インターネットの動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」に動画を投稿して情報を発信し、収入を得る。
こんな人にピッタリ!
動画を通してなにかを表現したい人。人を楽しませたい人や喜ばせたい人。
どんな仕事?
自分の好きなことや得意なことの動画で収入を得る
YouTubeは、Google社が運営するインターネットの動画配信サービス。年齢制限など条件はあるが、ルールを守れば無料でチャンネル(動画をまとめる場所)を開設し、そこに動画を投稿(アップロード)して配信(公開)できる。日本だけで7000万人以上、世界では25億人以上(2023年現在)のYouTube利用者に自分の動画作品を見てもらえるのだ。
そんなYouTubeに動画を投稿・配信することで収入を得ているのが「YouTuber(ユーチューバー)」。YouTuberが投稿・配信する動画の種類は、テレビのバラエティ番組のようにいろいろなことに挑戦するエンタメ(お楽しみ)系、ゲームをプレイする様子を伝えるもの、音楽、美術、美容、ペット、教育などさまざまだ。その動画を見てもらうことが収益につながるので、多くの人に「面白い、ほかの作品も見たい」と思ってもらう、独自性のある動画を作ることが大切だ。そのためには、面白い内容にするアイデア、それをビデオカメラやスマートフォンなどで撮った映像、そして映像をわかりやすく編集する技術も必要だ。それらの技術は独学でも習得できるが、より高度な動画を作るには、映像系の大学や専門学校などで学んでもいいだろう。
これがポイント!
YouTuberになるには年齢制限や条件がある
YouTuberになるには、学歴や特別な資格はない。ただし年齢制限や条件がある。まず、YouTubeに動画を投稿するには「アカウント」と呼ばれる利用者を識別するIDやパスワードなどが必要だが、13歳未満はアカウントをつくれない。13歳未満は、親や保護者が管理するアカウントで投稿する必要がある。また、投稿・配信した動画で収入を得るには、Googleの広告サービス「Googleアドセンス」のアカウントが必要で、こちらは18歳以上しかつくれない。18歳未満で収入を得る場合は、親や保護者が所有するアドセンスのアカウントにリンク(連結)させる必要がある。
さらに、YouTubeに動画を投稿・配信すれば誰でも収入を得られるわけではなく、YouTubeの「パートナーシッププログラム」に登録しなくてはならない。登録が認められるには「チャンネルの登録者数が1000人以上」、「1年の間に4000時間以上動画が再生されている人」などの条件がある。ちなみに「YouTubeショート動画」の場合は「90日の間に1000万回再生」が条件になっている。
すぐにYouTuberになれると思わず、まずはチャンネル登録してくれる人の数や動画の再生数を増やすことを目標にしよう。
一方で、多くの人に情報を伝えるのは責任の重い仕事でもある。誤った情報、人を傷つける意見、見た人を不快にさせる行動などを投稿すると、多くの人から批判を受けることもある。また、著作権侵害や誹謗中傷などのトラブルを防ぐためにも、細心の注意で動画を作り、投稿・配信すべきだろう。
YouTuberが収益を上げる方法にはいろいろなものがある
YouTubeの「パートナーシッププログラム」に登録したYouTuberは、広告料を得ることができる。この場合の広告料は、再生される動画内に広告を表示させることに対する「謝礼」のようなもの。広告主はYouTubeに広告料を支払っており、それをYouTubeと動画投稿者とで分け合う形だ。広告料は広告が再生される度に発生するので、動画の再生回数が増えれば投稿者が受け取る広告料も増えていく仕組み。
また「ライブ(生)配信」をしている人に対して、見ている人が応援するためにお金を送る「スパチャ(スーパーチャット/投げ銭)」という仕組みもある。配信者は、投げ銭された金額のうち、YouTubeなどへの手数料を差し引いた金額を受け取ることができる。
YouTuberとして人気者になれば「チャンネルメンバーシップ」という制度を利用できる。チャンネル登録者からメンバーになる希望者を集めて、月額制でお金を取る。その代わりメンバーだけが見られる動画や特典を用意するなど、ファンクラブのような収益方法だ。
ほかにも、会社との取り決めで商品やサービスを宣伝し、成果に応じて謝礼を受け取る「アフィリエイトマーケティング(成果報酬型広告)」という方法もある。ただし、この方法を利用する場合、動画に「広告」や「PR」であることを明記しなくてはならない。
将来はこうなる
世界で活動するYouTuberになるのも夢ではない
YouTuberは、小学生の「将来つきたい職業」で上位の人気職業だ。YouTubeを楽しむ人やYouTubeに広告を出す会社は増えていくと思われるので、今後も小学生の人気職業であり続けるだろう。それは、それだけYouTuberになろうとする人が多いことでもある。YouTuberを目指す人は、競争率が高いことを心得ておこう。無名の人でも、おもしろくてインパクトの動画が注目されて有名になる可能性はじゅうぶんあるが、最近は芸能人やスポーツ選手、企業などの影響力があるアカウント開設も増えている。見る人の数や見る時間は限りがあるので、有名人のチャンネルを見る人、見る時間が増えれば、無名のYouTuberの動画を見る人と時間は減る。無名のYouTuberが成功する機会は厳しくなるだろう。
データボックス
収入は?
動画制作を仕事にしている人の平均年収ははっきりしていない。YouTubeに動画を投稿・配信することで得られる広告収入などは、人によって異なる。日本の有名なYouTuberは数億円の年収がある一方、YouTuberの75%は平均月収「5万円未満」という調査もある。ちなみに、YouTubeの動画の広告収入の単価は公開されていないのであくまで推定だが、1回再生されると約0.05~0.7円の広告収入が得られると言われている。その計算では、100万回再生されると5~70万円の収益を期待できることになる。
休暇は?
YouTuberの収入だけで生活している人は、どこの会社にも所属していないフリーランスであることが多く、勤務時間や休日は決まっていない。一方、広告収入だけで生活できない人は、別の仕事で収入を得て、副業でYouTuberをしていることが多い。別の仕事の休日や就業後に動画を作ったり投稿・配信するようだ。
職場は?
多くのYouTuberは、自宅で動画を作って投稿・配信をしている。YouTubeに投稿する動画をとる人向けの貸しスタジオもあり、そこからライブ配信することもあるようだ。
なるためチャート
YouTuberの仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!