ファイナンシャル・プランナー（FP）

人(ひと)と話(はなし)をすることが好(す)きな人(ひと)。お金(かね)の貯(た)め方(かた)やお得(とく)な商品(しょうひん)の買(か)い方(かた)を、調(しら)べたり考(かんが)えたりすることが好(す)きな人(ひと)。計算(けいさん)に強(つよ)い人(ひと)。

「ファイナンシャル・プランナー（FP）」とは、お金(かね)を得(え)る方法(ほうほう)や使(つか)い方(かた)などの「財務(ざいむ)」に関(かん)する計画(けいかく)（ファイナンシャル・プラン）を立案(りつあん)する人(ひと)（プランナー）という意味(いみ)。生活(せいかつ)に必要(ひつよう)なお金(かね)の中(なか)でも、主(おも)に家計(かけい)を中心(ちゅうしん)としたお金(かね)に関(かん)する助言(じょげん)、提案(ていあん)、指導(しどう)を行(おこな)う仕事(しごと)だ。働(はたら)く場所(ばしょ)は、銀行(ぎんこう)、保険(ほけん)会社(がいしゃ)、証券(しょうけん)会社(がいしゃ)、不動産(ふどうさん)会社(がいしゃ)など。その作業(さぎょう)は、まず相談者(そうだんしゃ)の収入(しゅうにゅう)や資産(しさん)、預貯金(よちょきん)や借入金(かりいれきん)、加入(かにゅう)している保険(ほけん)、家族(かぞく)構成(こうせい)などの基本的(きほんてき)な情報(じょうほう)を聞(き)き取(と)る。次(つぎ)に、相談者(そうだんしゃ)が希望(きぼう)する人生(じんせい)設計(せっけい)をふまえて、それに必要(ひつよう)な保険(ほけん)やお金(かね)の使(つか)い方(かた)などを考(かんが)え、提案(ていあん)するのだ。そのためには、最新(さいしん)の経済(けいざい)や金融(きんゆう)の情報(じょうほう)はもちろん、不動産(ふどうさん)、税金(ぜいきん)、法律(ほうりつ)など幅広(はばひろ)い専門的(せんもんてき)な知識(ちしき)が求(もと)められる。現在(げんざい)は預貯金(よちょきん)の方法(ほうほう)や保険(ほけん)の種類(しゅるい)が増(ふ)え、さらに株式(かぶしき)会社(がいしゃ)の運営(うんえい)資金(しきん)となる「株(かぶ)」などを買(か)って利益(りえき)を得(え)る「投資(とうし)」をする人(ひと)も増(ふ)えている。そうしたお金(かね)に関(かん)するFPの助言(じょげん)や提案(ていあん)が相談者(そうだんしゃ)の人生(じんせい)を豊(ゆた)かなものに変(か)えるかもしれない。それがお金(かね)に関(かん)するプロであるFPのやりがいだろう。

ファイナンシャル・プランナー（FP）になるための特別(とくべつ)な資格(しかく)はない。銀行(ぎんこう)、保険(ほけん)会社(がいしゃ)、証券(しょうけん)会社(がいしゃ)などで働(はたら)くことで、FPの仕事(しごと)に必要(ひつよう)なお金(かね)に関(かん)する知識(ちしき)や、計画(けいかく)を立案(りつあん)・提案(ていあん)する技術(ぎじゅつ)は身(み)に付(つ)けられる。一方(いっぽう)で、FPとしての実力(じつりょく)を測(はか)ったり、実績(じっせき)や信用性(しんようせい)を示(しめ)すための資格(しかく)がいくつかある。その１つは、国家(こっか)資格(しかく)である「FP技能士(ぎのうし)」。この資格(しかく)を取得(しゅとく)するには、厚生(こうせい)労働(ろうどう)大臣(だいじん)の指定(してい)を受(う)けたNPO法人(ほうじん)日本(にほん)FP協会(きょうかい)と一般(いっぱん)社団(しゃだん)法人(ほうじん)金融財政事情研究会(きんゆうざいせいじじょうけんきゅうかい)の２団体(だんたい)が実施(じっし)する「FP技能(ぎのう)検定(けんてい)」に合格(ごうかく)しなくてはならない。３級(きゅう)、２級(きゅう)、１級(きゅう)の３段階(だんかい)あり、初心者用(しょしんしゃよう)の３級(きゅう)の試験(しけん)は「FP業務(ぎょうむ)に従事(じゅうじ)している者(もの)、または従事(じゅうじ)しようとしている者(もの)」であれば誰(だれ)でも受検(じゅけん)できる。だが、２級(きゅう)を受検(じゅけん)するには３級(きゅう)の合格者(ごうかくしゃ)か２年(ねん)以上(いじょう)の実務(じつむ)経験(けいけん)などが必要(ひつよう)で、１級(きゅう)を受検(じゅけん)するには２級(きゅう)の合格者(ごうかくしゃ)か５年(ねん)以上(いじょう)の実務(じつむ)経験(けいけん)などが必要(ひつよう)だ。１級(きゅう)の合格(ごうかく)率(りつ)は10パーセントほどで、FP資格(しかく)試験(しけん)の中(なか)では最(さい)難関(なんかん)。 合格(ごうかく)した資格(しかく)に有効(ゆうこう)期限(きげん)はなく、更新(こうしん)（資格(しかく)を続(つづ)けるための手続(てつづ)き）も不要(ふよう)だ。

