「地球防衛隊SDGs」第43話解説編「お金の不平等をなくすための、税のしくみ」
ちょっとむずかしそうだけど、
不平等がテーマのまんが第43話はコチラ!
小学生 でも、ほとんどの人 が払 っている税金 がある!
ねえ、スモール。
お金についての不平等をなくすために、税のしくみがあるんだね!
どんな人でも最低限生きるために必要なサービスを受けられないと、安心して生活ができないもん。
空も大人になって仕事を始めたら、ちゃんと税金を払おうと思う!
いやいや、空はもう税金を払っているじゃん!
え? 税金? 空がいつ払った?
ほら今日、コンビニでボールペンを買ったでしょ? そのときに。
えええ? ちょっと待って、まだレシートあったかな。取ってくる……。
あ! ほんとだ。たしかにレシートに「消費税」って書いてあるよ!
そう。商品を買ったりサービスを受けたりしたときなどにかかる税金を「消費税」というよ。今、日本では消費税は基本的に10%(※お酒や外食以外の食料品など、”軽減税率”の対象になる買い物は8%)と定められているんだ。110円のボールペンを買ったとしたら、税抜のボールペンの価格が100円、消費税が10円、ってことだね。
空が払った消費税の10円は、いったいどこに行くの?
商品を買ったお店、つまりさっきの空の場合はコンビニがまとめて、税務署というところに納めるんだ。そうして集めた税金をうまく使って、厳しい暮らしをしている人たちを支えていくんだね。
そっかあ。空の10円が、不平等をなくすために役立っているなんて、なんだか嬉しい!
身近なものだと、たとえばこんなところに税金が使われているよ。
■病気になったときの手当てにかかるお金の一部
■老後も安心して暮らしていくためのお金の一部
■お年寄りや病気になった人のお世話をするお金の一部
■生活に困った人たちを助けるためのお金の一部
■学校教育のためのお金の一部
*「不平等をなくすため」以外にも、安全に通学ができる道路を整備したり、水道を整備したりと、みんなが暮らしやすい環境をつくることにも税金は使われているよ!
そのほか、平等に教育を受けられるためにも税金は使われているんだ。たとえば公立小学校に通う児童一人あたり、年間約88.2万円(※)を税金から負担しているんだよ。
※平成30年度。出典:国税庁「税の学習コーナー」
空たち一人ひとりに、年間88.2万円も!?
そうだよ。お金持ちかどうかにかかわらず、みんなが小学校に通えるのも、税のしくみがあるからなんだ。
税金の使い道は、そのときの社会の状況によって変わるんだ。昔は生活に困っている人たちや失業した人たちを助けるために、たくさん税金が使われていた。最近は高齢社会となり、医療や年金、介護に税金が多く使われるようになったよ。
そうなんだ。集めた税金をどんなふうに使うといいのか、みんなで考えていかなきゃいけないね。空の10円が、困っている人のところにちゃんと届いたらいいなあ。
お金にまつわる不平等だけじゃなくて、さまざまな不平等をなくしていくためには、国と国との間の不平等、国内で起きている不平等、そして友達と自分の間にある不平等など、幅広い不平等の課題に目を向けてみるといいね。
そうだね。差別や思い込み、偏見による不平等は、空たちの間でも起こる可能性がある問題だし……。気づかないうちに、自分の思い込みによって不平等をつくりだしてしまわないか心配だな。
「きっと〇〇だ」「よく知らないけど〇〇にちがいない」などと無意識に決めつけていないか、毎日の生活の中でチェックしてみるといいね。
むずかしいテーマだけど、空ができることからやってみるよ!
構成・文/塚田智恵美
イラスト/奈良裕己