月食、日食ってなに、どうしておきる？　仕組みの違いを解説

まず地球(ちきゅう)と太陽(たいよう)、月(つき)はそれぞれどんな関係(かんけい)にあるかを整理(せいり)しましょう。
地球(ちきゅう)は1日(にち)に1回転(かいてん)（自転(じてん)）しながら、太陽(たいよう)の周(まわ)りを1年(ねん)かけて1周(しゅう)（公転(こうてん)）しています。太陽(たいよう)は直径(ちょっけい)がおよそ139万(まん)2000kmで、地球(ちきゅう)（直径(ちょっけい)およそ1万(まん)2700km）のおよそ109倍(ばい)。太陽(たいよう)と地球(ちきゅう)はおよそ1億(おく)5000万(まん)kmはなれています。
月(つき)はおよそ27日(にち)かけて1回転(かいてん)（自転(じてん)）しながら、同(おな)じ27日(にち)かけて地球(ちきゅう)の周(まわ)りを1周(しゅう)（公転(こうてん)）しています。月(つき)は直径(ちょっけい)がおよそ3500kmで、地球(ちきゅう)の4分(ぶん)の1ほど。距離(きょり)は、遠(とお)いときと近(ちか)いときがあり平均(へいきん)で38万(まん)4400kmはなれています。

そして日々(ひび)動(うご)き続(つづ)けているこの3つの位置(いち)が、たまたま一直線(いっちょくせん)に並(なら)んだときにおきる珍(めずら)しい現象(げんしょう)が月食(げっしょく)と日食(にっしょく)です。

月食(げっしょく)は、3つの星(ほし)が「太陽(たいよう)→地球(ちきゅう)→月(つき)」の順番(じゅんばん)で一直線(いっちょくせん)になったときにおきます。太陽(たいよう)の光(ひかり)を受(う)けた地球(ちきゅう)の影(かげ)の中(なか)を、月(つき)が通過(つうか)するときに観測(かんそく)できる現象(げんしょう)です。光(ひか)り輝(かがや)く満月(まんげつ)が黒(くろ)く欠(か)けていくのは、地球(ちきゅう)の影(かげ)がうつっているのです。

続(つづ)いて日食(にっしょく)は、どういう現象(げんしょう)でしょうか。
日食(にっしょく)は、「太陽(たいよう)→月(つき)→地球(ちきゅう)」の順番(じゅんばん)で一直線(いっちょくせん)に並(なら)んだときにおきます。太陽(たいよう)から地球(ちきゅう)にふり注(そそ)ぐ光(ひかり)を、月(つき)そのものがさえぎることになるので、太陽(たいよう)が欠(か)けたり、全体(ぜんたい)が覆(おお)われたりしたように見(み)えます。日食(にっしょく)は、このとき月(つき)の影(かげ)がうつっている地域(ちいき)でしか観測(かんそく)できません。

月食(げっしょく)は、地球(ちきゅう)から見(み)て月(つき)が太陽(たいよう)の反対(はんたい)側(がわ)にあるとき、つまり満月(まんげつ)のときにおきます。日食(にっしょく)は、地球(ちきゅう)から見(み)て月(つき)と太陽(たいよう)が同(おな)じ方向(ほうこう)にあるとき、つまり新月(しんげつ)のときにおきます。ただし、満月(まんげつ)と新月(しんげつ)のときに毎回(まいかい)おきるわけではありません。これは地球(ちきゅう)が太陽(たいよう)の周(まわ)りを公転(こうてん)している面(めん)に対(たい)して、月(つき)が地球(ちきゅう)の周(まわ)りをまわっている面(めん)が5度(ど)ほど傾(かたむ)いていて、必(かなら)ず一直線(いっちょくせん)になるわけではないためです。この傾(かたむ)きがなければ、満月(まんげつ)・新月(しんげつ)のときには毎回(まいかい)、月食(げっしょく)・日食(にっしょく)がおきることになっていたはずです。実際(じっさい)は月食(げっしょく)・日食(にっしょく)がおこるための一直線(いっちょくせん)の状態(じょうたい)になるチャンスはおよそ半年(はんとし)に1回(かい)となっています。

月食(げっしょく)は、発生(はっせい)しているときに「夜(よる)」で月(つき)が見(み)える地域(ちいき)であれば、世界(せかい)中(ちゅう)のどこからでも観測(かんそく)することができます。一方(いっぽう)で、日食(にっしょく)は、発生(はっせい)しているときに「昼(ひる)」で、さらに月(つき)の影(かげ)の中(なか)に入(はい)っている限(かぎ)られた地域(ちいき)でしか観測(かんそく)できません。ですので、実際(じっさい)に体験(たいけん)するチャンスとしては、月食(げっしょく)の方(ほう)が多(おお)そうです。

月食(げっしょく)も日食(にっしょく)も、観測(かんそく)するのに大(おお)がかりな設備(せつび)や高価(こうか)な望遠鏡(ぼうえんきょう)などは不要(ふよう)で、親(した)しみやすい天体(てんたい)ショーです。ですが、日食(にっしょく)を観測(かんそく)するときは、太陽(たいよう)を直接(ちょくせつ)見(み)たら失明(しつめい)する恐(おそ)れもあり大変(たいへん)危険(きけん)ですので、必(かなら)ず日食(にっしょく)グラスなどを使用(しよう)しましょう。国立(こくりつ)天文台(てんもんだい)のホームページには、月食(げっしょく)、日食(にっしょく)がいつどこで見(み)られるかを計算(けいさん)する「月食(げっしょく)各地(かくち)予報(よほう)」、「日食(にっしょく)各地(かくち)予報(よほう)」もあるので、ぜひ調(しら)べてみてください。

・国立(こくりつ)天文台(てんもんだい)「月食(げっしょく)とは」：https://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse.html
・国立(こくりつ)天文台(てんもんだい)「日食(にっしょく)とは」：https://www.nao.ac.jp/astro/basic/solar-eclipse.html
・国立(こくりつ)天文台(てんもんだい)　暦(こよみ)Wiki「月食(げっしょく)」：https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B7EEBFA9.html
・国立(こくりつ)天文台(てんもんだい)　暦(こよみ)Wiki「日食(にっしょく)」：https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C6FCBFA9.html
・『調(しら)べる学習(がくしゅう)百貨(ひゃっか)　月(つき)を知(し)る！』（吉川(よしかわ)真(まこと)/監修(かんしゅう)、三品(みしな)隆司(たかし)/構成(こうせい)・文(ぶん)、2017年(ねん)、岩波(いわなみ)書店(しょてん)）