ファイナンシャル・プランナー（FP）の力量(りきりょう)を示(しめ)す資格(しかく)には、「日本(にほん)FP協会(きょうかい)」が認定(にんてい)する民間(みんかん)資格(しかく)である「AFP（アフェリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー）」と「CFP（サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー）」もある。AFP資格(しかく)は、国家(こっか)資格(しかく)のFP技能士(ぎのうし)２級(きゅう)を持(も)つ者(もの)がAFP認定(にんてい)研修(けんしゅう)を受(う)けることで取得(しゅとく)できる。AFPの上位(じょうい)資格(しかく)であるCFP資格(しかく)は、３年(ねん)以上(いじょう)の実務(じつむ)経験(けいけん)があるAFP認定者(にんていしゃ)が６科目(かもく)の試験(しけん)に合格(ごうかく)すると取得(しゅとく)できる。ちなみにAFPの「アフェリエイテッド」は、共同(きょうどう)や協力(きょうりょく)など「連携(れんけい)する」という意味(いみ)で、CFPの「サーティファイド」は「認定(にんてい)」の意味(いみ)。AFPが技術(ぎじゅつ)をみがくことで、連携(れんけい)している国際的(こくさいてき)に認(みと)められたCFPになれるのだ。どちらも２年(ねん)ごとの更新(こうしん)が必要(ひつよう)で、更新(こうしん)する場合(ばあい)は資格(しかく)を続(つづ)けるための研修(けんしゅう)を受(う)けなくてはならない。つねに最新(さいしん)の勉強(べんきょう)をする必要(ひつよう)があるので、資格(しかく)を取得(しゅとく)した人(ひと)の信用度(しんようど)は高(たか)いようだ。とくにCFP資格(しかく)は、世界(せかい)25か国(こく)と地域(ちいき)で認(みと)められた高(たか)い水準(すいじゅん)のFPサービスを提供(ていきょう)できる証明(しょうめい)になる。英語(えいご)を身(み)に付(つ)ければ、海外(かいがい)でFPとして活動(かつどう)するチャンスも生(う)まれるだろう。

将来(しょうらい)に備(そな)えてお金(かね)を貯(た)めることも人生(じんせい)設計(せっけい)では大事(だいじ)なことだ。日本(にほん)政府(せいふ)は、個人(こじん)が専用(せんよう)口座(こうざ)を使(つか)って一定(いってい)の金額(きんがく)内(ない)で金融(きんゆう)商品(しょうひん)（株(かぶ)など）を買(か)った場合(ばあい)に、そこから得(え)た配当金(はいとうきん)（利益(りえき)）に税金(ぜいきん)をかけない制度(せいど)「NISA（ニーサ）」を推進(すいしん)している。その目的(もくてき)は、多(おお)くの人(ひと)の預貯金(よちょきん)を投資(とうし)に向(む)かわせて経済(けいざい)を活性化(かっせいか)させること。だが、お金(かね)を使(つか)ってお金(かね)を増(ふ)やす資金(しきん)運用(うんよう)では、専門(せんもん)知識(ちしき)がないと思(おも)ったように利益(りえき)をあげるのは難(むずか)しい部分(ぶぶん)もある。お金(かね)に関(かん)する専門家(せんもんか)であるFPに、そうした資産(しさん)運用(うんよう)もふくめた相談(そうだん)をする人(ひと)が増(ふ)えていくだろう。FP先進(せんしん)国(くに)であるアメリカでは、「かかりつけの医者(いしゃ)」や「いつも相談(そうだん)する弁護士(べんごし)」と同(おな)じくらいFPも身近(みぢか)な存在(そんざい)だという。そう遠(とお)くない未来(みらい)の日本(にほん)では、FPがより気軽(きがる)に相談(そうだん)できる存在(そんざい)になるかもしれない。

平均(へいきん)年収(ねんしゅう)は722～1047万(まん)円(えん)。

会社(かいしゃ)に勤(つと)めている場合(ばあい)、完全(かんぜん)週休(しゅうきゅう)二日制(ふつかせい)の所(ところ)がほとんど。独立(どくりつ)開業(かいぎょう)している場合(ばあい)は、顧客(こきゃく)の要望(ようぼう)に対応(たいおう)しつつ、自分(じぶん)のペースで決(き)められる。

銀行(ぎんこう)、生命(せいめい)保険(ほけん)会社(がいしゃ)、損害(そんがい)保険(ほけん)会社(がいしゃ)などの金融(きんゆう)機関(きかん)に勤(つと)めるのが一般的(いっぱんてき)。不動産(ふどうさん)会社(がいしゃ)や協同(きょうどう)組合(くみあい)、官公庁(かんこうちょう)、自治体(じちたい)、税理士(ぜいりし)事務所(じむしょ)や会計(かいけい)事務所(じむしょ)、マネー・コンサルティング会社(がいしゃ)などに所属(しょぞく)するケースも。フリーランスで活動(かつどう)する人(ひと)もいる。

ファイナンシャル・プランナー（FP）の仕事(しごと)につくための主(おも)なルートが一目(ひとめ)で分(わ)かるチャートだよ！