー」や「ホームヘルパー(訪問介護員)」がある。ケアワーカーとは「介護を行う人・介護士」の意味。多くの場合、高齢者施設や障害者施設において入所者や通ってくる利用者の手助けをしたり、話し相手になったりする。ケアワーカーも介護福祉士も、基本的な仕事内容は変わらない。だが、国家資格が必要な介護福祉士とちがって、ケアワーカーになるための特別な資格はない。ケアワーカーは「介護人全体の呼び方」であり、介護福祉士は「介護福祉士の国家資格を取得したケアワーカー」と理解すればいいだろう。ちなみに、介護施設では、無資格の人でも食事や入浴など利用者の身体に直接ふれる介護ができることになっている。しかし、利用者の家を訪問して介護する場合は、無資格では身体に直接ふれる介護はできない。
訪問介護をするホームヘルパーの場合、少なくとも「介護職員初任者研修」か、その上位資格の「介護職員実務者研修」を取得する。ホームヘルパーも基本的な仕事内容はケアワーカーや介護福祉士と同じだ。ところが、実務経験と国家資格がある介護福祉士は、ホームヘルパーよりも技術や知識があると見なされる。介護の現場では、介護福祉士が責任者となり、ケアワーカーやホームヘルパーに指示や指導を行うことが多い。
将来はこうなる
介護サービスが増えて介護福祉士の専門知識や技術が必要とされる
高齢化が進む日本は、2025年以降は「4人に1人が75歳以上になる」と予測されている。厚生労働省は高齢化社会への対策として「地域包括ケアシステム」と呼ばれる介護サービスの構築を進めている。これは「高齢者が住みなれた地域で自分らしい暮らしを送る手助けをする」というもの。そうした介護サービスを提供するには、多くの介護人が必要になる。その中でも専門知識や技術を備えている介護福祉士は、介護施設や訪問介護の現場のリーダーとして活動することが期待されるだろう。
データボックス
収入は?
所属する会社や団体などによって異なるが、平均年収は382~407万円。
休暇は?
基本的には週休二日。24時間の介護サービスを提供する高齢者福祉施設などで勤務する場合は、交替勤務や夜間勤務もあるので、平日に休暇を取ることもある。また、高齢者の自宅で訪問介護をする場合も、高齢者本人や家族の要望で休日勤務をすることもある。
職場は?
高齢者福祉施設、身体障害者福祉施設、病院など。介護を受ける人の自宅を訪問する仕事もある。
なるためチャート
介護福祉士の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!