くぎれ【句切れ】 和歌(わか)の途中(とちゅう)で，意味(いみ)や調子(ちょうし)のうえから流(なが)れがいったん切(き)れるところ。句切(くぎ)れの位置(いち)によって，初句切(しょくぎ)れ・二句切(にくぎ)れ・三句切(さんくぎ)れ・四句切(しくぎ)れという。 用例(ようれい) 初句切(しょくぎ)れ「海(うみ)恋(こい)し 潮(しお)の遠鳴(とおな)りかぞへ(え)えては少女(おとめ)となりし父母(ふぼ)の家(いえ)」（与謝野(よさの)晶子(あきこ)）。 二句切(にくぎ)れ「白鳥(しらとり)は悲(かな)しからずや 空(そら)の青海(あおうみ)のあを(お)にも染(そ)まずただよふ(う)」（若山(わかやま)牧水(ぼくすい)）。 三句切(さんくぎ)れ「手(て)を振(ふ)りてはげしき声(こえ)に叫(さけ)びたり この嬰子(みどりご)は怒(いか)りそめたる」（窪田章一郎(くぼたしょういちろう)）。 四句切(しくぎ)れ「朝(あさ)あけて船(ふね)より鳴(なら)れる太(ふと)笛(ぶえ)のこだまはながし 並(な)みよろふ(う)山(やま)」（斎藤(さいとう)茂吉(もきち)）。
