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おなかが痛くなるのは、なぜ?

おなかが痛くなるのは、なぜ?

こたえ:内臓(ないぞう)原因(げんいん)のもの、腹膜(ふくまく)神経(しんけい)がしげきされて()こるものなどがあります。

おなかの(いた)み(腹痛(ふくつう))は、()どもにもよく()きる症状(しょうじょう)です。その(とき)どきで(いた)みの(おお)きさや(いた)(かた)がちがい、すぐに(おさ)まっても不安(ふあん)になることがあるでしょう。腹痛(ふくつう)にはどんなものがあり、どんなことに()をつけなければいけないのか、()っておくと安心(あんしん)かもしれません。

腹痛(ふくつう)は、(おお)きく「内臓(ないぞう)(つう)」「体性(たいせい)(つう)」「関連(かんれん)(つう)」の3つに()けられます1)。1つ()内臓(ないぞう)(つう)は、消化管(しょうかかん)()びたり(ちぢ)んだり、けいれんしたりしたときに、内臓(ないぞう)神経(しんけい)(つう)じて(かん)じる(いた)みです。2つ()体性(たいせい)(つう)は、腹膜(ふくまく)腸間膜(ちょうかんまく)小腸(しょうちょう)(つつ)んで(ささ)えている(まく))、横隔膜(おうかくまく)といった器官(きかん)(とお)っている知覚神経(ちかくしんけい)刺激(しげき)されて()きます。そして3つ()関連(かんれん)(つう)は、おなかから(はな)れた場所(ばしょ)異常(いじょう)()()こします。

このうち内臓(ないぞう)(つう)は、おなか全体(ぜんたい)(なん)となく(いた)いのが(とく)ちょう。一定(いってい)のリズムで(いた)くなったりおさまったりをくり(かえ)すことが(おお)いようです。たとえば、下痢(げり)のときの(いた)みは内臓(ないぞう)(つう)です。

それに(たい)して体性(たいせい)(つう)は、(いた)部分(ぶぶん)がはっきりしていて、(するど)(いた)みが(つづ)きます。(きゅう)(はし)って脇腹(わきばら)(いた)くなるのも、虫垂炎(ちゅうすいえん)〔いわゆる“盲腸(もうちょう)”〕も、体性(たいせい)(つう)です。虫垂炎(ちゅうすいえん)場合(ばあい)、はじめは()(あた)りが(いた)み、それからだんだん虫垂(ちゅうすい)周辺(しゅうへん)(いた)くなり、最後(さいご)にはさしこむように(いた)くなります。これは、まず内臓(ないぞう)(つう)()き、その(あと)体性(たいせい)(つう)となっているためです。

3つ()関連(かんれん)(つう)は、ある内臓(ないぞう)()きた(いた)みが脊髄(せきずい)神経(しんけい)(つた)わり、臓器(ぞうき)のある場所(ばしょ)とは(ちが)皮膚(ひふ)などに(いた)みを()こすものです。はなれた場所(ばしょ)異常(いじょう)原因(げんいん)ですが、この場所(ばしょ)(いた)いときはこの臓器(ぞうき)原因(げんいん)、という(おお)まかな関係性(かんけいせい)()かっているので、原因(げんいん)推定(すいてい)することができます。

このように、腹痛(ふくつう)には3つのタイプがありますが、(おも)わぬ病気(びょうき)がかくれている場合(ばあい)もあるので、医学(いがく)知識(ちしき)()たない(ひと)原因(げんいん)(おも)い/(かる)いを判断(はんだん)するのは危険(きけん)です。「腹痛(ふくつう)くらい」と(かる)(かんが)えず、お医者(いしゃ)さんの診察(しんさつ)()けましょう。

クリニックや病院(びょういん)受診(じゅしん)するときは、(つぎ)のことを()かれます2)

  • いつから(いた)いのか((れい)昨日(きのう)夕食(ゆうしょく)()から、今朝(けさ)から)
  • (いた)みに変化(へんか)はあるか((れい)食後(しょくご)(いた)くなる、30(ぷん)ごとに(いた)くなる)
  • どの場所(ばしょ)(いた)いのか((れい)全体(ぜんたい)、みぞおちの(あた)り、右下(みぎした)
  • どのように(いた)いのか((れい):ズキズキ、チクチク、()すような)
  • ほかに症状(しょうじょう)はあるか((れい)下痢(げり)、はき()発熱(はつねつ)
  • そのほか((れい)()んでいる(くすり)、アレルギー、これまでかかった病気(びょうき)やケガ)

おなかが(いた)いときに上手(じょうず)(つた)えるのはむずかしいかもしれませんが、これらの情報(じょうほう)があると、診察(しんさつ)がスムーズになるでしょう。(いえ)(ひと)にも(たす)けてもらって説明(せつめい)できるといいですね。

記事更新:2023年4月

参考(さんこう)資料(しりょう)

1)大幸薬品(たいこうやくひん).「おなかの(なや)相談(そうだん)(しつ) 腹痛(ふくつう)種類(しゅるい)」:

https://www.seirogan.co.jp/fun/stomach/stomachache02.html

2)広島県(ひろしまけん)医師会(いしかい)小冊子(しょうさっし).『()っておきたい“腹痛(ふくつう)(おなかが(いた)い)”のポイント』.2010(ねん)

http://www.hiroshima.med.or.jp/pamphlet/188/

監修者(かんしゅうしゃ)大山(おおやま)光晴(みつはる)

1957(ねん)東京都(とうきょうと)()まれ。東京(とうきょう)工業(こうぎょう)大学(だいがく)大学院(だいがくいん)修士(しゅうし)課程(かてい)修了(しゅうりょう)高等(こうとう)学校(がっこう)物理(ぶつり)教諭(きょうゆ)千葉県(ちばけん)教育(きょういく)委員会(いいんかい)指導(しどう)主事(しゅじ)千葉(ちば)県立(けんりつ)長生(ちょうせい)高等(こうとう)学校(がっこう)校長(こうちょう)(など)()て、現在(げんざい)秀明大学(しゅうめいだいがく)学校(がっこう)教師(きょうし)学部(がくぶ)教授(きょうじゅ)として「理数(りすう)探究(たんきゅう)」や「総合的(そうごうてき)学習(がくしゅう)時間(じかん)」の指導(しどう)方法(ほうほう)について講義(こうぎ)演習(えんしゅう)担当(たんとう)している。科学(かがく)実験(じっけん)教室(きょうしつ)やテレビの実験(じっけん)番組等(ばんぐみなど)への出演(しゅつえん)多数(たすう)千葉市(ちばし)科学館(かがくかん)プロジェクト・アドバイザー、日本(にほん)物理(ぶつり)教育(きょういく)学会(がっかい)常務(じょうむ)理事(りじ)日本(にほん)科学(かがく)教育(きょういく)学会(がっかい)(およ)日本(にほん)理科(りか)教育(きょういく)学会(がっかい)会員(かいいん)月刊(げっかん)理科(りか)教育(きょういく)編集(へんしゅう)委員(いいん)(など)(つと)める。

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